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花の女神フローラ フロラリア祭 Floralia



Fresco painting of Flora 大英博物館所蔵
ネットでポスター、ポストカードも販売


紀元前238年、あるは241年に干ばつが続き、巫女の書?→シビラの書(Sibylline Books)によると、花と豊饒の神フローラの崇拝するための神殿をたてたそうです。
Servius et sa réception de lAntiquité à la Renaissanceこんな本もおすすめです。

Servius et sa réception de l'Antiquité à la Renaissance

どんな本を読むかはたくさん読んでくださいね。こちらは、表紙が好きで購入。
アベンティーノ(アウェンティウス)の丘の神殿。そこは古代ローマ遺跡チルコ・マッシモ(キルクス・マクシムス)のすぐ近くで、4月28日に捧げられたのがはじまりです。

記事 レオナルド・ダ・ヴィンチ 花の女神フローラ
アウェンティウスの大祭壇っていうのはウェルギリウスの「牧歌」にでてきますが、同じ丘でしょうか?

そうしてクイリナーレの丘には2つめの神殿が建てられました。実際にはフロラリア祭は紀元前173年頃かららしいですよ。



Flora by Tiepolo


供物には野生の豆や菫は欠かせないものだったらしいです。お豆といえば、アプロディーテーからエロスへの愛の試練という名目で、プシュケは「豆の選別」などにも耐えましたが、「豆」は重要な供物なんでしょうかね。

記事 クピドとプシュケ
オウィディウスは豊饒と花の女神に二つの側面を、この祀りにあると言っています。ひとつは干ばつの恵みの豊饒ですが、男女の出産をあらわしているということなんですよ。
Fasti (Penguin Classics) Kindle版こんな本もおすすめです。

Fasti (Penguin Classics) [Kindle版] ※Ovid (著) , Anthony Boyle (翻訳, 序論), Roger Woodard (翻訳, 序論)

オウィディウスの祭歴です。表紙は大英博物館所蔵のフレスコ画のフローラ。
このフロラリア祭の供物や飾り物は、この花と豊饒の女神の崇拝の意味が込められています。

記事 花の女神フローラ 祝祭フロラリア



Flora by Rosalba Carriera


リンク先の記事の祭りの意味を考えると、ボッティチェリが「プリマヴェーラ」でクロリスが西風ゼピュロスに犯されて、花の女神フローラに変身して、その姿が妊婦のように描いているのもわかるような気がしますね。

記事 ボッティチェリ La Primavera 「プリマヴェーラ(春)」  ダンテの神曲の楽園説
フローラの花々で、とくに重要なお花が12あります。それはすべてギリシア神話に基づくお花の由来で、みなさんもご存知のものです。

アネモネ、アスター、クロッカス、ヒヤシンス、アイリス、リリー、そして水仙、蘭、ピオニー、薔薇、向日葵、菫ですね、



Zephyr Crowning Flora by Frederic Schall


こちらは西風ゼピュロスとフローラです。フローラはこの地球上の植物すべての生命の女神となりました。

搾りたてのミルク、花と蜜蜂はフローラから私たち人間への贈り物とも言われています。彼女からの贈り物はこのお祭りにも供物として捧げられます。

古代民族サビニ人(サビーニ人)の言葉で純潔を意味する「februa」は、フローラが2月という月に名づけたとも言われています。

さて肖像画の婦人を女神フローラに見立てて描いているものも多くあります。



Saskia as Flora by Rembrandt


画家エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランもそうした肖像画を描いていますが、レンブラントもその一人。

エルミタージュに並ぶレンブラントは東洋趣味を好んだ肖像画がいくつかあります。妻サスキアがフローラに重ねて描かれている作品もそのひとつ。

春と美の女神フローラ。 レンブラントは身近な人々を聖書や神話、伝説上の人物に扮装させて描くことをこのんだようですね。

シェイクスピアのオフィーリアに関して、「花の女神フローラ」をも象徴しているという「女性の生殖」を表すオフィーリア。19世紀「世紀末」の作品には狂乱の花のオフィーリアが描かれているとおりです。次の記事をお読みください。

そこには水と女性の死を象徴する「オフィーリア・コンプレックス」、「精神の病弱と清らかさ」を象徴する「オフェリア幻想」にも及んでいます。

こちらの記事をごらんください。
オフィーリア 水の精 花の女神
そろそろ過去記事オフィーリアも更新をかねて、つぎの2記事をご用意しています。それは5月にでも。

最後です。

オウィディウスの「祭暦(Fasti)」にあるクロリスの言葉。

記事 4月の寓意 オウィディウス「祭暦」 から
「I, called Flora now, was Chloris」からはじまるクロリスが語った全文邦訳です。わかりやすいように原文にない言葉もはさんでみました。

いまではフローラと呼ばれる
私のかつての名はクロリス。
ギリシアでの名がラテンの名で
呼ばれるようになったのです。

クロリスとよばれたあの時代、
聞き及んでいることでしょうが、
幸運な人々の住む
あの至福の国の妖精でした。

おこがましいでしょうが、この恵まれた美しさのため、
私の母は神を息子にもつことができたのです。

さまようように歩いた春の日の私
ゼピュロスの目に止まったのです。
逃げる私を追いかけて、それも強い力で。

彼の兄弟北風ボレアースが
アテナイの王エレクテウスから
王女オーレイテュイアを略奪したときのように。

彼は力づくの償いに
花嫁の名を私に与えたのです。
いまは何ひとつ不満はなく。

永遠の春に住み、燦燦と輝く季節
樹木には葉が繁り、緑の大地

そして結婚の標しに実りの庭。
そよ風があおぎ、春の水が灌漑としているのです。
夫はこの庭を豊かに育て
「花の女神の愛に任せて」と言いました。

希望にもえて花の色、
花の種類を調べてみても
枚挙にいとまがないのです。

葉から零れ落ちる滴、
さまざまな草花が陽の光で暖められ
彩られた衣を纏った時の女神ホーラが立ち寄り
私の贈り物を籠に摘んでゆくのです。

そこに美神たちは花輪を編み、編んだ花冠を
その天の国のもののような貴い髪へ結びます。

T. P. Wiseman
コメント:表紙はジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ。ローマ神話はウェヌス(ヴィーナス)、花の女神フローラも、ギリシャ神話と同じ物語。

---
コメント:フローラといえば、ボッティチェッリ。オウィディウスの「祭暦(Fasti)」の表紙です。

| ローマ・ギリシア神話 | 22:09 | comments(2) | trackbacks(2) | pookmark |
愛と美の女神アプロディーテー ヴィーナスの誕生



2007年過去記事からどうぞ!
ギュスターヴ・モロー 「アフロディテ(アプロディーテー)」


アプロディーテーは皆さんのほうがよくご存知かも。と思いながら記事にしてみました。

ウラノスからの「ヴィーナスの誕生の場面」はこちらで記事にしています。

記事「ボッティチェリ 至福の花々 (サンドロ・ボッティチェッリ)

アフロディーテはクピドの母で三美神を侍女としています。貝殻や海豚(ウーラノスから誕生としている場合)、恋情の帯(ゼウスの子とされている場合)はウェヌスと同一視されるなかで、とくにアフィロディーティーのアトリビュートです。


こちらのモローの「ヴィーナスの誕生」は華やかさがありませんが、これは神話に基づいた作品です。

ヘシオドスの「神統記」によると、「いとも神聖なキュテーラに立ち寄り、次にはキュプロスにたどり着いた。そこで畏くきらやかな女神が海から上がっていかれると、たおやかな御足に柔草が生い育った。」とあります。その場面になります。

The Birth of Venus (La nascita di Venere) by Sandro Botticelli (Galleria degli Uffizi, Florence)

ヴィーナスの誕生 1485年頃 ウフィツィ美術館所蔵
サンドロ・ボッティチェッリ(サンドロ・ボッティチェリ)

ウラノースから誕生したヴィーナスをボッティチェリは描いています。この貝殻にのって、キューテラーに流れていくんですね、実はこのボッティチェリのヴィーナスをモローはそのまま模写しています。

記事 サンドロボッティチェリ&ギュスターヴ・モロー

これが、メディチ家のプラトン・アカデミーで論じられた新プラトン主義。

Allegory of Spring (La Primavera)

春(ラ・プリマベーラ)
クリックで大きくなります。

1482年頃 ウフィツィ美術館所蔵
サンドロ・ボッティチェリ(サンドロ・ボッティチェッリ)

プラトンの「饗宴」にある「清らかな天上の愛」と「卑俗な官能的な愛」を用いられたという2枚のボッティチェリの作品に描かれた地上のヴィーナスと天上のヴィーナス(アプロディーティー)です。


ヴィーナスの誕生 The Birth of Venus

プラトン・アカデミーの新プラトン主義では裸体とは清純・潔白を意味すると解釈をしたようです。



ウィリアム・アドルフ・ブグロー
(William Adolphe Bouguereau)
 1879年 


ボッティチェッリのアプロディーテのように聖像スタイルです。貝殻、海豚が描かれています。ヴィーナス像は慎みのウェヌス(ヴィーナス)とは違いますね。大胆です。

記事 ルドン「ヴィーナスの誕生」

記事  女神アプロディーテー by クロード・ベルランド Claude Verlinde

ウィリアム・アドルフ・ブグローはアカデミズム絵画を代表する画家です。アレクサンドル・カバネルと同時代を過ごし、当時の画壇の中心的な存在。マネらの作品を落選させたのも、この二人ですよ。



1863 Musée d'Orsay



1875 Metropolitan Museum 複製画
アレクサンドル・カバネル(Alexandre Cabanel)


こちらは古代の画家アペレスの描いたアプロディーテのように横たわっています。定着させたのはジョルジョーネ。波間に横たわるスタイルで「ヴィーナスの誕生」を2枚描いているようです。

アペレスの「ヴィーナスの誕生」はこちら
記事 ボッティチェリ 至福の花々 (サンドロ・ボッティチェッリ)



アンリ・ピエール・ピクー
(Henri Pierre Picou)


19世紀の画家、アンリ・ピエール・ピクー(アンリ・ピエール・ピコー)は、アカデミックな画家ですよね。1枚目は「ヴィーナス(ウェヌス)」ですが、誕生にいれてみました。



フランソワ・ブーシェ(François Boucher)


ロココの大巨匠、フランソワ・ブーシェの「ヴィーナスの誕生」です。ブーシェはヘシオドスの神統記、ウエルギリウスのアイネーイスなどから「ヴィーナスシリーズ」を描いています。本当に優雅ですね。ボッティチェリの詩的な優雅さとは一味違うのが、ロココ調。

ボッティチェリはとても楽しい人柄だったようですが、作品の美しさとともに、なにか悲劇が伝わってきます。「ヴィーナスの誕生」にしても、自画像を描きこんだ「東方三博士」からも。どうなんでしょ?


海から上がるヴィーナス Venus Anadyomène ( The Birth of Venus )

 

ウジェーヌ=エマニュエル・アモリー=デュヴァル
(Eugène Emmanuel Amaury Pineux Duval)




1838年
テオドール・シャセリオー
(Theodore Chasseriau)



1848年
ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングル
(Jean-Auguste-Dominique Ingres)


 Venus Anadyomène とは「海から上がるヴィーナス」のこと。この形式は濡れた髪をしぼるウェヌスの立ち姿を表したもので、古代彫刻に由来しているそうです。

アペレスの失われた絵画作品のひとつで、その起源をもつとされている、ウェヌスの様式のひとつです。

ギュスターヴ・モローの2枚目の作品とおなじく、漂着した島でのこと。

テオドール・シャセリオーは、ギュスターヴ・モローに影響を与えたともいわれている人。ウジェーヌ=エマニュエル・アモリー=デュヴァルもテオドール・シャセオリーと同じくアングルと師弟関係になります。


ルネサンスのヴィーナス The Renaissance of Venus



1877年 The Renaissance of Venus
ウォルター・クレイン(walter crane)


こちらはウォルター・クレインの作品。「ルネサンスのヴィーナス」というタイトルです。海から上がるヴィーナスの形式によく似ている「ディアナの入浴」もウォルター・クレインは描いています。

記事  walter crane  古代の英国庭園から
こちらはウォルター・クレインの「古代英国庭園」の挿絵を表紙を含めて50枚ほど物語にそって掲載しました。ストーリー性がつかめない物語と挿絵を独自の解釈で記事にしました。


アフロディーテ、ヴィーナス(ウェヌス)の絵画形式

ウラーノスから誕生したというアフロディーテには、神話(ヘシオドスの神統記)からの「ヴィーナスの誕生」、「海から上がるヴィーナス」の形式があります。

ウラーノス、ゼウスどちらからの誕生に限らない愛と美の女神ヴィーナスの形式に、「聖愛と俗愛」、「ウェヌスとバッコスとケレス」、「ウェヌスの勝利(ウェヌスの凱旋)」、「ウェヌスの化粧」(横たわるウェヌス)があります。

記事 鏡のヴィーナス(ウェヌスの化粧)

ヴィーナス(ウェヌス)の神話の形式には「ウェニスとアドニス」、「ウェヌスと薔薇」、「ウェヌスとマルス」、「ウェヌスとアキンセス」があります。



アントワーヌ・ヴァトー パリスの審判


ホメーロスの「イーリアス」には「パリスの審判」がありますね。トロイア戦争の発端となる唯一ただ一人の美神の審判。

記事 ルーカス・クラナッハ 七つの「パリスの審判」
記事 パリスの審判 三女神黄金の林檎を争うこと
記事 アエネーイスから アイネイアースと母ヴィーナス
そしてクピドとヴィーナス(ウェヌス)もよく描かれていますね。
記事 ヴィーナスとクピド
記事 プラトン 「饗宴」 アプロディーテーの裏話
  ↑ ルーカス・クラナッハのヴィーナスとクピドです。

面白いものにクピドとヴィーナス、そしてメルクリウスが描かれている作品があります。



Venus with Mercury and Cupid
 ('The School of Love')
コレッジョ  (Antonio Allegri da Correggio)


この作品のほかにも、この3人が描かれているものがあるようですが、ヘルメス(メルクリウス)とアフロディーテの子はエロスではなく、「ヘルムアプロディテ(ヘルマフロディトス)」という両性具有になってしまった美少年らしいです。

記事 プラトン 「饗宴」 アプロディーテーの裏話
さてウェルギリウスの「アイネーイス」から「アエネアースに武器をわたすヴィーナス」があります。アンキーセースとヴィーナスの息子アエネアース。

記事 アエネーイスから アイネイアースと母ヴィーナス
「イーリアス」、「ホメーロス風讃」第5歌の「アフロディーテー讃歌」、アポロドーロス(Apollodoros)の「ギリシャ神話」、ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌス(Gaius Iulius Hyginus)の「神話集」にはヴィーナスの登場する場面が書かれています。

また、オウィディウスの祭暦からはウェネラリア祭があり「ヴィーナスの饗宴」がその形式にちかいものです。ヴィーナスの添え名のひとつウェヌス・ウェルティコルディアを祀るものです。

詳しくはこちら
記事4月の寓意 オウィディウス「祭暦」 から
4月1日にはウェヌスの宵祭りがあり、3日3晩お祝いするようです。4月15日と21日には「Festival of Venus(ヴィーナス祭)」があります。そして23日に「Vinalia Prioria to Venus」があるようです.


アフロディーテ
美と愛の女神アフロディーテ

「イーリアス」では
ゼウスとディオーネの娘となっているアフロディーテ。

ゼウスの妃ヘーラーはたびたび義理の娘アフロディーテを訪ね、「恋情の帯」を借りていたといいます。「恋情の帯」とは対する人々が恋せずにはいられないという素敵な帯。



アンリ・ピエール・ピクー
(Henri Pierre Picou)


プラトンの「饗宴」では、このアフロディーテが祀られている神殿にちなんだ「ウーラーニアー」、「パンデーモス」のそれぞれの信仰から、「清らかな天上の愛」、「卑俗な官能的な愛」に用いられたのではないかといわれています。

彼女の崇拝は
「美と愛(美と愛欲)の女神」ですが、天地万物の創造者としての愛のようです。薔薇や桃金嬢、若葉の冠で飾るのは、春と豊饒の女神として祀っていたといわれています。ここが女神フローラと同じですよね。


アフロディーテの愛人たち
知らないで娘のズミュルナと交わったキニュラース。のちにアフロディテが恋するアドーニスはこの二人から誕生するのですが、代々キニュラースの家系はアフロディテを信仰する家系。

その家系のひとりが最初のアフロディテの最初の愛人。

その愛人のキニュラースは東洋的な柔媚を装い、南国の甘い薫りを漂わせ、官能的な音楽に浸されていたといわれている人。

そしてパエトーン。アドーニス同様悲惨な死を迎えます。

さらにアンキーセース。このときにアフロディテは子を産みます。ウェルギリウスの「アイネーイス」で紹介したアエネアース。そしてリュロス、ヒッポダメイアがいます。

ヘーパイストス(ヘパイストス)の妻だったアフロディテはマルス(アレース)との火遊びの現場を夫にみられ神々の笑いものにされる場面が絵画作品になりますね。

ヴィーナス(ウェヌス)とマルス(アレス)を夫婦としている説もありますが。次の作品は夫へパイストが妻ヴィーナスとマルスの不貞を威嚇している場面。



マンテーニャのパルナッソス 1497年


3人のほかには、パルナッソスにふさわしいアポロンとムーサたち。そしてペガサスの馬といっしょにヘルメス(メリクリウス)がいます。

マルスとヴィーナスの子はエロス(クピド)を生んだとされるポポス、ディモス、ハルモニアー。

アンキセースとヘーパイストスは、楓は同一人物と勘違いしていた時期がありました。

ヘーパイストスの妻はアフロディテのほか、カリス(三美神)の一人、アグライアーがいます。

このマルス(アレース)とアプロディテーの火遊びの場面で、へーパイストがアフロディテに恋していたヘルメスにその二人を笑いもので見せるのです。エロス(クピド)がこの二人の子とされていますが、クピドは最も古い神だそうです。

マルスの後釜にでもといわれ、ジョークでお断りをしたヘルメス(メリクリウス)ですが、先にご紹介したとおり、ヘルメス(メリクリウス)との間にはヘルムアプロディテ(ヘルマフロディトス)がいますね。

こうした異性関係が、娼婦(遊女)の信仰の女神として祀られたのでしょうか。


ケレスとバッコス、ヴィーナスの三位一体
「ケレスとバッコスがいないとヴィーナスは凍えてしまう」
ヒエロニムス・ボッシュ(ボス)が描いた「暴食と色欲の寓意」にも、テレンティウスの戯曲宦官(Eunuchus) から「ケレス(パン)とバッコス(ワイン)がいないとヴィーナスは凍えてしまう」が引用されてるようです。

「宦官」にそんなところあったかしら?と思っているんですけど・・・。今度探して読んでみますね。

ボッシュは空のワインの大樽のうえに大食の男性と、テントの卓上の恋人たちがえがかれている寓意画ですが、ルーベンスは擬人像ではなく、ケレスとバッコス、ヴィーナスの三位一体で描いています。



Haecht Goidtsenhoven
ジェラール・ド・ホセ (Gèrard de Jode)

このテレンティウスの引用は フランドルやネーデルランド、ルネサンス期のイタリアをはじめ、絵画だけではなく、いろいろな詩や文学、格言などにも引用に使われたようで、元々がテレンティウスということでしょうか。

ジェラール・ド・ホセの挿絵だと思われるこの1冊に、その引用句が下にあるのです。これは1600年頃?の出版になると思います。

テレンティウスの戯曲の一節は、箴言となって戒めの言葉としてさかんに使われるようになったんですね。



凍えるヴィーナス ルーベンス 1615年


「Without Ceres (bread) and Bacchus (wine) Venus freezes」(パンとワインがなければその愛も醒めてしまう」という寓意画です。だからヴィーナスは凍えているのですね。

ケレースとバッコスがいないと、ウェヌスは凍える。
食べ物と酒なくしては愛も冷える。

「ケレス(パン)とバッコス(ワイン)がいないとヴィーナスは凍えてしまう」は、現代感覚では「お金がなければ愛も褪めてしまう」というところ。

「愛だけでは生きていけない」という格言にもなるのでしょうか。(笑)



 Venus,Cupid,Bacchus and Ceres 1612-13
by ルーベンス(Peter Paul Rubens)


オウィディウス「祭暦」 には、ヴィーナスの祭で4月がはじまり、終わりから5月にかけて、フロリア祭(花の女神フローラ)がありますが、ちょうどその中間に祝祭ケレーアーリア (Cerealia) がおこなわれるのです。古くは4月19日の祭典は、 紀元前3世紀末以降に、 4月12日からの8日間にわたって行なわれるようになります。

豊饒の女神ケレスのお祭りはサーカスに戦車の競技なども繰りひろげられ、ウェヌス祭同様にミルクと蜂蜜、そして最後にワインが供物として捧げられたよう。

バッコス祭はこちら
記事 モーリス・ドニ バッカス祭
この三人が象徴するものが揃って、はじめて人生の喜びを得られるということなのでしょうか。
| ローマ・ギリシア神話 | 20:42 | - | trackbacks(4) | pookmark |
ガラテア
Galatee-1880ガラテアというと、皆さんは、妖精ガラテアを思い出すでしょうか。それとも、戯曲や映画、小説にもえがかれているピグマリオンのガラテアですか?

オルセー美術館展にちなんで、最初は海の妖精 ガラテアから。

ガラテアには乳白の女神という意があります。

巨人ポリュフェモスは、アフロディテの美しさに比類する、乳白の女神 ガラテアに恋をします。

ガラテアは、自分の白い肌と、その美しさを十分知っていました。彼女に恋焦がれない男性がいないことも承知しています。

ガラテアは、つぎつぎと蔑み、あしらっていくのです。ただ一人、ガラテアの心を射止めた羊飼いのアキス(アーキス)には、優しく振る舞います。

Galatea (Moreau, 1878 - 80)、Galatea (Moreau, c. 1893)、Galatea (Moreau, c. 1896)

ギュスターブ・モロー 「ガラテア」 クリックすると、3枚の全体像に変わります。
左:1878-80年(最初の画像の部分)中央:1896年(部分) 左:1893年(部分)

醜悪な三つ目の巨人ポリュフェモスは、ガラテアに蔑まされても、彼女を慕う気持ちを葦笛で奏でます。来る日も来る日も、海に向かって。それを、その岩場の陰から、ガラテアとアーキスは、ガラテアに恋するポリュフェモスが、滑稽で、愉快で、葦笛を聞きながら、愛を語ります。

ある日、ポリュフェモスは、抱擁している二人をみて、襲い掛かります。海の妖精ガラテアは、アキスを一人残して海に逃げますが、アキスは人間。ポリュフェモスの投じた巨岩の下から流れ出る血。ガラテアは、その血でアキスを川に変身させたのです。

Galatea (Raphael- 1512-14Rome)これは、古代ローマの天成の詩人オウィディウス・ナーソの「変身物語(転身物語)」第13巻「アキスとガラテアの恋物語」。ギュスターブ・モローは、これを題材にして描きました。巨人ポリュフェモスは、ホメロスのオデュッセイアにも登場していますね。また、ヘレニズム時代のテオクリトスのギリシア牧歌集(エイデュリオン)にも、あるそうです。

この作品は、ラファエロのフラスコ画「ガラテアの勝利」です。ポリュフェモスは、三連画のようで、左側に描かれています。ラファエロと同じ構図のジャン・バティスト ヴァン・ローの「ガルテア凱旋」では、ポリュフェモスが、樹木の上で、葦笛を吹いています。
  
  作品:フラスコ画「ガラテアの勝利」
  ラファエロ・サンティ ローマ、ファルネジーナ荘 Farnesina 

Villa Farnesina


ラファエロの「ガラテアの勝利」の左にあるフラスコ画「ポリュフェモス」(ローマ、ファルネジーナ荘)です。

実際にみたことがないのですが、それぞれのポスター画像が手にはいったので組み合わせてみました。

「The Triumph of Galatea」Jean Baptiste van Loo

ジャン・バティスト ヴァン・ロー(1684-1745)
ガラテア凱旋

どうですか。様々なガラテア。ジャン・バティスト ヴァン・ローは、フランスの画家ですが、ヴァトーやブーシェのように、優雅なタッチで描いていますね。晩年がロココ時代ですが、肖像画を多く描いているようです。ポリュフェモスは右の樹木の上。

1788年に編曲されていますが、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの仮面劇「アキスとガラテア」があります。 1732年にオペラ上演されています。

その他の絵画作品にはウスタッシュ・ル・シュウール(Eustache Le Sueur)のガラテアの凱旋クロード・ロラン「ガラテア」 /アドリエン ファン・ニウラント「ガラテアの凱旋」があります。

さて、一番最初のご紹介したギュスターブ・モロー 。1月の後半から東京都美術館で開催されますが、現在は神戸で開催中のオルセー美術館展にも披露されていますね。本物をご覧になられた方には、ものたりない画像ですが、繊細で細やかで、宝石の花々が連なるように描かれています。同じ、オルセー美術館展では、19世紀を代表する印象派や写実派の作品がありますが、オルセー美術館所蔵で、「画家のアトリエ」をえがいた、リアリスムのギュスターヴ・クールベは、「みえるもの」を描くという画家。

ギュスターブ・モロー は、「目に見えるものや触れられるものは信じない。心に感じるものだけを信じます。」と言っています。世紀末芸術に、ファム・ファタル(宿命の女)を出現させたのですね。「夢を集める職人」だったのです。

それでは「変身物語」の第10巻目にあたる、ガラテアの物語は、「象牙の人形に恋したピュグマリオン」のガラテアです。

この物語を題材にしている作品には、ジャン=レオン・ジェローム、ジロデ・トリオゾン、エドワード・バーン=ジョーンズ、ブロンジーノ、フランソワ・ブーシェ、彫刻「ガラテア」があります。

若きキプロスの王でもある彫刻家ピグマリオンは、彼の理想の女性でもある、愛の女神アフロディテに似せた、自作の女神像ガラテアに恋をしてしまうのです。毎日、彼は、ガラテアが人であればと願い、祈り続けます。それが女神アフロディテによって、願いが叶うのです。生命を授けられたガラテア。二人は、もちろん結婚しました。

François Boucher

フランソワ・ブーシェ 「ガラテアとピグマリオン」

さすが、ロココを代表する優雅な画家。ブーシェは、ポンパドール夫人だけではなく、神話やシノワズリなども有名です。シノワズリには、中国人のスタイルそのものを描いた作品があります。(KAFKA変身抄

ちょうど、女神アフロディテが、ガラテアに、命を授けたところです。

Galatea and Pygmalion 右:Edward Burne-Jones 左:Anne-Louis Girodet de Roussy-Trioson

右:バーン=ジョーンズ 「ガラテアとピグマリオン」
左:ジロデ・トリオゾン 「ガラテアとピグマリオン」

RE+nessance


ジャン=レオン・ジェローム「ガラテアとピグマリオン」
オードレー・フラック 彫刻「ガラテア」
この「ガラテアとピグマリオン」は、一心に願い続けることは、必ず報われるということです。(報う、報われるでは意味が違いますね。「メジャー フォー メジャー 尺には尺を」のシェークスピアの言葉は、「報う」に使われますが)

パンドラの壷」からでてきた悪を、最後の希望が出てきたところに意味がある物語がありましたね。悪い状態でも、希望をもち、信じ続けること。必ず報われるということですね。これが、「ガラテアとピグマリオン」の説話になります。来年、皆様が「報われる良い年」になりますように。


ギュスターヴ・モロー ガラテア

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モロー エチュード(習作) ガラテア
ギュスターヴ・モロー美術館


Galatée

ギュスターヴ・モロー ガラテア 1880年
オルセー美術館所蔵



レースのような髪、頭から身体まで花の装飾



足元の花



消え入りそうな妖精?



ガラテアの足元にも。



恋するポリュフェモスの苦しみ

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モロー ガラテア モロー美術館所蔵




モロー 習作 海洋植物画 モロー美術館所蔵

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モロー 習作 植物画 モロー美術館所蔵



モロー 習作 海洋植物画 モロー美術館所蔵



モロー ガラテア モロー美術館所蔵

| ローマ・ギリシア神話 | 07:35 | comments(0) | trackbacks(6) | pookmark |
イアソンとメディア
Médée et Jason 1865 Musee d'Orsay「さぁ、次は僕だよ。」と云って、女王メディアの両手を、自分の首へまわしたのは、うえの子供。いま、弟の身体を抱きしめて、母メディアが殺すのを手伝ったばかりでした。

夫のイアソンは「王」という座に目が眩み、グラウケと挙式。メディアはグラウケを殺し、すべてを失ったイアソンは絶望。メディアは死んだ2人の子を抱え、去って行きます。

メディアは、セネカ(小セネカ)の戯曲が有名ですが、詩人エウリピデスの作品。

クィント・エンニオ、オウィディウスなど、古代の詩人や作家、哲学者たちが、ずいぶんと書き綴った悲劇です。

このギュスターヴ・モローの「イアソンとメディア」は、アポローニオス・ロディオスの叙事詩、「アルゴナウティカ」での場面ですね。鷲の姿のグリフォンを足元に、イアソンが金羊毛を掲げ、メディアの後ろには、羊の頭を供えています。

この冒険綺譚「アルゴナウティカ」では、女神ヘーラとアテナが、美と愛の女神アフロディテの息子で愛の神エロスに、イアソンが金羊の毛皮を獲れるよう、魔術をつかう王女メディアを激しく恋するように仕向けたのです。

とうとう二人は、冒険の目的だった、黄金の羊の毛皮を手にすることができたのです。モローの作品は、そのシーンを描いています。

イアソンは、イアソンのために、悪や血に染まっていくメディアに戦慄を覚えはじめます。

「アルゴナウティカ」では、二人の子は「どうしたら逃げられるだろう。母の手から。」と、恐れて、惑います。ドラクロワの「MÉDÉE FURIEUSE 怒れるメディア」では、母の手から逃れられなかった2人が描かれいます。

晩年、狂人イアソンは、アルゴス号の残骸の下で、船の舳先が落ち、亡くなったのでした。

To Iason
「英雄の随一は若さである。その胸の高鳴りは、戦いのファンファーレのように響きわたる。英雄にとっての愛や栄光は、戦利品のひとつでしかないのだ。」  by Gustave Moreau


イアソンとメディア ギュスターヴ・モロー










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