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グリューネヴァルトの聖女たち

(c)re+nessance Matthias Grünewald,(Mathis Gothart Neithart / Mathis Gothardt Neithardt)

マティアス・グリューネヴァルト 雪の聖母の祭壇画
シュトゥバッハの聖母子(c)re+nessance


saiの記事にある「シュトゥバッハの聖母子」をみて、マティアス・グリューネヴァルト(マティス・ゴートハルト・ナイトハルト)に俄然興味が湧きました。まだ悲鳴と嗚咽が聞こえない絵。

記事 グリューネヴァルトのシュトゥバッハの聖母子 聖母戴冠教会vs聖ペトロ&アレクサンドル教会

だって色の美しさが損なわれている作品画像や惨い絵ばかりのイメージがあったので、私向きではないと思っていましたから。見ているだけで苦しくなるような悲痛な人の叫びが聞こえてきますでしょ?

(C)remove Isenheim Altarpiece, by Matthias Grünewald (Mathis Gothart Neithart), detail, 1515

(C) remove
シュトゥバッハの聖母子とイーゼンハイム祭壇画の聖母子


Isenheim Altarpiece, by Matthias Grünewald (Mathis Gothart Neithart), detail, 1515

マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第二面 「キリスト降誕」


著作「さかしま」で有名なユイスマンは、第一面のキリスト磔刑での聖母マリアを「苦しみにひたる母の姿」として「うっとりとさせる白い聖母」として、「修道院へはいった女王、見事な蘭」と評していますが、この第二面のキリスト降誕でのマリアを「不愉快で薄汚い」と評論しています。

つまりユイスマンはマリアの美は「悲しみの聖母」にこそ、その美しさがあるとしているのです。

ジョリ=カルル・ユイスマンがカトリックに回心したのはグリューネヴァルトのキリストや聖女たちとの出会い以降になりますが、なにもグリューネヴァルトの作品が回心させたわけではありません。

Isenheim Altarpiece, by Matthias Grünewald (Mathis Gothart Neithart), detail, 1515
マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第一面 「キリスト磔刑」部分

修道院へはいった女王、見事な蘭と評論した聖母


ですが、不思議なことにユイスマンの晩年こそ、「彼方」や「三つの教会と三人のプリミティフ派画家」で評論している「卑俗なキリスト」(賓者のキリスト)、「盗賊のようなキリスト」、そして「不愉快で薄汚い聖マリア」と自身がなっていくのです。

記事 マティアス・グリューネヴァルト  バプテスマのヨハネ(洗礼者ヨハネ)とユイスマンの告白

癌に冒されたユイスマンは、評論したグリューネヴァルの旧カールスルーエのキリストのように「白雉の口さながらに緩みきった顔の獣性の露骨さ」さながらに腐乱していったのです。そこに聖マリアのように、ユイスマンを敬愛する若き聖女アンリエット・デュ・フレネルの出会いがあったのです。

「彼方」や「三つの教会と三人のプリミティフ派画家」で評論したユイスマンこそが、実はバプテスマのヨハネのように、後のユイスマン自身の腐乱を予言した書の書き手だったのですね。

Isenheim Altarpiece, formerly the main altarpiece of the Antonine in Isenheim / Alsace, second show side, middle image: the birth of Christ

マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第二面 「キリスト降誕」 天使の奏楽


Isenheim Altarpiece, formerly the main altarpiece of the Antonine in Isenheim / Alsace, second show side, middle image: the birth of Christ

マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第二面 「キリスト降誕」 天使の奏楽


Isenheim Altarpiece, formerly the main altarpiece of the Antonine in Isenheim / Alsace, second show side, middle image: the birth of Christ

マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第二面 「キリスト降誕」 天使の奏楽


尖った帽子の預言者エゼキエルといっしょにたぶん預言者エレミヤが柱の一番上に描かれています。その下は預言者イザヤ?モーセも描かれてるのでしょうか?

あのアーチに描かれているのは石版とモーセ?バプテスマのヨハネは一番右側だということです。

さて、このお姫さまは誰なんでしょう。王冠を被っています。このイーゼンハイム祭壇画はクラナッハの肖像にも描かれているルターに「95箇条の提題」を突きつけられたマインツ大司教アルブレヒト・フォン・ブランデンブルクが管轄していますから、アルブレヒト・フォン・ブランデンブルクの愛人を聖女にたとえて描いたのでしょうか。

実は聖母だということなんですね。ということは、両方の画面に聖母子としてのマドンナ(聖母)と戴冠したと思えるマドンナ(聖母)が描いたのでしょうか。そうするとですね・・・、ちょっと図像としてはどうなんでしょうか?まぁ、いいんです。かわいいから。

Isenheimer Altar, ehemals Hauptaltar des Antoniterklosters in Isenheim/Elsaß, zweite Schauseite, Mittelbild: Christi Geburt

マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第二面 「キリスト降誕」


(C)remove Isenheim Altarpiece, by Matthias Grünewald (Mathis Gothart Neithart), detail, 1515

(C) remove
シュトゥバッハの聖母子とイーゼンハイム祭壇画の聖母子


Madonna im Rosenhag

薔薇垣の聖母(バラの生け垣の聖母子)
右 シュテファン・ロッホナー 1450年頃
ヴァルラーフ・リヒャルツ博物館
左 マルティン・ショーンガウアー 1473年頃
コルマール聖ドミニコ修道院蔵


シュトゥバッハの聖母子とイーゼンハイム祭壇画の聖母子は、いずれも薔薇垣の聖母(バラの生け垣の聖母子)をスタイルに倣っています。15世紀に薔薇垣の聖母(バラの生け垣の聖母子)を代表するのがロッホナーです。

イタリアルネサンスのボッティチェッリも描いていますよね。

ショーンガウアーのように天使が王冠を運び、ロッホナーのように天上には父なる神と天使、そして奏楽の天使たちを向き合うように描いたわけなんですね、きっと。



マティアス・グリューネヴァルト
イーゼンハイム祭壇画 第二面 「キリスト降誕」


薔薇の聖母子と天使の奏楽の間に、水差し、湯置け、ベッド、ピッチャーが描かれていますが、saiがグリューネヴァルトのシュトゥバッハの聖母子 聖母戴冠教会vs聖ペトロ&アレクサンドル教会で書いていたように、15世紀末の信心「ロレトの連祷(聖マリアの連願)」(Litany of Loreto)を日常的な用品にかえて描いたと私も思うのです。


「シュトゥバッハの聖母子」に描かれているとおり、幼子イエスの腕に数珠の輪(ロザリオ)が描かれています。

イーゼンハイム祭壇画 第二面の「キリスト降誕」から一人歩きをしたのが雪の聖母の祭壇画中央の「「シュトゥバッハの聖母子」なんですね。

ところで一番気になるのが、ヴィオラ・ダ・ガンバを弾く天使の奥に、堕天使のような緑色の天使がいます。誰なんでしょう。

さてグリューネヴァルトの祭壇画は一番初期の頃には「十四聖人の祭壇画」があります。aleiの記事をみてグリューネヴァルトの八聖人に描かれた聖女たちは、躍動感があり、聖マルガリタがかっこいいんですよ。ハンス・フォン・クルムバッハではないかと論争中の祭壇画です。


alei記事 マティアス・グリューネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画と十四聖人の祭壇画

Matthias Gruenewald: Die Heilige Agnes, um 1503 and Die Heilige Dorothea, um 1503,Coburg, Kunstsammlungen der Veste Coburg

マティアス・グリューネヴァルト
聖ドロテア 聖アグネス 1500-03


ご覧ください。聖女(致命女)をイコンのように描いています。グリューネヴァルト(1470/75-1528)の残されている作品では一番古い1500-03の制作のもの。「最後の晩餐」と同じ時期。

ルーカス・クラナッハ(1472-1553)と同じ世代で、同じようにルター派の画家です。

過去記事「クラナッハの聖女たち」でご紹介した作品は、グリューネヴァルトより10年ほど後になります。

クラナッハは工房作品も含めて多数の祭壇画を描きましたが、ユイスマンが著作に書いているカールスルーエのキリストって、旧カールスルーエ祭壇のことで、いまは「タウバービショフスハイムの祭壇画」としてカールスルーエ州立美術館所蔵になっている「十字架を担うキリスト」と「キリストの磔刑」です。

記事 グリューネヴァルトのシュトゥバッハの聖母子 聖母戴冠教会vs聖ペトロ&アレクサンドル教会

いちばん驚いたのはcとデューラーとの共同制作のへラー祭壇です。

記事 クラナッハ(父)&工房 vs デューラー vs グリューネヴァルト ブランデンブルクのアルブレヒト枢機卿

へラー祭壇のグリューネヴァルトの翼パネルの不明の聖女は、ルーベンスの祭壇画「十字架昇架」聖カタリナ、ルーベンスのサンタ・マリア・イン・ヴァッリチェッラ教会の祭壇画の右翼に描かれている聖ドミティラを想像しました。



ここからは楓の独り言です。

いまさらながらですが、聖心はキリスト教なんですね。皇后美智子さまのご出身でもありますが、美智子さまのお人柄は一言で申せば御誠意とご謙遜だと思うんですね。

私の祖母、母が美智子様のお人柄を聖母マリアと言っていましたが、「なんのこっちゃ?」と思っていましたが、分別がわかる年頃になりまして、まさに「聖母マリア」だと思いました。

誤解のないようにお断りしておきますが、天皇及び皇族に信仰の自由は認められていません。ご立派に新道をお守りになっているのです。

あくまでも、私の感受性で、私が勝手に重ねておりますことをご承知くださいませ。

「私は今でも、昭和34年のご成婚の日のお馬車の列で、沿道の人々から受けた温かい祝福を、感謝とともに思い返すことがよくあります。東宮妃として、あの日、民間から私を受け入れた皇室と、その長い歴史に、傷をつけてはならないという重い責任感とともに、あの同じ日に、私の新しい旅立ちを祝福して見送ってくださった大勢の方々の期待を無にし、私もそこに生を得た庶民の歴史に傷を残してはならないという思いもまた、その後の歳月、私の中に、常にあったと思います。」

美智子さまは皇室にお入りになられまして、苦しい日々にあっても沈黙を守り、御誠意とご謙遜の日々を送られています。

ヨーロッパの15世紀はマリア信仰が広まった時代ですが、「ペスト」や「聖アントニウスの火」で、キリストと同じように、聖母マリアは人間の苦しみの拠り所になりました。

つまは、「慈悲深い姿」が重なるんです。



| ART&ARTIST | 19:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ジョン・ダンカン 眠れる森の美女 いばら姫(眠り姫)



ジョン・ダンカン 眠り姫 パース・アンド・キンロス理事会


kafkaでは、ジョン・ディクソンの作品(実はこの作品が一番好きです。)をくわえて、「エドワード・バーン=ジョーンズ 眠れる森の美女 いばら姫(眠り姫)」を記事にし、物語のあらすじも本文中にありますのでご参考にしてください。

象徴主義に分類されたジョン・ダンカンの「眠り姫」は、ラファエル前派のようにも見えますが、ロマンティックに描かれて、眠る部屋のタペストリーは子供部屋を象徴しているようにも感じますが、手にもつのは竪琴。

彼女が呪いで眠りについたのは15歳のことでした。

ジョン・ダンカン関連記事
シバの女王
ケルト神話 フォモール族
ジョン・ダンカン ユニコーン
ジョン・ダンカン 神話と伝承の人々の行進 「愛の仮面」

ジョン・ダンカン記事リンク
XAI  ジョン・ダンカン 遊びの園
| ART&ARTIST | 22:24 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ジョン・ダンカン 神話と伝承の人々の行進 「愛の仮面」

John McKirdy Duncan

オルフェウス、セメレー、プシュケ
(空にはクピドとプシュケ?それとも西風ゼフュロスとプシュケ?)

John Duncan Semele 1921 collected in Kemplays(Private Collection)

ジョン・ダンカン セレメ セメレー 1921 個人所蔵


新年の書初め記事でご紹介したジョン・ダンカンの「シバの女王」に続いて、「愛の仮面」をご紹介します。「シバの女王」と同じように左へ進行する人々。

下の二枚の作品をよくご覧ください。みなさまご存知の登場人物ですね。ギリシャ、ローマの伝承、神話に登場する主役たち。ここに描かれた彼らは、「愛」のために生きた人々。プシュケもいます。人間の彼女がクピドに嫁いだことは死だったのでしょうか。

二枚は「シバの女王」と同様に同じタイトルで同じ構図の作品です。

John Duncan  “The Masque of Love“ Aberdeen Art Gallery & Museums

ジョン・ダンカン 「愛の仮面」 アバディーン美術館

John McKirdy Duncan The Masque of Love Renfrew District Council Museum and Art Gallery, Paisley, Scotland The figures, Orpheus, Semele, Cupid and Psyche, Sappho, Francis of Assisi, Isolde, Elaine (carrying the shield of Lancelot), Hugh of Lincoln, Aucassin and Nicolette, Dante witnessing the vision of Paulo and Frencesca, Màgia Santi and her son, Raphael.

ジョン・ダンカン 「愛の仮面」 1921
レンフリュー地区評議会博物館・美術館(スコットランド)


き方は少々違いますが登場人物は同じです。最初の人物はオルフェウス。モローもルドンも描いていますが、ジョン・ダンカンは三連画にもオルフェウスを主題にしています。

オルフェウス(オルペウス)、セメレー、プシュケ、サッポー(サッフォー)、アッシジのフランチェスコ、イゾルデ、エレイン(エレーン)、馬に乗るのはランスロット?、リンカーンの聖ヒュー、オーカッサンとニコレット、ダンテといっしょに神曲でも有名なパオロとフランチェスカ、マージア・サンティとその息子ラファエロ(ラファエロ・サンティ)だと思われます。天使はミカエル?ガブリエル?

ここに登場する人物を、ジョン・ダンカンはそれぞれに描いている作品が他にもあるんです。

John McKirdy Duncan The Legend of Orpheus

ジョン・ダンカン オルフェウス伝説 1895 個人所蔵


「愛の仮面」の登場人物のプロフィールですが、オルフェウスは愛する妻を失い、冥府へ行きますが、後ろを振り返ったために連れ戻すことができなく、最後は神の怒りによって女たちに八つ裂きにされ死にました。セメレーは、へーラーの計略にかかり、愛するゼウスの灼熱の閃光で絶命します。人間のプシュケはクピドのために冥土へ行き、最後はクピドの花嫁になります。サッフォーは失恋から身を投じます。アッシジのフランチェスコはキリストの模範となる聖痕を受け苦行と宣教の末に亡くなります。

イゾルデは「トリスタンとイゾルデ」で、愛されたイゾルデと愛されなかったイゾルデがいますが、こちらは愛されたイゾルデ。トリスタンの命は救えませんでした。リンカーン(リンカン)の聖ヒューは子供の殉教者として有名です。チョーサーのカンタベリー物語にも登場し、バーン=ジョーンズが作品に描いています。オーカッサンとニコレットはハッピーエンドの物語。数々の試練を抜けて結婚する二人の物語。

ランスロットに恋をしたエレーンは、呪いをもろともせず命を懸けて小舟で城を出るのです。シャロットの姫君とよく似た物語。ダンテ神曲地獄編の「パオロとフランチェスカ」はオペラでも二人の悲恋が主題になっていますが、兄嫁との恋は兄によって惨殺されます。マージア・サンティとその息子ラファエロが描かれています。聖母子像でも絶賛されるラファエロ。ラファエロが8歳のときに母マーギアは亡くなります。

「愛の仮面」、どんな寓意が込められているのでしょう。

 John McKirdy Duncan Tristan and Isolde 1912 City of Edinburgh Council

ジョン・ダンカン トリスタンとイゾルデ(部分) 
1912 エディンバラ市会議所 全体像はクリックで!


オルフェウスと同様に単体の主題作品です。「トリスタンとイゾルデ」はラファエル前派のような雰囲気もありますが、ギュスターヴ・モローと同じく象徴主義の画家とされています。

「愛の仮面」の最後にラファエロが登場。

ラファエル前派は、このラファエロを基準に、ラファエロ以前の芸術を示しますが、なにかなぞられている気がします。

画家ジョン・マカーディー・ダンカン(1866-1945)は、ケルト文化復興運動に興味を示し、起源はケルトの説話にあたる「トリスタンとイゾルデ」を描いたのもそのせいでしょうか。アーサー王物語に取り込まれますが、ラファエル前派とは少し趣向が違う気もします。

RSA(ロイヤル·スコティッシュ·アカデミー)のほか、RSW(ロイヤル・ソサエティ・ウォーターカラリスト)でいわゆる水彩画家のメンバーでもあったようです。ジョージ・ヘンリーと同じ時代の人なんですね。

ジョン・ダンカン記事リンク
XAI  ジョン・ダンカン 遊びの園

 

| ART&ARTIST | 17:44 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
マーク・トンプソン・エラリングのサロメなポーズで

Mark Thompson Eraring

タイトル不明→「ブーツと木陰」?
 マーク・トンプソン・エラリング


alei が、海外で面白い作品を教えてくれました。マーク・トンプソン・エラリングというオーストラリアの画家。

マーク・トンプソン・エラリングはパロディのように、いろんな年代の巨匠たちの作品を作品に用いています。

タイトルは不明ですが、トレーには陶器になぜかブーツ。トレーから顔をそむけるようなポーズの女性はサロメ(Salome)によくある構図。頭のかわりに足元のブーツと考えたのですが。どうでしょう。

Bernado Luini - Salome holding the head of St. John The Baptist

洗礼者聖ヨハネの首とサロメ
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Salome with the Head of Saint John the Baptist  Bernardino Luini

洗礼者聖ヨハネの首とサロメ
ベルナルディーノ・ルイーニ  ボストン美術館


マーク・トンプソン・エラリングの描いた女性の顔はティツィアーノ風に見えませんか?

教えてくれたaleiは、ラス・メニーナスのにも描かれたマリアナ・デ・アウストリアかあるいはマリア・テレサ(マリー・テレーズ)の肖像と「海辺に座る裸体の青年」の合体作を記事にしています。あの髪飾りはマリア・テレサでは?saiは正体不明の作品を記事にしました。

Bartholomeus Strobel Degollación de San Juan Bautista y banquete de Herodes

シュトローベル ヘロデ王の饗宴から


昨年の記事で、私がもっとも好きなサロメをご紹介しました。マーク・トンプソン・エラリングの女性の冠と似ていませんか?モローやクラナッハのサロメはこちらの記事からリンクしています。

記事 サロメ 最も美しいシュトローベルのヘロデ王の宴から

| ART&ARTIST | 00:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ディーノ・バルス イヴの原罪

Retablo grávido 1991 DINO VALLS

祭壇画 妊娠 1991 ディーノ・バルス


ディーノ・バルスの作品は、シュールなリアリズム絵画が多い人だと思っていましたら、中世の祭壇画をイメージさせ、さらにララファエロ前派が描いていたようなドレスをまとった女性が描かれていて、寓意画でもあって、とっても楽しめました。

祭壇画「妊娠」には下段の蛇。中央のパネルでは、聖母マリアのように受胎で妊娠した女性にも見えます。上段には男性とみられる裸体の人物が描かれています。

この「妊娠」の姿はイヴの原罪を表しているのではないでしょうか。

人類初の妊娠、そして人類初の人殺し、肉親殺しのカインとアベルを出産して、人類の祖となったノアの祖先セトを産みます。

ディーノ・バルスは私よりも世代がちょっと上。

スペインの画家で、ベラスケス、ゴヤの作品をパロディにしたり、ルネサンスやバロックの肖像画、そしてラファエル前派が好んだ物語を主題にした作品も描いています。

追記 こちらもどうぞ!
記事 ルネサンスなディーノ・バルスの肖像画

| ART&ARTIST | 19:32 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
チャールズ・アレン・ウィンター 「運命」

CHARLES ALLEN WINTER American (1869-1942) Fortune

運命 1908
チャールズ・アレン・ウィンター


友人のalei がマサチューセッツ州のグロスター シティ・ホールの壁画の写真をみせてくれました。あんまり私の関心のわかない画家でしたが、検索してみたら1枚だけ気になった絵が。

グロスター市庁舎の壁画とはまったく正反対なファンタジックな作品「運命」です。



| ART&ARTIST | 23:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ヤコブ・オクテルフェルト Jacob Ochtervelt

フェルメールやピーテル・デ・ホーホに比べてエレガントなヤコブ・オクテルフェルト(1634-1682)の作品。

The Love Letter, ca. 1670 Jacob Ochtervelt (Dutch, 1634?1682)

ヤコブ・オクテルフェルト 恋文(部分) 


ピーテル・デ・ホーホ(Pieter de Hooch 1629-1684)と同じ時代の人。ヘラルト・テル・ボルフ(1617-1681)レンブラント(1606-1669)の弟子サミュエル・ファン・ホーホストラーテン(1627-1678)などのオランダ画家がいます。 

Jacob Ochtervelt  Lady with Servant and Dog, c. 1671-1673, Carnegie Museum of Art, Henry Lee Mason Memorial Fund

ヤコブ・オクテルフェルト 召使いと女主人と犬 1671-73
カーネギー美術館


フェルメール(1632-1675)
はデルフトで活躍しましたが、ヤコブ・オクテルフェルトはピーテル・デ・ホーホと同じくロッテルダムで生まれアムステルダムに移り住みました。

ヤコブ・オクテルフェルトの作品の中で、女性のたたずまいがあまりに優雅に描かれていて、オランダ画家に興味のない私が関心を持ったわけなんですね。

私が特に関心を持ったヤコブ・オクテルフェルトの作品は、「恋文 (ラヴレター)」です。下記記事からご覧くださいな。

記事 ヤコブ・オクテルフェルト  恋文(ラヴレター)

追記 ryo〜ちゃん、久しぶりですね!コメントありがとう!
記事 ヤコブ・オクテルフェルト Jacob Ochtervelt 風俗編

追記 alei 記事
17世紀オランダ画家 ヤコブ・オクテルフェルト(Jacob Ochtervelt)の演奏画
| ART&ARTIST | 12:44 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
ジニー・トマネック 不思議の国の住人たち

seasons of the heart, Jeanie Tomanek

seasons of the heart   -Jeanie Tomanek


アメリカの女流画家ジニー・トマネックの不思議な作品。ファンタジックな作品ですが、どちらかといえばダークな作品が多く、黒い鴉が描かれているものも多くあります。

詳しくはこちら
記事 Jeanie Tomanek  ジニー・トマネックのお伽の国の物語画
記事  Jeanie Tomanek  ジニー・トマネックの油彩画

記事リンク XAI Jeanie Tomanek ジニー・トマネックの幻想画
| ART&ARTIST | 22:14 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ジュリー・ヘファナン の ファンタジア

Self-Portrait as Booty, Julie Heffernan

ジュリー・ヘファナン  獲物としての自画像  


アニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)の写真のような絵画作品。でも古典的なエッセンスを取り入れた現代版聖母子や肖像画風の作品もあります。

面白いのはベラスケスの「マリア・テレサ王女」を自画像にしている作品。

Self Portrait as Great Heap, 2009

偉大な山をなす自画像 2009


Study for Self Portrait as Booty , 2009

習作 獲物としての自画像 2009


今回選んだのは、花や果実、野菜のほか、鳥獣類をドレスに重ねた作品シリーズの1枚。もうおわかりですね!ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo, 1527 - 1593)を想起しますよね!

これは死生観を静物で表現しているのではないでしょうか?

Self Portrait with Men in Hats, Julie Heffernan

帽子の男と自画像 2007


これはヴォーグ(vogue)のページに登場しそうな作品です。背景には王族、騎士が持つ様な馬が描かれています。

そしてメダイヨンには、民族的な「帽子」、王冠などを頭に被った男性の顔が描かれています。


「獲物としての自画像」の背景には人間に見えるでしょうが、動物の顔をしているんですよ。動物や他の生き物を人間にする擬人化。諷刺、アレゴリーとして観賞できそうです。

こうした作品はジュリー・ヘファナンの大自然や絶対的な摂理に対する偶像崇拝としての擬人観でしょうか。

追記 ジュリー・ヘファナンのドレス ノット・デッド・イェット(Not Dead Yet)

まだ、死んでいない!
| ART&ARTIST | 22:24 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
マイク・ウォーラル ファンタジックな作品

Mike Worrall Le Grand Tour La Mer 2001

マイク・ウォーラル 海のグランド・ツアー 2001
作品部分です。 全体像はクリックしてご覧ください。


はじめて画家マイク・ウォーラルを知った作品です。洪水がドレスのように描かれて、先を行く執事。画像はクリックしていただくと全体像に変わります。そこには階段の手すりに置かれた空のお皿にカトラリーが置かれています。この作品だけではなく、意外な組み合わせがとても絶妙なハーモニーを奏でているようで、見ていて楽しい。そしてどこか古典的な装飾を用いています。

Mike Worrall Sunken Garden 2001

マイク・ウォーラル 沈床園 2001


この作品は「ヴィーナスの化粧」(Venus at Her Toilette)、「鏡のヴィーナス」(Venus with a Mirror )を意識しているように見えませんか?ファンタジックでシュールなマイク・ウォーラルですが、画中画にも見られるように、ルネサンスやバロック期の絵画作品の主題を踏まえているところが時々見かけられます。ルネ・マグリッドのような作品もありますが、「マイク・ウォーラル」というオリジナルを作品から強く受けます。

Mike Worrall The Trouble with Time, 2008-09

マイク・ウォーラル トラブルの時間


1900年前半によくみられる黒いドレスの女性と室内のインテリア。ご主人らしき人が、室内洪水に静かにテーブルへと手をかけて流れに身を任せています。しがみつくほど慌てもせず、かと言って沈もうともせず。左窓から見える窓際でピアノを弾く人物は、17-18世紀の音楽家のように鬘を被って、まるでモーツァルトの後ろ姿のようです。

Mike Worrall Nocturnal Excursion 2009

マイク・ウォーラル 夜の小旅行


マイク・ウォーラルは以前から気になっていたイギリス生まれのオーストラリア在住の画家。昨年makiさんがギャラリーの展示会に行って来られて、「ポール・デルヴォーが好きというのが作品からも感じたよ。」とおっしゃってましたが、本当にそう。でも私はさらにクロード・ベルランドを重ねてしまいます。

マイク・ウォーラルについてはmakiさんの記事から
記事 マイク・ウォーラル シンデレラ

そのほかの記事
saiの記事  マイク・ウォーラル
aleiの記事  マイク・ウォーラル  マルガリータ王女
兎穴さん マイク・ウォーラルとポール・デルヴォー

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