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ヴィヴィアン・ウェストウッド 画家 ヴァトーのドレス



イヴニング・ドレス ヴァトー(ワトー)
Vivienne Westwood (C)V&A



Vivienne Westwood 1996


1996年のヴィヴィアン・ウェストウッドのコレクションに「Watteau(ワトー)」という名のイヴニングドレスが登場しました。16世紀の画家アントワーヌ・ヴァトー(Antoine Watteau 1684〜1721)から名がつけられたのです。

記事「シャネル以前 宮廷のクチュリエ ウォルト

肩の下辺りから伸びるトレーンが横向きの写真からわかると思いますが、↑の過去記事からワトー・ドレスをみてくださいな。

絵画作品から後姿をみるとトレーンはこんなかんじ。



The Declaration of Love 「愛の告白」 ? 1731年
ジャン=フランソワ・ド・トロワ(1679-1752)


ガウンスタイルの上衣の背中には、ヴァトー・プリーツ(plis Watteau)とよばれるひだ。このスタイルはコントゥーシュ(contouche)と呼ばれるゆったりしたマントに分類されます。もともとポルトガル人が愛用していた外套のことです。

ちなみにこの作品の画家ジャン=フランソワ・ド・トロワはたいへん才能のある画家でしたが、ポンパドゥール夫人の弟マリニ侯爵と職位での争いがあり、その翌年に突然亡くなっています。



Duas primas, 1716
アントワーヌ・ヴァトー


この作品はヴァトー。トロワの描いたワトープリーツと違いますよね。 ローブ・ イノチェンテ(Robe innocente)やローブ・ア・ラ・フランセーズ(Robe à la Française)もコントゥーシュの仲間。ローブ・ア・ラ・フランセーズはワトー・プリーツの変形になります。

コルセットで上半身を締め、パニエあるいはパニエ・ドゥブルを身につけて腰にふくらみをもてせているスタイルは、マリー・アントワネットの肖像画にもたいへん多いですよね。

記事「マリー・アントワネットのドレス ローズ・ベルタン
この記事からは当時のローブ・ア・ラ・フランセーズにコルセットとパニエ・ドゥブルなども画像で確認することができます。



18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズ


ワトー・プリーツの変形というのはパニエの流行で上衣の変化とポンパドゥール夫人がファッションリーダーだった1745年頃からブラウスの部分と上衣がいっしょになっていきます。

こうしたスタイルがワトー・プリーツ(ヴァトー・プリーツ)、ワトー・ローブ(ヴァトー・ローブ)などと世慣れるようになったのが、1705年から10年頃のことだそうですが・・・。

それ以前はなんと呼ばれていたのでしょう。

コントゥーシュには先にあげたほか、アドリアンヌ、ローブ・ヴォラント、ローブ・バタントとよばれたものがあります。このローブ・ヴォラントもローブ・バタントも実際のところワトー・プリーツをさすようですね。



ローブ・ヴォラント 1720年

It was Madame de Montespan who invented the 'robes battantes' for the purpose of concealing her pregnancy, because it was impossible to discover the shape in those robes. But when she wore them, it was precisely as if she had publicly announced that which she affected to conceal, for everybody at the Court used to say, "Madame de Montespan has put on her robe battante, therefore she must be pregnant." I believe she did it on purpose, hoping that it commanded more attention for her at Court, as it really did.
 
(C)www.public-domain-content.com
The Memoirs of the Louis XIV -by Elizabeth Charlotte



ローブ・バタント 18世紀


この本にはルイ14世の愛妾モンテスパン夫人の名とローブ・バタントがあげられていますね。以前の記事でも彼女が自分でデザインした「罪なきもの」という名のドレスのことをちょっぴり書きました。

記事「モンテスパン侯爵夫人フランソワーズ・アテナイス

ルイ14世との子を隠すために「罪なきもの(無邪気な)」というドレスの名がつけられたのかなと思っていました。服飾史にでてくるイノチェンテ (innocente)とばかり思っていたら・・・。

どうやらローブ・バタントをマタニティであることを隠すためにモンテスパン夫人は自分でデザインをしたというらしいんですね。



パニエ・スタイル


ところがですね、やっぱりモンテスパン夫人は「ローブ・ア・リノサン(Robe à l'innocente (イノチェンテ)」ではないかと思ってるんです、わたし。(→素人の浅はかさですが、ごめんなさい)

ローブ・ア・リノサン(イノチェンテ)は、コルセットで胴を締め付けないデザインなんですよ。

それでローブ・バタント (ローブ・ヴォラントも)は、モンテスパン夫人が「イノチェンテ」を着ていたのを、マダム・ダンクールが古代ローマのテレンティウスの戯曲「アンドロス島の女」(1703年上演)で、出産後のグリセラの役を演じるための上衣に、そのデザインを参考にしたものではないのかなって思うんです。

ですからマダム・ダンクールが参考にした「上衣」がローブ・バタントと呼ばれ、さらに「アンドロス島の女」から「アンドリアンヌ、アドリアンヌ」と呼ばれる所以ではないのかしらん?



パニエ・スタイル (前)
(C)ファッション辞典 文化出版局


そしてワトー(ヴァトー)以降に、ヴァトー・プリーツのヴァトー・ローブ、ヴァトー・ガウンと呼ばれ、ボディスはヴァトー・ボディス。

ローブ・バタントとは「風にひるがえるドレス」、ローブ・ヴォラントは「軽快に動く」という意です。最後の画像は、コルセットなしだとおもわれるゆったりとしたドレスにパニエを着用しているファッションイラストです。

これならマタ二ティOKですね!

さて、ワトー(ヴァトー)の「トワレ(身繕い)」の作品なんですが、実はほかの画家たちが描いている「トワレ」とちょっとワケが違う。



「トワレ インタイム」
アントワーヌ・ヴァトー


衣服や髪を整える「トワレではなく、まさに生理的なトワレを果たすシーンでした。このヴァトーが作品にした時代はルイ14世の晩年からルイ15世になる時代で、ちょうどヴェルサイユのお城には、ルイ14世たち宮廷人のトワレ イン タイムの椅子がありましたね。

記事「ルイ太陽王(ルイ14世) 王権神授説の宮廷絵巻

この記事には「シェーズ・アフェール」というルイ14世が執務を続けながら「用をはたすための椅子」が写真で掲載されています。

トワレ イン タイム 関連記事は
オバマ大統領のトワレ
フランソワ・ブーシェ トワレ インタイム
ルイ・レオポルド・ボワリー 18世紀の画家
PRADA プラダのトワレ by トム・サックス
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フランソワ・ブーシェ トワレ・イン・タイム
フランソワ・ブーシェ トワレの瞬間フランソワ・ブーシェという大画家を知らない人はいないだろう。ポンパドゥール夫人の肖像画だけでも超有名。ブーシェは時代の風俗をしっかり描く。でもびっくりした。SAIはまだ品のいい方を記事にした。「ルイ・レオポルド・ボワリ
| remove | 2010/02/26 12:05 AM |
ルイ・レオポルド・ボワリー 18世紀の画家
楓の過去記事に「マリー・アントワネット フランス紀行から 」にも、ルイ・レオポルド・ボワリーの作品があった。長い記事なので忍耐強く読むと、28歳の老婆のはなしや、実際の領主がどれだけ税金を領民から取り上げていたのかをイギリス人の日記からトピックしているが
| RE+nessance | 2010/02/26 12:50 AM |
オバマ大統領のトワレ
いやぁー、やばくないですか!ロココのブーシェやヴァトーのような名のある画家が女性のトワレ(仏語)の大胆な作品を描いていたとは・・・。 わたくしはですね、トワレにまつわるオバマ大統領のこんな画像を発見しましたが。 (C)www.moonbattery.com さてやばそう
| 何の印象もないBlog | 2010/02/26 11:58 PM |