日本人は森羅万象の世界から、言葉、色を生み出し、その表現にも富む民族です。赤を茜、紅、韓紅、臙脂とあらわしますが、飛鳥・奈良、平安、鎌倉、室町、桃山、江戸に至るまで、それは、それぞれの時代に流行った花鳥、草木が代表する自然が、織物柄、工芸品に息づき、この世のすべての表現を象徴しています。

The Mary Griggs Burke Collection
「四季草花図屏風」桃山時代(16世紀後期)
バーク・コレクション
たとえば内部を飾る豪華な障壁画や調度美術が発達したのが桃山時代。安土桃山時代の桃山とは、織田信長亡きあと1582年から秀吉の亡くなった1598年の時代を指します。この頃、建築では数寄屋造りに回遊庭園、絵画は狩野永徳から狩野山楽に移り、長谷川等伯や海北友松らが活躍します。茶では利休から織部へ、芸能では能から浄瑠璃・歌舞伎ヘの転換、そして和食に和菓子、和服に襦袢と発展していくのです。

The Mary Griggs Burke Collection
「四季草花図屏風」桃山時代(16世紀後期)
バーク・コレクション
室町時代には、
伝雪舟筆の四季花鳥図屏風(東京国立博物館)、日月四季花鳥図屏風(
出光美術館名品展1)、狩野元信の四季花鳥図屏風(白鶴美術館)があり、江戸時代には山楽印の四季花鳥図屏風、松村景文の四季花鳥図屏風(大倉集古館所蔵)、俵屋宗達の四季花鳥図屏風(
根津美術館所蔵)などがあります。エツコ&ジョー・プライスコレクションのひとつ、酒井抱一の「
四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」は、金地に極彩色で四季の草花や花木を描いて下絵とし、その上に三十六歌仙の色紙を貼り付けるという作品です。

さて秀吉、おもいのままつくった伏見城。それだけの贅を尽くした半年後には、秀吉は時世の句を詠むことになります。−露と落ち露と散りにし吾が身かな 難波のことは夢のまた夢−
絢爛豪華の桃山時代、世界はどうだったのでしょうか。ヨーロッパでは、ルネッサンスからバロックに変化する時代だったのです。
参考サイト 文化遺産オンライン / 所蔵品オンライン