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旧稿 オフィーリア 水の精 花の女神 

私の裏ブログだった「オリコン」が無くなって、記事も消滅していたのですが、ねこねこブログさんで、当時の記事を一部引用したものがありました。ありがとうございます。まるで自分の落し物をここだよと教えてくれたような・・・。

ねこねこブログさん 引用してくれた記事から

オフィーリア 水の精 花の女神
http://blog.oricon.co.jp/lohas/archive/2/0
イギリスは古くから水と女性を深く結びつけ、生よりも死の印象を持っていました。それは世紀末にも続き、とくにラファエロ前派は、オンディーヌ、エレーン、シャロットの姫君、そしてオフィーリアと水の上(また小舟で)で命が絶たれる題材を描いていました。(中略)
ガストン・バシュラール(Gaston Bachelard)が「水と夢 物質の想像力についての試論」で述べている「オフィーリア・コンプレックス」といわれるのが、涙が女性を象徴するように、(水が)女性的な死のイメージを象徴していることを美しく描いています。
詩的想像力の研究でも成果をあげたバシュラールは、ヴィーナスの誕生を「泡」ではなく「海」と捉えた発想で、ヴィーナスは「水」から生まれ、オフィーリアは「水」に帰ったという女性説のひとつ。母なる大地ではなく。
この19世紀の英国では女性が恋人に裏切られて入水自殺を図ることが多かったようです。つまり性愛の果てに捨てられるか、身ごもって捨てられた「堕ちた女」たちの行く末なんです。(中略)バシュラールは、そうした現実の女性の入水を別に、ファンタスティックなイメージに結び付けています。知識者や芸術家たちが賛美し、こうした風潮に結び付けていますが、実際、男性のほうが多い自殺でした。ハムレット・コンプレックスのほうがしっくりいく19世紀の英国です。

オフェリア幻想
世紀末には神話の世界では神々よりも、キルケのような妖女や、サロメが代表する破滅させるファムファタルの全盛時代に「オフィーリアの狂気」が描かれているのです。ミレイは花々を描き込んだ流れていくオフィーリアを作品にしましたが、花言葉は彼女の人格とすぐそこにある突然の不幸を伝えています。無駄という花言葉は無能力というように、ミレイはオフィーリアを美しく描きながら、シェイクスピアの隠された意図も含んでいました。
そしてオフィーリアを水にたとえる「オフィーリア・コンプレックス」、女性と病弱(狂気)をたとえる「オフェリア幻想」が19世紀に流行します。夏目漱石も「草枕」にて「オフェリア幻想」を那美と重ねていますよね。
「理性は男性、狂気は女性」という風潮が19世紀にありました。(案外、「理性は男性、ヒステリーは女性」なのかもしれませんよね。)
ここでいう狂気とはメランコリー(憂鬱症)ではないでしょうか。このヴィクトリア朝の中産階級の女性たちには(貴族階級のような)「サロン」もなく、また下層階級の貧しい女たちに比べて、(自分達で働いて)生活の糧を得ることもなく、「暇」という余裕があったのです。そこで社会進出ではなく、「家庭」を守るという領域に徹したわけです。つまりオフィーリアのように男性に擁護されている女性たちです。
18世紀終わりから19世紀の始め頃、女性の知識層「ブルーストッキング」のフェミニズムな思想があったものの19世紀には外の領域は男性、内の領域は女性というスタイルが定着したのです。ヴィクトリア朝の妻や女性の病弱は男性に歓迎され、美しいうちに死んでいくということに賛美されていたのではないかと思うくらいです。
ミレイのオフィーリアのモデルをつとめたエリザベスも神経が衰弱し自殺をしています。19世紀は精神や神経を病む女性が非常に増えて、衰弱していきます。女性と狂気、狂気とオフィーリアと結び付けれて「オフェリア幻想」と呼ばれるのです。
抑圧されたもの。たとえばオフィーリアの場合は成就しない愛ですが、19世紀の女性たちにとって抑圧の原因になったものはなんだったのでしょう。女性の憂鬱症を貞淑の美として捉えて崇拝したのは伝統的な騎士道精神でしょうか。

本当にありがとうございました。(中略)は何を書いていたのでしょうか。掲載した画像の2枚だけは覚えております。


私のオフィーリア記事


■使用作品画像の記事
レヴィ=デュルメルのオフィーリア
記事シェイクスピア「ハムレット」から 愛しのオフィーリア

ドラクロワのオフィーリアはこちら saiのブログ記事
記事 「詩は有声の絵、絵画は無声の詩 ハムレットから

ジョン・エバレット・ミレイのオフィーリア
記事 五月の薔薇に髑髏とロビン ミレイのオフィーリアから Millais's Ophelia

20世紀のモダンなオフィーリアはこちら
記事 記事 モダンヌ・オフィーリア ランボーのオフェリア



ハムレットのオフィーリア記事


xaiがオフィーリアおまとめ記事をアップしてくれました。お仲間のシェイクスピア関連記事にリンクされています。

xai シェイクスピアの有名な人物たち 水彩から

■私の過去記事
オフィーリア作品画像一覧
記事  Shakespeare's Ophelia

シェークスピアから
記事  オフィーリア  Ophelia

レヴィ=デュルメルのオフィーリア
記事 シェイクスピア「ハムレット」から 愛しのオフィーリア

ジョン・エバレット・ミレイのオフィーリア
記事 五月の薔薇に髑髏とロビン ミレイのオフィーリアから Millais's Ophelia

2012年新記事
記事 水に浮かぶオフィーリア  Ophelia

記事  花を摘むオフィーリア  Ophelia

記事 アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 オフィーリアの死

記事 驚くほど愛らしい  メアリー・アンのオフィーリア

記事 オフィーリアの花 ジェーン・エリザベス・ジロー(Jane Elizabeth Giraud)

記事 チャールズ&メアリー・ラム 「シェイクスピア物語」 1909年版 アーサー・ラッカムの挿絵

わたくし 楓の別ブログ
オフィーリア・コンプレックスについてはこちら⇒本記事に移行
記事 オフィーリア 水の精 花の女神 

20世紀のモダンなオフィーリアはこちら
記事 記事 モダンヌ・オフィーリア ランボーのオフェリア

オフィーリアの音楽
記事 ミレイ 「オフィーリア」の音楽


| オフィーリア | 12:41 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
アリス・マクマホン・ホワイト オフィーリアに描かれたハムレットの本

Rimbauds Ophelia by Alice McMahon White

「ランボーのオフィーリア」 (C)アリス・マクマホン・ホワイト


シカゴを拠点として活動しているアリス・マクマホン・ホワイトは、キュレーターの仕事に就いていたこともあるアーチスト。作品は木炭画。

まるで不思議の国のアリスのような幼いオフィーリア。アリス・マクマホン・ホワイトは、ランボーのオフィーリアを、中原中也が翻訳したことを知っていたかのように、中也のオフィーリアもイメージできるほど。

そしてもう1枚のオフィーリアも木炭画。



Hey non nony, nony, hey nony
For bonny sweet Robin is all my joy.

過去記事 シェイクスピア「ハムレット」から 愛しのオフィーリア

Alice Mcmahon White

(C)アリス・マクマホン・ホワイト


There's rosemary, that's for remembrance. Pray you, love, remember. And there is pansies, that's for thoughts,There's fennel for you, and columbines.

O, you must wear your rue with a difference. There's a daisy. I would give you some violets, but they withered all when my father died.



オフィーリアの狂気をあらわす歌に歌われたクック・ロビンが描かれ、これから王、王妃、兄のレアティーズに渡す花と花言葉の場面を想起させるように、摘んだお花のリボンには、ローズマリー、パンジーと描きこまれています。

~♪ ヘイ、ノン・ノニー♪〜 

そしてその手元の先にあるのは第三幕第一場のオフィーリアが持つ祈祷書?

Ophelia Ophelia by Alice Mcmahon White

「オフィーリア オフィーリア」 (C)アリス・マクマホン・ホワイト


いえいえ、シェイクスピアの「ハムレット」が開かれているんですね!

タイトルは「オフィーリア オフィーリア」です。開いたハムレットの本。そこにオフィーリアが描かれているはず。オフィーリア×オフィーリアというわけなんですね。

シェイクスピア、ハムレットとオフィーリアの記事はこちら
XAI シェイクスピアの有名な人物たち 水彩から



| オフィーリア | 22:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
驚くほど愛らしい メアリー・アンのオフィーリア

Mary Ann Criddle

メアリー・アン オフィーリア 19世紀


メアリー・アンの水彩画が発見されたのは1990年のこと。かれこれ150年前に住んでいたメアリー・アンの屋根裏部屋から見つけられたのです。

「驚くほど美しい。」と1991年にブランドン·サン紙が報道しました。水彩にスケッチブック。東洋的な作品などマニトバ州の古いお屋敷で眠っていたのですね。

住む人のない家の屋根裏部屋。ロンドンの王立芸術院の学生だったメアリー・アン。偶然に私も彼女の「オフィーリア」を発見しました。

19世紀の女流画家。彼女のほかの作品も観てみたい。

ハムレットのオフィーリア記事



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xai シェイクスピアの有名な人物たち 水彩から

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オフィーリアの音楽
記事 ミレイ 「オフィーリア」の音楽



 

| オフィーリア | 10:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
花を摘むオフィーリア  Ophelia

Alfred Stevens (Belgian, 1823-1906), Ophelia

アルフレッド・ステヴァンス
オフィーリア 所蔵先不明


Monogrammist T. E., Artist Ophelia Late 19th Century

オフィーリア 19世紀
フォルジャー・シェイクスピア・ライブラリー


今回は、「花を摘むオフィーリア」の作品に限り集めてみました。これまでのオフィーリア記事(記事最後にリンクしています)に使用した画像に新しい作品も掲載しています。

ベルギーのアルフレッド・ステヴァンス(過去記事 アルフレッド・ステヴァンス  18枚の ジャポニズム)がオフィーリアを描いてたことに驚き。

10枚の「花を摘むオフィーリア」をご用意いたしました。ゆっくりご覧ください。

Lefebvre Jj Ophelia 1890

ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル
オフィーリア 1890 個人所蔵


Konstantin Egorovich Makovsky (1839-1915) Ophelia

コンスタンチン・エグロビッチ・ マコフスキー
オフィーリア 個人所蔵


Konstantin Egorovich Makovsky (1839-1915) - Ophelia

コンスタンチン・エグロビッチ・ マコフスキー
オフィーリア 個人所蔵


Konstantin Egorovich Makovsky (1839-1915), Ophelia

コンスタンチン・エグロビッチ・ マコフスキー
オフィーリア 個人所蔵


Joseph Kirkpatrick Ophelia

ジョセフ・カークパトリック
オフィーリア 個人所蔵

Arthur Hughes (1832 - 1915): Ophelia Ashmolean Museum

アーサー・ヒューズ
オフィーリア(習作?) アシュモリアン博物館


Ophelia 1865- Arthur Hughes

アーサー・ヒューズ
オフィーリア 1865年


Ophelia by John William Waterhouse

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
オフィーリア 1910


ハムレットのオフィーリア記事



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カミーユ・ピサロの息子リュシアン・ピサロの木版画のオフィーリアは、こちらの記事からご覧ください。
記事 カミーユ・ピサロの息子 リュシアンのオフィーリア



 

| オフィーリア | 22:33 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
水に浮かぶオフィーリア  Ophelia 〜La morte di Ophelia〜

Georges Jules Victor Clairin

オフィーリア(アザミの中のオフィーリア)
ジョルジュ・ジュール=ヴィクトール・クレラン


(C) Linda Joyce Franks  O P H E L I A - H E  L O V E S  M E  N O T

オフィーリア
(C) リンダ・ジョイス・フランク


ドロラージュの「殉教者の娘」から、シェークスピアのオフィーリアまで、19世紀のドラクロワ、ミレイ、アーサー・ヒューズ、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスなどの時代のオフィーリアは世紀末に「オフィーリア・コンプレックス」(水)、「オフィーリア幻想」(狂気)まで発展しました。

記事 オフィーリア 水の精 花の女神

本日はその19世紀の画家たちのオフィーリアのスタイルにこだわって、19世紀から20世紀のオフィーリアをご紹介します。

Marie Berthe Mouchel - Оphelia, Circa 1915

オフィーリア 1915年頃 個人所蔵
マリー・ベルト・ムーシェル

Constant Montald Ophelia 1893   History of Art

オフィーリア 1893年 出典 History of Art
コンスタン・モンタルド


Léopold Burthe (1823-1860). Ophelia (1852) Musée Sainte-Croix

オフィーリア 1852年 サント=クロワ美術館
レオポルド・バルト


マリー・ベルト・ムーシェル、コンスタン・モンタルドのオフィーリアはレヴィ=デュルメルのオフィーリア(1900)に投影されているようです。サント=クロワ美術館のオフィーリアはドラクロワ。


 

Ophelia sobre la obra de G. E. Millais

ミレイのオフィーリアとの合成 
情報ソース ConSentido Propio


pinkparasol.deviantart.com

オフィーリア
ピンク・パラソル デヴィアントアート


Ophelia   Jacquie Thuemler

オリーリア 
ジャッキー・チュムラー


そしてジョン・エバレット・ミレイのオフィーリアですね。




ジョン・エヴァレット・ミレイ Millais, John Everett 1851-52年 Tate Gallery, London

ミレイ オフィーリア テート・ギャラリー


ミレイのオフィーリアは「オフィーリアの死」を描いています。まだ息をしてる?




Lucien Lévy-Dhurmer

オフィーリア 1900年
リュシアン・レヴィ=デュルメル Lucien Levy-Dhurmer 




使用作品画像の記事
レヴィ=デュルメルのオフィーリア
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| オフィーリア | 15:32 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
五月の薔薇に髑髏とロビン ミレイのオフィーリアから Millais's Ophelia



ジョン・エヴァレット・ミレイ「オフィーリア」


哀れなオフィーリア。このときの様子はハムレットの母 王妃ガートルードの言葉から人魚のように漂うまでの情景を思い浮かべることができます。

シェイクスピアが好きな皆さんなら諳んじることもあるでしょう。今回は新訳河合祥一郎さんを参考にしています。

王妃の言葉は過去記事からご覧ください。小さい画像ですが30枚ほどのオフィーリアの肖像画も掲載しています。

2006年の過去記事「オフィーリア



ヨゼフ・クロンハイムのオフィーリア


オフィーリアがきんぽうげ、いらくさ、ひなぎく、そして死人の指と呼ばれている紫蘭でつくられた花輪を持って・・・。
ハムレットの第二幕第一場だったでしょうか。物語はまだはじまったばかりで、ハムレットに誤って殺されてしまうオフィーリアの父にハムレットのお話をするところ。

そうして父が殺されて、ハムレットにも捨てられたと思い、気がふれていくオフィーリア。

気のふれたオフィーリアが花を持つシーンは、兄レイアティーズ、デンマーク王クローディアス、ガートルードにわたす場面があります。この花言葉は先の過去記事に書いていますのでご覧ください。また、後半にお花の名前をいれた画像をご用意しています。


古い賛美歌(端歌)を口ずさんでいるオフィーリア。すっかり沈むまでにしばらく浮かんでいたオフィーリア。人魚、水の精にたとえていた王妃。

この左手前に葉がありますでしょう?ちょっぴりお花も見えていると思うんですけど、「忘れ名草」になります。ご存知のとおり「私を忘れないで」が花言葉。 右が金鳳花。花言葉は「無邪気」、「魅力」です。

手の中の白いお花はなんでしょう、黄色いお花が金盞花ではないでしょうか。

  


雛菊の花言葉は、ここでは「無罪」になるようです。第四幕第五場でハムレットに濡れ衣をきさせ、オフィーリアの兄レアティーズを騙して利用した場面。この二人のことを指している気がするのです。

手元の青いお花はなんでしょう?黄色いお花は金盞花?花言葉は「悲しみ」ですがもうひとつの「絶望」という花言葉を私は捧げたいと思います。


際立つ芥子の花に雛菊を添えて。芥子の花言葉は「眠り」と「死」。オフィーリアの場面を象徴するお花。青いお花はなんでしょうか?


菫のチョーカー。花言葉は「誠実」です。オフィーリアの父が亡くなったときに「すべて枯れてしまったの」と言っていました。ここでの花言葉は「若い死」と「純潔または貞操」を象徴しているのです。

第四幕第五場で父の死を嘆き「・・・(略)・・・、私も死の眠りにつこう。」とオフィーリア。第七場がこの場面。

ハムレットとオフィーリアの恋を、兄レアティーズが菫に喩えていましたね。「すぐ萎む、束の間の慰め」だと。

そしてオフィーリアの死には、菫の花よ、咲き出でよと嘆いていたレアティーズです。

 


こちらがぼんやり描かれているのでよくわからないのです。ごめんなさい。


三色菫(右端)と福寿草(赤)がハッキリわかりますね。アネモネでも撫子でもありませんね。花弁が違いますでしょ。福寿草です。

三色菫の花言葉は「叶わぬ愛」とか「物思い」などがありますが、前記事にも書きましたように、ギリシャ神話に基づいた「思考」を象徴しているようなので「思い」でしょう。

第四幕第五場で「三色菫は思い」とオフィーリアが口にしています。記事の途中でご紹介します。


オフィーリアの歌から 柳の小枝のロビン


この背景にはオフィーリアが口ずさんだ鳥が描かれているのは確かです。左上の柳の小枝にロビンです。(その周辺にこれまで見えていなかったもの、描かれているように思いませんか?)

ではロビン(ヨーロッパコマドリ)とオフィーリア

第4幕第5場

オフィーリアオフィーリアの歌
顔も覆わず 棺に入れて ヘイ、ノン・ノニー 〜 
お墓を濡らす涙の雨 さよなら、愛しい人 〜 

しと・しと・しと〜
ほら、しと・しと、降る・降るでしょ!
ああ糸車は歌にあう〜
主人の娘を寝取ったのはいけない執事だったのよ〜

Rosmarinus ローズマリー(海のしずく)これはローズマリー、
花言葉は記憶、覚えていてね
これは三色菫 花言葉は思い

あなたは茴香、それと苧環、
あなたは芸香、それと私に少し。
日曜日には恵みのハーブと呼ぶの、

芸香(ヘンルーダ)あなたは少し違うように芸香をつけて
雛菊もあるわ、菫をあげたかったの。
でも父が亡くなって枯れちゃった。

立派な最後だったんですって。
フォア ボニー スィート ロビン イズ オール マイ ジョイ・・・
(愛しのロビン、私のすべて)



苧環 どこかにありませんか?


オフィーリアが王たちへ花言葉を添えて渡すお花。

茴香の花言葉は「欺瞞」、苧環が「不義」、芸香が「後悔」と「悲しみ」、雛菊は「恋」、菫が「忠実」を表しているといわれています。

雛菊、茴香(フェンネル)、菫


ローズマリーは兄レアティーズへ。茴香と苧環は王クローディアスに手渡され、ガートルートが「後悔」の芸香、オフィーリアが「悲しみ」の芸香を身につけて。

台詞にあったように「あなたは少し違うように芸香を身につけて」と言っていましたから。お花のほうは、この場面にありそうなのは菫と苧環。



(C) wiki


そして最後にスィート ロビンと口ずさんでいますね。そのロビンが木の枝に描かれていたんですね。

十字架に架けられたイエス・キリストの側で歌いながら茨の冠をはずそうとして、イエスの血がその胸を赤く染めたという伝承のある鳥。オフィーリアの花輪が茨の冠なのでしょうか。

マザーグースでもおなじみのロビン。クック・ロビン(コック・ロビン)というのはミソサザイと結婚した駒鳥が雀に殺され、鳥たちに葬式を挙げてもらうナーサーリーライムでお馴染みですが、ロビンはヨーロッパコマドリのことなんですってね。みんな同じかと思ってました。恥・・・。

駒鳥のお葬式(誰が殺したクックロビン)
(Who Killed Cock Robin )

誰が殺したクックロビン(駒鳥の雄を)
それは私よ スズメがそう言った。

こうして歌が続いていくのですが、誰もスズメを責めないで、誰が何をするだのといろんな小鳥たちが登場します。
では短絡的にマザー・グースの「クック ロビン」と「オフィーリア」を関連つけてしまいましょうか?

いえいえ、シェイクスピアがそれだけのために登場させたとは、私は思いません。「誰がオフィーリアを殺したのか」などとロマンティックなものでしょうか?

たしかクック ロビンというのは「駒鳥の雄」を示す言葉でもあるようなんですね。



クック ロビンの死(The death of the cock robin)
ヴィクトリア朝 妖精画家ジョン・アンスター・フィッツジェラルド

もう1枚!誰が殺したクックロビン?
(Who killed the cock robin?)

こちらもジョン・アンスター・フィッツジェラルド
(John Anster Fitzgerald 1819年 - 1906年)

そしてオフィーリアは「立派な最期だったんですってね。愛するロビン(駒鳥)、私のすべて」と歌っています。

「父親」、あるいは「誰が殺したの?それはあなた。」とシェイクスピアは示しているのではないでしょうか。

「誰が前王(ハムレットの父)を殺したのか?」、「誰がポローにアス(レアティアーズ、オフィーリアの父)を殺したのか?」と問いかけていると思われます。

このロビンは、イギリスでウィリアム2世が狩猟中に胸を従者の矢で射られて亡くなったことを揶揄したのが起源とも言われいます。そこには次の王のためだったのかもしれませんよ。

クック ロビンは陰謀の死の象徴をしたのではないでしょうか。

ただしラファエル前派の画家たちに共通しているのは、ロセッティの「ウェヌス・ウェルティコルディア」にあるように、人の心を浄化させるウェヌスが人を惑わすウェヌスにかわるように、ミレイも独自の解釈があるのかもしれません。

オフィーリアの口ずさんだスィート・ロビンを描きこんだミレイはどう解釈したのか知りたいものです。


ミレイ オフィーリア 対岸の景色

こうして花々を手渡し、「愛しいロビン、わたしのすべて」と歌いながら
もう帰ってこない?帰ってこないかしら。
そう、死んでしまった、あの人は。
私も死の眠りにつこう。あの人は戻らない。
お髭は雪のように白く 髪の毛は麻のように銀色
ああ、死んでしまった、あの人は。
泣きくれても空しいだけだけだわ。どうか安らかに
そして皆様も。安らかに。さようなら。
この言葉がオフィーリア最後の言葉。最後の姿です。
この後、オフィーリアは水の精のように川を流れていったのです。



対岸のしだれ柳と白い野薔薇


左に茂るのは白い野薔薇。それもボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」でも象徴されている、赤薔薇、白薔薇で有名なロサ・アルバ・セミプレナ(ヨークの白い薔薇)ではないかしらと。

記事 
Sandro Botticelli's Rose ボッティチェッリの薔薇 ヴィーナスの誕生の庭へ

そしてしだれ柳が左側に。花言葉は「見捨てられた愛」、「愛の悲しみ」です。ミレイはオフィーリアをこのように解釈していたのでしょうか。

それともロビンで書きましたように、ハムレットの心情でしょうか。

この背景の全体像は後半にて、枯れたお花、樹木とともご覧いただきます。

ロサ・アルバ・セミプレナ(ヨークの白い薔薇) エゾミソハギ(蝦夷禊萩)


最初の全体像をご覧ください。この対岸の左端の上部に描かれているのは、紫色のエゾミソハギ(蝦夷禊萩)です。「悲哀」、「慈悲」という花言葉。日本ではお盆の時期に見かけるお花。


そして同じく対岸の下手前にある可憐な花々は、オフィーリアの水を含んだドレスの裾のあたりに面しています。赤いお花は芥子にもアネモネにも見えますが、三色菫が一輪、左の手前にあります。右端にはエゾミソハギでしょうか。


そして対するオフィーリアのドレスの裾には寂しげに五月の薔薇と水仙です。

But, good my brother,
Do not, as some ungracious pastors do,
Show me the steep and thorny way to heaven;
Whiles, like a puff'd and reckless libertine,
Himself the primrose path of dalliance treads,
And recks not his own rede.

その立派な教えを見張りに立てておきましょう。お兄様、どこかの不埒な牧師様のように、ひとには天国への険しい茨の道を示しながら、ご自分は歓楽の桜草の道をお歩きになるなんてなさらないでね!

桜草の花言葉はイギリスでは弔花あるいは棺を飾る花なのですが、享楽的生活の比喩として使われています。オフィーリアも兄に一言「桜草の道(primrose path)」とやり返していますが、ミレイの中ではこの桜草のかわりに水仙を描いたらしいのです。花言葉は「うぬぼれ」、「自己愛」、「エゴイズム」です。


五月の薔薇とオフィーリアの歌  オフィーリアの裾の花
O rose of May! Dear maid, kind sister, sweet Ophelia!


Laertes
O heat, dry up my brains! Tears seven times salt
Burn out the sense and virtue of mine eye!
By heaven, thy madness shall be paid by weight
Till our scale turn the beam. O rose of May!
Dear maid, kind sister, sweet Ophelia!
O heavens! is't possible a young maid's wits
Should be as mortal as an old man's life?
Nature is fine in love, and where 'tis fine,
It sends some precious instance of itself
After the thing it loves.


シェイクスピア ハムレット 第4幕第5場

オフィーリアの兄レアーティーズ
「なんだ?なんの音だ?」

オフィーリア登場

レアーティーズ
「あぁ、化石のような頭の中、ひびわれてしまえ。
この目も熱い涙で焼きただれてしまえ。
神にかけ、おまえの仇は必ずとる。


あぁ、五月の薔薇よ、可愛い乙女、美しいオフィーリア
天よ、こんなことがあってよいのか、若い乙女が
老人のように壊れてしまうなんて

愛は繊細だ 繊細であればこそ
自分の最上のものを愛の証に捧げてしまうのだ。

オフィーリア
顔も覆わず、櫃にいれて〜
ヘイ・ノン・ノニー、ヘイ・ノン・ノニー 〜
お墓を濡らす 涙の雨よ〜
さようなら、愛しい人〜


レアーティーズ
おまえが正気で復讐をしろといっても、それほど心が動かされない。

オフィーリア
しと・しと・しと〜
ほら、あなたはしと・しと・降る・降るでしよ!
糸車は歌にあう〜
主人の娘を寝取ったのはいけない執事だったのよ〜

これはローズ・マリー、花言葉は記憶。・・・・
どうぞ覚えていてね。これは三色菫。花言葉は思い。

レアーティーズ
狂気のなかにも教えがある。思いと記憶はよく合う。


オフィーリア
あなたは茴香、それと苧環、
あなたは芸香、それと私に少し。
日曜日には恵みのハーブと呼ぶの、
あなたは少し違うように芸香をつけて
雛菊もあるわ、菫をあげたかったの。
でも父が亡くなって枯れちゃった。
立派な最後だったんですって。
フォア ボニー スィート ロビン イズ オール マイ ジョイ・・・
(愛らしいロビン、わたしの全て)

レアーティーズ
憂いも悩みも苦しみも、地獄のそのものさえ
この子は愛らしい魅力的なものに変えてしまう


オフィーリア
もう帰ってこない? 帰ってこないかしら。
そう、死んでしまった、あの人は。
私も死の眠りにつこう。あの人は戻らない。
お髭は雪のように白く 髪の毛は麻のように銀色
ああ、死んでしまった、あの人は。
泣きくれても空しいだけだけだわ。どうか安らかに
そして皆様も。安らかに。さようなら。

そして第4幕第6場 王妃の言葉がオフィーリアの死を伝えるのでした。

王妃の言葉 全文は
過去記事 「オフィーリア」より


王妃 「・・・(略)・・・あの子はその枝で花飾りをつくっていました。きんぽうげ、いらくさ、ひなぎく、そして、はしたない羊飼どもが、下卑た名で呼びますが、清い乙女らは「死人の指」と呼んでいる紫の花などから作った花輪を手に持って来ました。(以下略)」

オフィーリアの足元にあった花飾り。紫蘭の花言葉は「あなたを忘れない」です。



花飾りの紫蘭


この花輪とオフィーリアは、どちらが先に流されているのでしょう。そして岸辺にも見えるようなオフィーリアのドレス。オフィーリアのドレスは金銀の花の刺繍がほどこされたとあります。

このオフィーリアの刺繍、菫の花にも似ていますが、裾のほうに羽をひろげたようなヒョウモンチョウに見えるのです。


もしドレスの刺繍が菫の花であれば、ミレイはすごく生態系にも詳しかったのではないかと思うのですね。ヒョウモンチョウの中でも美しいツマグロヒョウモンは野生のスミレ類を食草するらしいですよ。

あるいはホッグスミル川でミレイが見かけたのでしょうか。

では後半のお花の前に漱石、「キリスト教のオフィーリア」をご紹介します。


オフィーリアの音楽

オフィーリアの音楽  記事 「ミレイ オフィーリアの音楽

ミレイの作品オフィーリア19世紀の作曲家ベルリオーズ「トリスティア」、ポール・バーネル「オフィーリアの最後の歌」を、ジャレッド・ジョスリンの「夢見るオフィーリア」、ジョセフ・ステラの「オフィーリア」の作品とともに紹介しています。


「オフェリア幻想」

夏目漱石のオフェリヤ(オフィーリア)

草枕 三 

振袖の女性が急に「オフェリヤ(オフィーリア」になる夢。「柳の枝へ上がって河の中を流れながら美しい声で歌をうたう」 という一文ですが、漱石はこのミレイのオフィーリアの印象がとても強かったようで、草枕のなかで引用しています。

鏡の池 (草枕 十)

ただ、草枕のなかには、オフィーリアを思い起こさせるような書き方もあって、たとえば「草枕 十」で、「鏡が池」からはじまるところなんですが、「こんなところへ美しい女がういている所をかいたら、どうだろうか・・・(略)・・・」とあります。那美の言葉が記憶のうちに寄せてきて、「あの椿の下に浮かせて・・・」と想像していくのです。

このあと、愛が成就しないために「志保田のお嬢様」が鏡を持って身投げした曰くを知るのですが。

「志保田のあのお嬢様も、いまのお嬢様も気狂いらしく、代々あの家はその血筋を引いている。」という噂話。

オフェリア幻想はオフィーリアの弱々しさ、儚げな狂気を匂わせるヴィクトリア朝の女性の病弱崇拝なんですね。それを漱石は「志保田のお嬢様」にたとえているのですね。

記事「オフィーリア 水の精 花の女神
山本丘人の「水の上のオフェリア」(美しき屍)は「草枕絵巻」の1枚ですが、この「鏡が池」のオフェリアです。

草枕絵巻は漱石の草枕の文章を絵にしたもので松岡映丘はじめ門下生の作品です。浮かんでいる赤い花は椿でしょうか。

Millais, John Everett 1851-52年 Tate Gallery, London


草枕 七

ここでは水、オフェリヤの顔、ドレスなどの色の調和をのべてから・・・。

「・・・略・・・ミレーのオフェリヤは成功かもしれないが、彼の精神は余と同じ所に存するか疑わしい」とありました。

これはわたしもボンヤリ考えていたことでしたが、漱石の精神とは溺死の悲惨さを表現するところにあるわけですね。

 ランボーのオフェリヤ

漱石の精神というこの点を、中原中也はランボーの「オフェリア」のなかで「白い大百合」として、溺死によくある「白く膨らんだ死体のオフィーリア」を表現しています。

ランボーの「オフェリア」
記事 モダンヌ・オフィーリア ランボーのオフェリア

「溺死」と 「白い大百合」
記事 オフィーリアの狂気

ジョン・ラスキンのオフィーリア評価

「胡麻と百合」では散々でしたね。ジョン・ラスキンのオフィーリア像はラファエル前派に影響しているのでしょうか。

記事 「狂ひ女 オフィーリア
唯一弱々しい、そして聡明ならず。そういう印象でしたよね。リンク先の記事はオフィーリアに言及していないユイスマンやプルーストにも及んでいます。ユイスマンの「さかしま」ではミレイの「聖アグネスの宵」でした。


ミレイのオフィーリア 「オフィーリア・コンプレックス」
ポール・ドラロージュ の「キリスト教のオフィーリア」


過去記事オフィーリアでも紹介しましたこの2枚の作品。左がE.T.と称した、呼ばれた画家の「オフィーリア」です。このE.T.はシェイクスピアの作品で紹介されていましたが、いまだそれ以上のことがわかりません。

右がミレイのオフィーリアにインスピレーションを得たというポール・ドラロージュ(Paul Delaroche )の「The Young Martyr 若き殉教者の娘」(1855年)です。

ポール・ドロラージュの「若き殉教者の娘」をみて、ミレイのオフィーリアにインスピレーションを得たという感じを受けたので、過去記事には「※・・・といわれている作品?」だけにとどめて置きました。

私としては最初にミレイがインスピレーションを得た方ではないかと思っていたからです。この作品からではなくて。

これは私がそう思うだけで、専門的な根拠の引用ではないことをお伝えしておきますね。



ミレイ「オフィーリア」の頭部のための習作 バーミンガム市立美術館




ポール・ドラロージュ 「ルイーズ・ヴェルネ」 1845年


ミレイがポール・ドロラージュの「ルイーズ・ヴェルネの死」をみてインスピレーションが湧いたのがオフィーリアの表情ではないかと思っているんですね。

ドロラージュは死の前年に「若き殉教者の娘」に取り組みました。ただしミレイからインスピレーションを得たということは言及されていないようです。

でも「キリスト教のオフィーリア」と呼ばれる由縁はミレイの「オフィーリア」の影響です、

ポール・ドロラージュは歴史画家で、名場面を歴史的史実に基づかないで描く作品もある画家で、とても個性的な人。

ルイーズ・ヴェルネは1845年に亡くなっています。ポール・ドロラージュが熱愛した、画家オラース・ヴェルネの娘です。



ミレイ オフィーリア 1851-52年


ルイーズの死の衝撃から立ち直ることができなかったといわれています。

その最愛の妻の死に際を作品にしたのは、迫力があります。ミレイのオフィーリアの表情が、生きたままの死人の顔が恐ろしいと思っていたのは、このポール。ドロラージュにインスピレーションを得たからではないでしょうか。

「真実」を描く。

だからこそエリザベス・シダルを選び、ホッグズミル川(Hogsmill River)で何度もスケッチして、ミレイは真実を描いたわけですね。

それでも何の背景も、物語もみえないドロラージュの「ルイーズ」、本当に迫力ありますでしょ。



The Young Martyr by Delaroche


ドロラージュの「殉教者の娘」です。手前に殉教の娘。そして船、後方には3人の人が殉教者の娘を発見したところを描いています。

ローマ皇帝ディオクレティアヌス(244年 - 311年)の時代にキリスト教徒への抑圧が行われました。

澄んでいない川と呼ばれたテヴェレ川(Tevere)は、死を宣告されたものが流される川。ここにこの少女も流されたのです。

シェイクスピアのオフィーリアも殉教者のこの少女も、蕾のまま終わってしまいました。殉教者の娘は、処刑のため両手は縛れ流されたのです。丘にいる三人の発見者はキリスト教徒でしょうか。

大事なことが抜けていました!追記です!
ドロラージュの「殉教者の娘」とミレイの「オフィーリア」の比較です!

ご覧のように「殉教者の娘」は両手を縛られています!ところがミレイのオフィーリアは手をひろげています。この手をひろげるということが「殉教者」をあらわしているんですよね、たしか。ところが「殉教者の娘」は手を縛られている。面白いですよね。キリスト教の殉教者として扱わないようにローマ皇帝は指示したのかもしれませんし、ドロラージュの暗示でもあるような気がします。どうですか。すごい作品ですよ!
「殉教者の娘」に描かれている「舟」は、オフィーリア・コンプレックス以前からある「処刑の方法」や「女性と水死」に深い関係があるアーサー王伝説の「湖の乙女」、シャロットの姫君、エレインが思いだされます。

記事 「シャーロットの姫君
記事 「アストラットの百合の乙女エレイン


ミレイ オフィーリア ミレイが添えた枯花


なんとエゾミソハギ(蝦夷禊萩)の左下、白い野薔薇(たぶんロサ・アルバ・セミプレナ)との対角線中央あたりに(←aleiの説明)にある枯れたお花がシモツケソウですって。海外でみたときに説明があったということです。枯れた花はオフィーリアの死をあらわすためにミレイが描いたそう。花言葉は「無益」と「はかなさ」です。


背景の右端上にはエゾミソハギ、シモツケソウ、白い野薔薇とありますが野茨かも。一応私はロサ・アルバ・セミプレナと思っています。そして反対側にはロビンが柳の小枝に止っていましたね。


ミレイ オフィーリアに描かれている花々


お花と花言葉をミレイのオフィーリアとシェイクスピアから見てまいりました。花言葉は文中からご確認くださいな。

作品一番手前
右側に「勿忘草」、左側に「金鳳花」が咲いています。
オフィーリアの耳元に薔薇の蕾
イギリスには「人生とは開かぬ薔薇のつぼみ」という格言があるようですが、薔薇のつぼみのまま召されてしまいました。
オフィーリアの首元に菫のネックレス
菫の花言葉は「誠実」あるいは「忠実」です。オフィーリアの兄レアティーズは何度も菫に譬えていました。兄に対する「忠実」な心情をあらわしているのでしょうか。
オフィーリアの手にもつ花
黄色いお花が金盞花にも見えます。白いお花が断定できません。赤いお花と紫色のお花。手首の青いお花は菫なのでしょうか。この黄色いお花も金盞花のような感じですね。



大きくなります。


オフィーリアの胸元のお花
三色菫にも見える青いお花に美しく滲んだ花々。
オフィーリアの腰にあるお花
ミレイの作品のなかではっきりと示されている花々が芥子です。そして雛菊。断定できない青いお花の下に小さい赤い花があるのが福寿草。そして薄い青いお花の下に三色菫がありました。
オフィーリアのドレスの裾にあるお花
水仙と兄レアティーズが譬えたように五月の薔薇
オフィーリアの足元には
オフィーリアのつくった花輪があります。王妃の言葉とおりに、きんぽうげ、いらくさ、ひなぎく、そして紫蘭。いらくさは背景にも描かれています。
対岸の下には
手前左に三色菫(たぶん確実)、その奥が白い薔薇で右がもしかしたらエゾミソハギかしら?という感じですが、中央の赤い花、横顔だけなのでチューリップにもポピー(芥子)にもアネモネにも見えちゃいますね。

背景のなかの髑髏?


の部分がわかりますか?

髑髏を描きこんだといわれている部分なんですね。でも楓は、これはそんなに思っていない。こんな曖昧な髑髏を描かれると、どこもかしこも髑髏にみえる部分があります。

たしかにオフィーリアが亡くなったときに、ハムレットはそんなことも知らずに墓場で「髑髏」を見ていました。それと呼応して描かれたものか、ヴァニタス(儚さ)の象徴で描いたものなのかもしれませんが。

記事「詩は有声の絵、絵画は無声の詩 ハムレットから」

この髑髏はきっとそうなんでしょう。そう思うと下に描かれているドレスの刺繍が、たくさんの骸骨の骨にも見えてきます。でも楓はもっと気になるところがあるんですが、どこにも言及されてないんですね。知っている人、教えてくださいな。


この場面なんですが、左側になにかマントがかかっているように見えませんか?この辺はさきほどの髑髏ではないですが、いろんな見え方に見えるんですぅ・・・。

イラクサがある場所。

まず木々の間に肖像画があるように見え、それから顔だけに見えて、とっても不思議。目の錯覚ってスゴイですね。(ちなみに私、目が悪いです)


「ロビンの背景に見えるもの」は続きから・・・
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オフィーリア  Ophelia
新しい肖像画に、記事リンクも増えました。どうぞご覧ください。(2010年更新)

Kronheim Westall オフィーリア 記事後半にて大きい画像があります。ロマンティック・バレエの素材にもなるシェークスピアですが、ハムレット、ロミオとジュリエットなど「シェークスピア・バレエ」と呼ばれています。アレッサンドラ・フェリのジュリエットは見事です。同性ながら惚れ惚れ。

詩は有声の絵、絵画は無声の詩と言われるように、シェークスピアの各場面が絵画に描かれていくのです。ドラクロワ、ミレイが有名です。

「ああ五月の薔薇よ、かわいい乙女、やさしい妹、うるわしいオフィーリア。神よ、乙女の心が、老人の命と同じく、こうもはかなくても良いのだろうか。」

2012.11 オフィーリア新記事
を摘むオフィーリア  Ophelia
水に浮かぶオフィーリア  Ophelia 〜La morte di Ophelia〜


奇説 エディプス・コンプレックス ハムレットとオフィーリア

Richard Westall  オフィーリア 記事後半にて大きい画像があります。ハムレットは、義理の父に狂ったふりをしていましたが、その恋人であるハムレットによって父親を殺され(しかも間違って)、狂乱していくオフィーリア。

1948年のジーン・シモンズが演じたオフィーリアの場面は、どの絵画よりも美しいのです。このオフィーリアは、近親相姦コンプレックスで、狂気は精神分裂症と解釈されています。

そして奇説のひとつに、父親の仇討ちをした叔父こそが実の父親であるという具合に、エディプス・コンプレックスをフロイトやエリオットも指摘しているように、互いにコンプレックスがあるハムレットとオフィーリア。


兄レアティーズがオフィーリアを譬える花

左:Jhon William Waterhouse「 Ophelia」 1894年, 中央:Jean Baptiste Bertrand 「Ophelia」 1873-1876年,右:John William Waterhouse「 Ophelia」1910年 オフィーリア 記事後半にて大きい画像があります

さて、「ああ五月の薔薇よ」と兄レアティーズが、薔薇にたとえながら妹の狂気を嘆き叫ぶ。死に際しては菫にたとえます。そしてオフィーリアの葬儀のときにかのハムレットは、なんと髑髏を墓場で眺めていたのです。

この若くして可憐な乙女のオフィーリアは、絵画からご覧ください。

左:James Sant「 Ophelia」 1864年 中央:Antoine-Auguste-Ernest Hebert「 Ophelia」 1910年 右:Sir Frank Dicksee「 Ophelia」 1861年

ハムレットとオフィーリアの恋を、レアティーズが菫に喩えています。

「人生の春に開いた菫の花、早咲きだが長続きしない、美しいが、すぐ萎む、束の間の慰め、それだけのことだ。」


王妃ガートルードの言葉 オフィーリアの死

アーサー・ヒューズ 「オフィーリア」 1852年 マンチェスター市立美術館蔵

愛するハムレットによって殺された父親を嘆き悲しみ、命を絶ったオフィーリア。悲しみのあまり狂乱したオフィーリアは花を摘んでいるうちに川へ転落します。

Georges-Jules-Victor Clairin「 Ophelia」 1898年

Queen (ハムレットの母 王妃ガートルードの言葉)
There is a willow grows askant the brook,
That shows his hoar leaves in the glassy stream.
Therewith fantastic garlands did she make
Of crowflowers, nettles, daisies, and long purples,
That liberal shepherds give a grosser name,
But our cold maids do dead-men's -fingers call them.
There on the pendent boughs her crownet weeds
Clambering to hang, an envious sliver broke
When down her weedy trophies and herself
Fell in the weeping brook. Her clothes spread wide,
And mermaid-like while they bore her up;
Which time she chanted snatches of old tunes,
As one incapable of her own distress,
Or like a creature native and indued
Unto that element. But long it could not be
Till that her garments, heavy with their drink,
Pulled the poor wretch from her melodious lay
To muddy death.


左:Paul Delaroche  (ポール・ドラロージュ)「The Young Martyr(若き殉教者の娘 La Jeune Martyre )」1855年 −これは、ミレイの「オフィーリア」からインスピレーションを得た作品とありましたが・・・。右:T.E. 「オフィーリア」1890年by permission of the Folger Shakespeare Library
左はミレイの「オフィーリア」からインスピレーションを得た作品、 こちら
から。

柳の木が一本川の上へ横にのび出て、その裏白を水鏡にうつしているところへ、あの子が来ました。きんぽうげ、いらくさ、ひなぎく、そして、はしたない羊飼どもが、下卑た名で呼びますが、清い乙女らは「死人の指」と呼んでいる紫の花などから作った花輪を手に持って来ました。

(注:本来は「死人の指」はミソハギのこと。紫蘭ではありません。誤訳がそのまま新訳でも使われているそうです。)

そして、その花数珠を垂れさがった枝にかけようと、柳の木によじのぼれば、枝は意地悪く、つれなくも折れてしまい、花環もろとも川の中に落ちたのです。涙の川で、もすそは大きくひろがりました。それで暫くは人魚のように水の上に浮いてその間、自分の溺れるのも知らぬげに、水に住む水の性と合っているもののように、しきりに端歌を口ずさんでいましたとやら。

そのうちに、着物は水を飲んで重くなり、可哀そうに、美しいしらべの歌の声が止んだと思うと、あの子も川底に沈んでしまい、無残な死を遂げました。

シェイクスピア/市川三喜・松浦嘉一訳「ハムレット」から(少し変えています)
裳裾はひろがり、しばらくは人魚のように川面に漂いながら、古い賛美歌を口ずさんでいた・・・。さまざまな花に彩られ飾られたオフィーリア。無邪気に歌を歌いながら流されていく。

この流されていく川を、サリー ユーエルに近いホッグスミル川に選んだのが、ジョン・エヴァレット・ミレイ。この下の中央にある絵ですね。モデルはエリザベス・シッダル。画家ロセッティの妻となる人です。

左:Simmonds 「Ofelias」1890年 中央:Arthur Hughes 「Ophelia」 1863-64年 右:Jules-Joseph Lefebvre 「Ofelias」1895年


ジョン・エヴァレット・ミレイ Millais, John Everett 1851-52年 Tate Gallery, London


アーサー・ヒューズ 「オフィーリア」 1852年 (C)Manchester City Art Galleries


王妃ガードルートによって語られるオフィーリアの死は、第四幕第七場です。うえの2枚のアーサー・ヒューズ 「オフィーリア」がありますね。額縁の色、背景がすこし異なっていますが、どちらにも王妃の台詞が刻まれています。先にあるマンチェスター市立美術館所蔵の作品が最初のバージョンで、こちらは二作目。

松浦嘉一訳では「しきりに端歌を口ずさんでいましたとやら。」とありますが、古い賛美歌という訳もあります。日本で端歌というと、花柳界などで歌われる通俗雑多な歌のこと。

オフィーリアは、狂乱してから、卑猥な言葉や歌を口にしていましたから、このときも、そういった意を含んでいるのではないでしょう。

可憐で清らかなオフィーリアを描いた画家たちは、「芸術家の美意識」を誘われたのでしょうか。


 
わたしは溺死という悲劇的な醜さの手前にいる「儚い美しさ」(ヴァニタス)を描いたのだと思います。英国での社会的な現象を絵画や詩、文学でとりあげたそれこそがオフィーリアの偶像。

その偶像は一見「無垢な少女」の「美」と見間違うほどですが、ミレイの花言葉を理解すると、ミレイはオフィーリアを美しく描きながら、「無能な少女」の「崩れゆく美」を描いたのです。

叙情的な作品の背景に描かれているなにか見間違うような恐ろしい樹木。

ミレイに限らず、画家たちは「オフィーリアの美」を賛美しているのではなく、「女性を象徴する水死のイメージ」を賛美し、「女性の狂気の無邪気さと怪しさ」を賛美し、「女性を象徴する生殖と性愛」の対象として賛美していたのでしょう。

シェイクスピアのオフィーリアを見ていると、人間的な慈しむ、愛しむ心が欠落しています。

「守られたい」、「愛されたい」の一方通行で、「守りたい」、「愛し続けたい」という気持ちもなく、ハムレットを見捨てています。「見捨てた」のはハムレットではなくオフィーリア。


シェイクスピアと花言葉 オフィーリアの花摘み

リンク先記事にドラクロワのオフィーリアが3枚掲載されています

さて、左がドラクロワ、右がジョン・ウィリアム・ウォーターハウス。ここで紹介したウォーターハウスのオフィーリアの3枚目。下卑た名で呼ばれ、清い乙女らは「死人の指」とよぶ紫の花が、このウォーターハウスが描くオフィーリアの下腹部にあります。Bletilla、つまり紫蘭のこと。白もあるのですが、紫で描かれているようです。花言葉は、互いに忘れない。

O, woe is me,
to have seen what I have seen,
see what I see!

「私が見たものを見た私、
私が見るものを見る私、
ああ、私って何て悲しいの!」
(第三幕第一場)

Amelia Bowerley 「Ofelias」1897年狂気のオフィーリア。摘んできた花を、兄レイアティーズに「これがローズマリー、私を忘れないでね。」、デンマーク王クローディアスに、「これがウイキョウ(追従)にオダマキ(不義密通)」、ガートルードに、「これがヘンルーダ(後悔)」と、それぞれの花言葉と重ねて花を渡していく。シェークスピアの魅力は、緩と急、転換と展開、韻文と散文にありますが、この花言葉。兄に渡したローズマリー。実はハムレットに渡したつもりという解釈があります。

このとき、パンジーも摘んできているのです。「思考」という意ですので、ハムレットを象徴していると思っていました。女性が求婚者から「honeyflower」とパンジーを贈られたなら、それは「禁じられた愛を思う」という意味が、オフィーリアの台詞から引用されています。この時代の花言葉は、ギリシャ神話に基づいています。

また、シェークスピアでのパンジーの登場は、「夏の夜の夢」で「徒らかな愛」として意味づけしています。関連記事:憂いの画家フェアリー・フェラーの神技/(お伽の樵の入神の一撃/リチャード・ダッド


シェイクスピアと絵画作品 記事リンク
こちらからお入りください。→「
Shakespeare's Ophelia」

左:Anna Lea Merritt「Ofelias」1889年 右:Madeliene Lemaire「Ofelias」1880年先にも記しましたジーン・シモンズですが、こちらからご覧いただけます。またThe Ophelia Pageは、オフィーリアの絵画の魅力を楽しめます。Harold Copping - Hamletは、シーンごとの絵画、ストーンなどのオフィーリアを拝見できます。

絵画的なシェークスピアの物語は、こうして多くの画家達にインスピレーションを与えています。フランス・ロマン派の彫刻家プレオーの作品もあります。

John Austen (1922年)Ofelias
Jules-Joseph Lefebvre Ofelias
Auguste Preault(1876年)Ophelie, bronze bas-relief

2010年新記事 mariちゃん記事
ウィリアム・ゲイル、ギュスターヴ・クールベの「オフィーリア」は、こちらから。

2010年 記事 兎穴の少女さん
オフィーリアの狂気
ロセッティ、イギリスの版画と英国女優のオフィーリア、そしてエドウィン・オースティン・アビーの「ハムレットとオフィーリア」、堪能しました。

sweet-sweetさん
狂ひ女オフィーリア
ドメニコ・トジェッティ 、ジェイムズ・ベルトラン、カバネル、ウォーターハウスのオフィーリアに、ジョン・ラスキン、プルースト、ユイスマンがみたラファエル前派の記事

ルドン「オフィーリア」 Odilon Redon,Ophelia
オディロン・ルドンの5枚のオフィーリアが掲載されています。

薔薇の花にも「オフィーリア」があります。ハイブリットティーローズのようです。Blue Moonさんからご覧いただけますよ。 

「オレンジのR+」
シェークスピアの『ハムレット』×ミレイの『オフィーリア』×ドラロージュの『若き殉教者の娘』 

オフィーリアの肖像画にリンクされていて、シェイクスピアの台詞や重要場面を物語りの筋に従って、紹介されてます。

「カルフォルニア時間」
オフィーリアと柳 Ophelia and the Willow Tree

こちらではあまり紹介されていない リチャード・レドグレイヴ(Richard Redgrave)の作品がごらんいただけます。大きくて迫力のある記事で読み応えがありました。


オフィーリアの音楽


ミレイ  オフィーリアの音楽  記事 「ミレイ オフィーリアの音楽

ミレイの作品オフィーリア19世紀の作曲家ベルリオーズ「トリスティア」、ポール・バーネル「オフィーリアの最後の歌」を、ジャレッド・ジョスリンの「夢見るオフィーリア」、ジョセフ・ステラの「オフィーリア」の作品とともに紹介しています。


 オフィーリア ランボーの「オフェリア」



中原中也訳 ランボーの詩「オフェリア」

ミレイの「オフィーリア」を思い起こさせると言われていますが、その詩に添えて、マーガレット・マクドナルド、フランセス・マックネイアの絵画作品、モダンなオフィーリアと写真家グレゴリ−・クリュードソンのオフィーリアをアップ。

記事 モダンヌ・オフィーリア ランボーのオフェリア

オフェリア幻想
オフィーリア・コンプレックス
そして花の女神フローラ像

世紀末、ファムファタルをはじめ「男を破滅させる女」などが描かれた時代ですが、水と女性の死をガストン・バシュラールが提唱した「オフィーリア・コンプレックス」は小林秀雄の「おふえりや遺文」にも及んでいます。

また精神的病弱を少女の処女性、人妻の貞節と結びつけた狂気の美徳として、オフェリア幻想がもてはやされました。漱石の草枕にも及んでいます。

「オフィーリアの花の女神フローラ像」は、豊饒と性愛を崇拝するもうひとつの女神フローラを対象にしているオフィーリア。

こちらの記事からご覧ください。

記事 「オフィーリア 水の精 花の女神

オフィーリアの作品はアーサー・プリンス・スペア、アンリ・ジェルベクスでご紹介。アーサーの作品は大きくご覧いただけ、オリジナルなので「作品のよさ」が伝わってきますよ。

またフローラを崇拝するフロラリア祭で、「生殖」を象徴する儀式などを記事にしています。下記からどうぞ。

記事「花の女神フローラ 祝祭フロラリア
記事「花の女神フローラ フロラリア祭 Floralia


ラファエル前派の妖精画家 ファンタスティックなオフィーリア


ラファエロ前派の画家サー・ジョゼフ・ノエル・ペイトン(Sir Joseph Noel Paton 1821-1901)のオフィーリア。

シェイクスピアの作品では「夏の夜の夢(真夏の夜の夢)」が有名ですが、その「夏の夜の夢」にでてきそうな神秘的な印象を受けますね。妖精やティターニアを想像してしまいます。

狂気がみえないからでしょうか。


シェイクスピア「ハムレット」の歴史絵

Richard Westall's Ophelia engraved by J. Parker

画像は大きくなります。


左が1803年にリチャード・ウェストールがシェイクスピアの挿画を描いたものです。

イギリスのボイデル・シェイクスピア・ギャラリー(Boydell Shakespeare Gallery)は歴史絵の普及を彫刻家でパブリッシャーであったジョン・ボイデルが創設しました。

ここでリチャード・ウェストールはシェイクスピアのマクベスをはじめイラストを描いていますが、ハムレットは第三幕第四場、第四幕第七場を担当しました。

彼のここでの作品以外に、過去記事「マリー・アントワネット フランス紀行から」で、農民の少年の作品を掲載しています。ご覧くださいな。

右がジェームズ・パーカーによる版画です。

こちらがヨゼフ・クロンハイムの作品ですが、どことなくリチャード・ウェストールっぽい感じがしますよね。

この作品が着ているドレスは菫色。

オフィーリア独特の狂気や陰鬱した印象が少なくて、好きな作品の一枚です。

画像は大きくなるので、どうぞ鑑賞してみてください。

ただしオリジナルではないので、ざらッとした感じですぅ。ごめんなさいね。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスのオフィーリア

John William Waterhouse, Ophelia


左が1910年、右が1894年です。ミレイのオフィーリアから50年以上経た作品ですが、パッと見は、ミレイのような悲壮感がなく、狂気も表立ってはみえませんが、1910年の作品は顔が正面に向き、目には狂気をたたえています。

左は横向きですが、魂ここにあらずという表情。どちらにも睡蓮の葉が描かれているようですね。画像は大きくなります。ご確認くださいませ。

睡蓮が描かれているオフィーリアはこのウォーターハウス以降ではないでしょうか。


 イデアを意味したファンタジーの肖像学  オフィーリア のイデア

Francis Danby


この作品はイギリスの王立美術会員でもあったフランシス・ダンビー(Francis Danby, 1793-1861)が描いたものです。タイトルは「Disappointed Love(失恋)」です。

なぜこれがオフィーリアなのだろうと考えますが、川、ほとり、愛を失った女性がここに描かれています。日常的にある現実の姿を受けます。狂気がないために悲しみが襲っているのですね。

この女性、立ち上がったときに足を滑らせ、この目の前の川に流されていく運命があるなら、それこそがオフィーリアのイデアなのかもしれません。思いがけない不幸です。そして水と女性の「オフィーリア・コンプレックス」のワンシーンなんですね。

日常はいつも、目の前の事実が変化するのです。この不安定さ。

シェイクスピアのハムレットの定義からすり抜ける一方で、オフィーリアに類する作品。この画家はシェイクスピアの作品も多く「夏の夜の夢(真夏の夜の夢)」も描いています。


ボイデル・シェイクスピア・ギャラリーのオフィーリア


さきにご紹介しましたリチャード・ウェストールと同じくボイデルでの作品。歴史画で有名な新古典主義のベンジャミン・ウエスト (Benjamin West)が描いたもの。

フランシス・ダンビーとは違い、物語と時代が理解できることが前提です。

王や王妃、兄に摘んできた花を花言葉を添えて渡しているところです。


ジョルジュ・ジュール=ヴィクトール・クレランのオフィーリア


ハムレットを演じたサラ・ベルナールの恋人ともいわれた画家ジョルジュ・クレランのオフィーリアです。何枚も描いていますね。

さきに英文の王妃ガートルードの言葉の前にご紹介しているオフィーリアと同様に、華やかさを感じます。

Georges Jules Victor Clairin, Ophelia


色つきで鑑賞したいですよね。画像は大きくなります。モノクロでも美しさが伝わってきますよ、ホント。→色つきのジョルジュ・ジュール=ヴィクトール・クレランのオフィーリアです。(2012.11更新)


 立ち姿にドレスで花を包むオフィーリア

左右の2枚 Konstantin Egorovich Makovsky、中央 Madeleine Lemaire

画像は大きくなります


ロシアのコンスタンチン・エグロビッチ マコフスキー(1839-1915)の作品が左右の2枚。中央がマドレーヌ・ルメール。

立ち姿でドレスをすこしたくしあげ、そこに摘んだ花を入れています。ウォーターハウスも1枚こうした作品を描いていますね。

フランスのマドレーヌ・ルメール(1845-1928)の作品は、多くのオフィーリアの肖像画で唯一ではないでしょうか、乳房を描いているのは。

左右の作品は、人間性が見られますが、中央のマドレーヌ・ルメールは異界のもののようなオフィーリアを描いています。


ジョン・エヴァレット・ミレイ 「オフィーリア」 の花


花の名と花言葉は別記事にてご紹介いたします。背景の摩訶不思議なものを発見しました。→公開いたしました。
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Shakespeare's Ophelia
オフィーリアの記事で使用した肖像画です。
TBいただいた記事、記事リンクをしていただいた記事も集めてみました。


オフィーリア  Ophelia


2006.09.01 「オフィーリア  Ophelia」


Richard Westall 「Ophelia」1803年
Sir Joseph Noel Paton 「Ophelia」
Joseph kronheim 「Ophelia」


Konstantin Egorovich Makovsky 「Ophelia」
Madeleine Lemaire 「Ophelia」1880年

Arthur Hughes 「Ophelia」1852年
 Second Version He Will Not Come Again
Richard Westall 「Ophelia」1803年
Georges-Jules-Victor Clairin 「Ophelia」1898年


John William Waterhouse 「Ophelia」1894年
Francis Danby 「Disappointed Love」 1821年
John William Waterhouse 「Ophelia」1910年


Benjamin West(Boydell Shakespeare Gallery)1805年頃
Amelia Bowerley 「Ofelias」1897年
Georges-Jules-Victor Clairin 「Ophelia」


シェイクスピア「ハムレット」から 愛しのオフィーリア


2010.05.02 as soon
シェイクスピア「ハムレット」から 愛しのオフィーリア
左:James Sant「 Ophelia」 1864年 中央:Antoine-Auguste-Ernest Hebert「 Ophelia」 1910年 右:Sir Frank Dicksee「 Ophelia」 1861年

James Sant 「Ophelia」 1864年
Antoine-Auguste-Ernest Hebert 「Ophelia」 1910年
Sir Frank Dicksee 「Ophelia」 1861年


H.M. Paget, 「Ophelia Goes Mad」
Thomas Francis Dicksee 「Ophelia」
Thomas Francis Dicksee 「Ophelia」
Daniel Maclise 「The Play Scene in Hamlet」
Thomas Francis Dicksee 「Ophelia」1864年
John. Hayter, 「Ophelia」


Carl F. W. Trautschold, 「Ophelia」
Thomas Francis Dicksee, 「Ophelia」 1865年
Richard Redgrave, 「Ophelia weaving her garlands」
Lucien Levy-Dhurmer, 「Ophelia」
Paul Albert Steck,「Ophelia」
Jules Joseph Lefebvre,「Ophelia」


blog KAFKA  「Ophelia」




「Ophelia」 Joseph Stella, Jared Joslin



blog La fleur eternelle  「Ophelia」






Ophelia」 Margaret Macdonald,
Frances MacNair,Gregory Grewdson,



blog Noblesse Oblige  「Ophelia」




「Ophelia」
Arthur Prince Spear,HenriGervex



blog RE+nessance 「Hamlet and Ophelia」

詩は有声の絵、絵画は無声の詩 ハムレットから

The Play Scene in Hamlet  by Daniel Maclise
Eugene Delacroix, The Death of Ophelia (1844)
Eugene Delacroix, The Death of Ophelia (1843)
Eugene Delacroix, The Death of Ophelia (1843) Neue Pinakothek



blog Maki's Style blog 「Ophelia」

「20世紀のオフィーリア 女流画家とその夫」

Katy Kianush 「Ophelia」 1996年
Annie Ovenden 「Ophelia」 1979年-80年
Graham Ovenden 「Ophelia」 1979年-81年


log Adventures in Wonderland 「Hamlet and Ophelia」

「オフィーリアの狂気

Historic Victorian artwork : woodcut etching 「Ophelia」
Mary Catherine Bolton as Ophelia 1813
Dante Gabriel Rossetti  「Hamlet and Ophelia」
Abbey Edwin Austin 「The Play Szene in Hamlet」



blog sweet-sweet-sweet 「Ophelia」

「狂ひ女 オフィーリア」

Dominico Tojetti 「Ophelia」
James (Jean-Baptiste) Bertrand, 「Mort d'Ophelie」
Jean Baptiste Bertrand 「Ophelia」 1873-6
J W Waterhouse 「Ophelia」 1910年
Alexandre Cabanel 「Ophelia」1883年



 blog 「オレンジのR+」

シェークスピアの『ハムレット』×ミレイの『オフィーリア』×ドラロージュの『若き殉教者の娘』 

Joseph Severn.「Ophelia」1831年頃
Henry Nelson O'Neil.「Ophelia」1874年
Marcus Stone,「Ophelia」1888年
W. G. Simmonds.「The Drowning of Ophelia」
etc!



blog カリフォルニア時間 「Ophelia」

オフィーリアと柳 Ophelia and the Willow Tree

山本麻佐之〔丘人〕「Ophelia」
Arthur Rackham 「Ophelia」
Arthur Hughes 「Ophelia」Second Version
Richard Redgrave, 「Ophelia weaving her garlands」
etc!



blog BLUE MOON 「Ophelia」

ルドン 「オフィーリア」 

Odilon Redon,Ophelia



blog mari-note 「Ophelia」

「オフィーリア 3枚の肖像画」

William Gale 「Ophelia」
Gustave Courbet 「Ophelia」



Ophelia by Sir John Everett Millais


2010.05.01 as soon
五月の薔薇に髑髏とロビン ミレイのオフィーリアから


Symbolism  Willow,Nettles,Daisies,Pansies,Crow flowers・・・ etc

and ・・・The robin  'For bonny sweet Robin is all my joy', which she sings ・・・



Nettles and・・・

2010.05.01 as soon
五月の薔薇に髑髏とロビン ミレイのオフィーリアから

2010.05.01 as soon
五月の薔薇に髑髏とロビン ミレイのオフィーリアから



T.E. 「Ophelia」1890年
Paul Delaroche 「The Young Martyr」


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