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窓辺で手紙を読む女 「alei のフェルメールはお好き?」へ

Briefleserin am offenen Fenster 1657 Gemäldegalerie Alte Meister in Dresden

フェルメール 窓辺で手紙を読む女 1657 ドレスデン国立美術館


aleiの「フェルメールはお好き?」という記事は4年くらい前でしょうか。saiもおなじ時期に記事「Allegory of Painting」、「フェルメールの小路」を書き、KAFKAでフェルメールのパレットのお話を記事にしました。

この「窓辺で手紙を読む女」のオリジナルに近い作品を見せてもらってから、かなり見方が変わりました。

Jeune fille Sac Monogram - Homage a VermeerTBありがとうございます。
いろ 色々 ヴィトンのフェルメール カラー
2007年AW パリコレでヴィトンのフェルメールへのオマージュから、色の合わせで「窓辺で手紙を読む女」にアップしていただきました。
続き
ネットで検索する画像との違いは左側の窓の縁。ほとんどがこの窓の縁が切れているんです。ですからその奥行き感に違和感を感じて好きになれませんでした。ところが見せてもらったこの作品画像。これならなるほどと思います。

フェルメールが好きという方たちがそうした作品の部分を気にせずに全体像として掲載していらっしゃるのをみて、「好き」という強い思いは、小さな違和感や些細な質の違いを無視できるほどの情熱なんだなぁって感心します。

この作品はトロンプ=ルイユ効果(Trompe-l'oeil)を狙ったもの。騙し絵だそうですね。右手前のカーテンが、この作品にかける埃よけのカーテンのように描かれています。

アルテ・マイスター絵画館所蔵のレンブラントの聖家族(カーテンが掛けられた聖家族)、シカゴ美術館所蔵のアドリアン・ファン・ダー・スペルト、フランス・ファン・ミーリスの作品の、コルティナ(埃よけのカーテン)を描いた花の絵(1658)などがあります

追記:騙し絵といえばサミュエル・ファン・ホーホストラーテン。1801年の頃には「窓辺で手紙を書く女」はファン・ホーホストラーテンの作と思われていた時期があったようです。
デ・ホーホの「窓辺で手紙を読む女」はこちら。
記事 ピーテル・デ・ホーホ Pieter de Hooch
さて作品の窓の下のライオンヘッドの椅子は、プリンセンホフ博物館に所蔵されているのだそうですね。

そしてワイングラスも描かれていたようですが、たぶん果物の横ではないでしょうか。デルフト市立美術館所蔵のギルス・G・デ・ベルクの果物の静物画(1637-39)の作品をもとに描いたようだとありましたから。

この作品画像の女性の顔が映っている窓枠をご覧ください。なんともいえない風合いは、「青色」を使用しているからなんですね。

わたしのように実際に観賞したことがない素人が、「フェルメールがお好き?」と尋ねられると、「嫌いかも」って答えると思いますが、色やきちんとした作品画像をみて、はじめて納得できました。

以前より関心をもてる画家だということ。


窓辺で手紙を読む女 描かれた名品 消されたクピド


クピド(キューピッド)の絵 は開いた窓の上、女性の上に描いていたようです。その面影がわかりますね。まるで以前に絵をかけていたように塗りつぶすなど、面白さにあふれています。

このクピドは、「ヴァージナルの前に立つ女」、「レッスンの中断(稽古の中断)に描かれています。このクピドは、「 愛の寓意画集のクピド」だということなんですね。

フェルメールはこのクピドだけではなく、オットー・ファン・フェーンの作品をもとに描いているものが多く見受けられます。1608年の「愛の寓意画集(Amorum Emblemata)」からのクピド。

彼女がたつ床から壁に小さなタイルなのかボーダー(壁紙の種類)なのかわかりませんが、そこにも小さなクピドなどが描かれています。

それははっきりとオットー・ファン・フェーンのエンブレムと認識できる描き方ですね。

Perfectus amor non est nisi ad unum 1608 by Otto van Veen

愛の寓意画集 「ただ一人に」 オットー・ファン・フェーン


でもこの壁にかかる絵のクピドの顔とその髪は、カーサル・ファン・エヴァーディンゲン (Caesar van Everdingen)のクピドを思い起こさせます。(テキストリンクから画像で確認してみてくださいね。)

すくッと立ち、片手をあげるポーズをオットー・ファン・フェーンから、顔だち、髪、そして体つきをカーサル・ファン・エヴァーディンゲン から取り入れたようなフェルメールのクピド。

どうでしょうか。二人の画家からの合作されたクピドにみえませんか?

このカーサル・ファン・エヴァーディンゲンのクピドが足げにしている部分までを、フェルメールは「ヴァージナルの前に立つ女」同様に、「眠る女(A WOMAN ASLEEP)」の壁にも描いているそうです。

フェルメールは他の画家のコピーのリサイクル、リメイクがお得意なんですね。そして絵画だけではなく「名文句」もリメイクしたようです。

Caesar Boetius van Everdingen - Amor eine. Glaskugel haltend, 1650 - 55

Amor Holding a Glass Orb
カーサル・ファン・エヴァーディンゲン


「稽古の中断」では、ほとんど消えかかった絵のクピド。「ヴァージナルの前に立つ女 1673」(ロンドンナショナルギャラリー)では黒檀の額縁におさまっています。

その隣がフランスの金額縁におさまっているピーター・フローニンゲンの風景画。実はその作品の右半分を描いています。

そしてこのヴァージナルの蓋の絵。これはピーター・フローニングの風景画そのものなんですね!

ヴァージナルの前に立つ女 1673 
ロンドンナショナルギャラリー

レッスンの中断(稽古の中断) 1660-61
フリック・コレクション

眠る女(A WOMAN ASLEEP)1656-57
メトロポリタン美術館
sai が大好きな(笑)画中画が描かれている「ヴァージナルの前に立つ女」ですぅ。ここでオットー・ファン・フェーンのクピドの引用が明らかになるのですね。「1という数字はキューピッドにこそふさわしい。彼は他のすべての数字を足下に踏みしだく。恋する者はただ一人の者を愛さねばならない。」という銘文が生きるんですね。(小林頼子著 フェルメールより)

また「眠る女」は、ファン・ホーホストラーテンの「スリッパ(部屋履き)」から空間表現を利用しているということです。

記事 サミュエル・ファン・ホーホストラーテン  フェルメールの時代

Frans van Mieris

フランス・ファン・ミーリス(Frans van Mieris)
デュエット Duet 1658 椅子にご注目
シュヴェリーン国立美術館所蔵


フランス・ファン・ミーリスの「デュエット」は、わたしフェルメールより好きな作品なんですが、椅子やヴァージナル、その立ち姿など、「ヴァージナルの前に立つ女」のインスピレーションになったのではと思いきや、小林頼子さんは、「音楽の稽古(音楽のレッスン) 1662」(バッキンガム宮殿王室コレクション)に引用していました。

楽器の名家ラッカーズ・ファミリー制作のヴァージナルをご覧ください。フェルメールの「音楽のレッスン」に描かれているものとほぼ一致しています。

フェルメール(1632-1675)の時代のラッカース・ファミリーは初代の次男アンドレア・ラッカースも多く制作していますが、アンドレア・ラッカースの同じ名の息子も同時代に活躍しています。


 手紙を読む青衣の女 オランダとフリースランドの地図

Briefleserin in Blau,Holland and Friesland designed by Balthasar Florisz van Berkenrode in 1620

手紙を読む青衣の女 1662–64 アムステルダム国立美術館


「手紙を読む青い衣の女」と同じ所蔵先にある「ラヴ・レター(恋文)」(→リンク先訂正済み)では、手紙を渡されて驚いた顔の女性が描かれています。この「 手紙を読む青衣の女」とはちょっと違う表情です。

小林頼子さんの著作の一つに、「真珠の首飾り」のもともとの構図に似ているのだそうですが、私は気になるのはドレスのほう。このラヴ・レターに描かれた女性は「真珠の首飾りの女」、「手紙を書く女」、「女と召使」と同じお洋服ですよね。

その「手紙を書く女」と同じフリック・コレクションの兵士と笑う女 OFFICER AND LAUGHING GIRL」(1658)の壁にあるのが、この「手紙を読む青衣の女」の「世界地図(ヨーロッパの地図)」が描かれていて、窓は「窓辺で手紙を読む女」と同じなんですね。

そのご主人か恋人かがいまは海外にいることを示す「世界地図(ヨーロッパの地図)」なんですね。この三作を関連つけるのであれば兵士がご主人なのかなって思いました。

「手紙を読む青衣の女」では、バルタザール・フローリス・ヴァン・ベルケンロードのオランダとフリースランドの地図で、「兵士と笑う女」と一緒です。ウェストフリース博物館に同じものが所蔵されています。

「窓辺で手紙を読む女」のヒロインが妊娠したようなイメージを持つ「手紙を読む青衣の女」と楓は最初にそう思いました。どうなんでしょうか?

ウィリアム・ヤンスゾーン・ブラウ の地図
・オランダ地図 1620年刊行
兵士と笑う女」 1658 フリッツ・コレクション
手紙を読む青衣の女」 1662-65 アムステルダム美術館
・ヨーロッパ海図
地理学者」 1669年 シュテーデル美術館
「手紙を読む青衣の女」は、幾何学的透視法の痕跡がなく、フェルメール自身が構成した作品です。


 窓辺でリュートを弾く女 ヨドクス・ホンディウの地図

Woman with a Lute

リュートを調弦する女(窓辺でリュートを弾く女) 
1664 メトロポリタン美術館


そして「窓辺で手紙を読む女」は「リュートを調弦する女(窓辺でリュートを弾く女)1669年 シュテーデル美術館1664」(メトロポリタン美術館)の室内に似ている。カーテンの色こそ違えど、窓や室内の椅子、テーブルは「手紙を読む女」といっしょに見えます。

ご主人が海外に赴任している時に、一人リュートを弾いて気を紛らしているのでしょうか。「稽古の中断」のように楽器がエロスを表す場合もありますが、ここでは当時の「家庭」に浸透した音楽という風俗スタイルを表しているそうです。

「世界地図(ヨーロッパの地図)」は「手紙を読む青衣の女」といっしょ。そしてお洋服は、「ラヴ・レター(恋文)」、「手紙を書く女」などといっしょのよう。

眠る女(A WOMAN ASLEEP)」の右側にも「世界地図(ヨーロッパの地図)」かなと思われるのが、ポールの柄です。

この「窓辺でリュートを弾く女」のヨーロッパの地図がフェルメールの「地理学者」に描かれている地球儀、「天文学者」に描かれている天球儀同様にヨドクス・ホンディウの製作したものですね。

ちなみに「水差しを持つ女」の地図はH・アラルトのオランダ地図だそうです。

フェルメールはお洋服や壁にかかる絵など、同じものを別な作品にも描いていたりして、ちょっと面白いなって感じます。


 ルッカース・ファミリーの名器 ディルク・ファン・バビューレンの絵画

The Concert

合奏 1663-66 盗難中(stolen)
THE CONCERT Isabella Gardner Museum, Boston


ヴァージナルの前に座る女 1675 
ロンドンナショナルギャラリー

☆おまけ☆
A lady seated at the virginals 1670-72
↑ 「ヴァージナルの前に座る女性」 誰かの作品を模写したようなお顔立ち。サザビーズで落札されて個人所蔵となりました。記事「フェルメール これって嫌い  I hate it!」で3位でした。
この1枚目、2枚目の作品の壁にかかる絵がいっしょですね。フェルメールの家で所有していたディルク・ファン・バビューレン(1595-1624)の「取り持ち女」(1622)です。道徳的、処世的教訓なのでしょうか?娼婦と男性の取り持ち役の女衒の作品です。

右側はヤゴブ・ファン・ライスダール(ヤーコプ・ファン・ロイスダール Jacob van Ruisdael)の作品と関連付けられているようです。寓意は枯れ木が含まれていれば「死と腐敗」を意味するようです。バルドゥング・グリーン 「女の七時代のような寓意なんでしょうか。

Gerard ter Borch The Concert 1657 Louvre, Paris

ヘラルト・テル・ボルフ 「合奏」1657
ルーヴル美術館 ドレスにご注目


盗難中の「合奏」ですが、私にとってもっとも関心のある1枚です。画中画、名器、描かれた登場人物たち。「取り持ち女」とは反対に男性が一人と女性が二人。厚塗りではなく視覚化を重視した作品。

ヘラルト・テル・ボルフの「合奏」(1657)の歌っているような座る女性のドレスの女性の向きを変えると、フェルメールが描いた「合奏」でヴァージナルの前の女性に似ています。

ヘラルト・テル・ボルフの風俗画は洗練されていて、フェルメールは、「真珠の首飾りの女」、「手紙を書く女」など、ドレスも構図も取り入れたものが多いようで見比べてみると面白いですよ。

記事 ヘラルト・テル・ボルフ  Gerard ter Borch II

さて、リュートを弾いている後ろ向きの男性の服装は、このあとにご紹介する「音楽のレッスン 」(1662-64)の教師をも思い起こさせます。

Jan Miense Molenaer(C.1610-1668) A Woman playing a Virginal

ジャン・ミエンセ・モレナー(Jan Miense Molenaer) 1620
 ヴァージナルを弾く女性 A Woman playing a Virginal
Rijksmuseum, Amsterdam 


Gerrit Dou

ヘリlット・ダウ Gerrit Dou 1665
クラヴィコードを弾く婦人 Woman at the Clavichord
Dulwich Picture Gallery, London


歌を歌う女性は「手紙を読む青衣の女」のいでたちにそっくり。ハープシーコードを弾く女性は、「手紙を書く女」のリボンを結んだ髪に、「窓辺で手紙を読む女」、「音楽のレッスン 」で着ているトップスと同じ。黒のアンダーにみえるスカートの色は白です。

ヴァージナルの前に座る女」も同様にルッカース・ファミリー制作のヴァージナルですが、「合奏」とおなじようにヴィオラ・ダ・ガンバが置かれています。

そして私がもっとも興味があるのは「合奏」のハープシーコード。


 フェルメール「合奏」 ルッカース・ファミリーのハープシーコード

Vermeer's painting,Ruckers family in Antwerp.Hatchlands Park, Guildford

フェルメール「合奏」 ルッカース・ファミリーのハープシーコード
注)小林頼子さんは違うハープシーコードをご指名のようです。


現在ナショナル・トラストが管理するハッチランズ・パークにあるハープシーコード。あのアントワープのルッカース・ファミリーが制作したもの。それをフェルメールが「合奏」に描いているんですね。

わたしたちも小さい頃からピアノやヴァイオリンなど手習いしていたように、この当時も若い女性のお稽古事だったようです。

ハープシーコードやヴァージナルからピアノに変わったのがモーツァルトが成人した頃ですね。

作曲家リストが描かれた集団肖像画には、装飾されたグランドピアノが描かれていますが、わたしたちの時代にはすでに黒塗りのアップライトが一般的でしたね。

こんな豪華なピアノがあれば苦しく厳しいお稽古も楽しかったかも。

このルッカース・ファミリーの名器は、フェルメールの作品に描かれており、最後にご紹介する「音楽のレッスン」でも実際の名器もご紹介いたします。


 ハブリエル・メツーとフェルメール

Andreas Ruckers I (or Andries) (1579–1645)が父、Andreas Ruckers II (or Andries) (1607–1667)が息子です。

この名文句もアンドレア・ラッカース、あるいはラッカース・ファミリーの伝統なのかもしれませんが、この「言葉」も同じでなく、制作者や制作年数で変わっています。そこからフェルメールは言葉をコピーしてリメイクしたのでしょうね。

それが「音楽のレッスン 1662」(バッキンガム宮殿 王室コレクション)ですが、このラッカース・ファミリーのヴァージナルを1658年に描いているのがハブリエル・メツーですね。フェルメールがテーブルに置いた白い陶器の瓶はハブリエル・メツーの作品からです。

音楽のレッスン 1662
(バッキンガム宮殿 王室コレクション)

この写真画像のヴァージナルの蓋の言葉とは、ハブリエル・メツーの「ヴァージナルの前に座る男女」に描かれた蓋の言葉とも違います。

記事 ヴィオラ・ダ・ガンバを弾く女 ハブリエル・メツー Gabriël Metsu

ラッカース・ファミリーの制作したヴァージナルの蓋に「MVSICA  LABORVM DVLCE  LEVAMEN」とあります。洋書「Early keyboard instruments in European museums」にも説明が書かれていますが、「Music, sweet relief to cares」と英訳されていました。

「音楽、その甘い調べが心を癒す」というような解釈ができますね。音楽は気持ちをホッとさせる、安らぐ(安堵する)ということでしょうね。

よく日本のサイトでは「MVSICA  DVLCE LABORVM  LEVAMEN」と紹介されていますが、同じ意味で使用しているようです。

それではフェルメールはその蓋にどのような言葉を書き込んだのでしょうか?

Vermeer's painting,Ruckers family in Antwerp.Hatchlands Park, Guildford

フェルメールが描いたとされるヴァージナルらしいです。

この「音楽のレッスン 」に描かれている女性と「窓辺で手紙を読む女」のヒロインがそっくりだなって思うのはフェルメール初心者の楓だけですか?


alei と sai がフェルメールの記事をアップしてから4年経過。楓はまだフェルメールが好きではありません。唯一この記事で引用した「窓辺で手紙を読む女」だけが、いいなぁ~と思いました。

フェルメール みんなの記事リンク
XAI フェルメールはお好き?

追記 sai が面白い記事を書いたようですよ。
フェルメール 信仰の寓意 マグダラのマリア
| 名 画 (西洋画) | 00:00 | comments(2) | trackbacks(4) | pookmark |
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コメント
はじめまして。とても綺麗なブログですね。フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」の作品画像にこだわってるのが、よくわかりませんでした。30分以上同じ作品をのせているブログ、HP、フェルメール大好きサイトから見比べて、ようやく理解。

管理人、楓さんの選ばれたこの作品画像の素晴らしさ。

窓枠ですが、確かに削ってますね。こちらのフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」の素晴らしさはそれだけではないです。自分でも驚いた!カーテンも描かれた部分を削ってますね、そして上下部分です。カーテンのかかる棒の上の空間がきっちり描かれている。他の作品画像は上の部分が若干削られていたり。さらにカーテンの裾。こちらも削られたりしているのですが、実際に写真に撮っている記事をみると、こちらの作品画像と同様でした。

http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070413

しかも上下の空間はほとんどいっしょ。上からカーテンの棒、下からカーテンの裾はほとんど同じ寸法。見れば見るほど違いがわかり、中途半端な画像は掲載するべきではないような気がしてきます。なぜ嫌いだったのか、そしてなぜ好きになったのか。

本物を知っているから(作品のことではなく)、良質なものを選ぶことができたのでは。
| 窓辺で手紙を読む男 | 2011/01/23 1:04 AM |

窓辺で手紙を読む男さま、ようこそいらっしゃいました。

フェルメールはお詳しいのでしょうか?ちょっとホントにあまり詳しくないからこそ、違和感を持っただけなんですよ。

>他の作品画像は上の部分が若干削られていたり。さらにカーテンの裾。こちらも削られたりしているのですが、実際に写真に撮っている記事をみると、こちらの作品画像と同様でした。<

うれしい限りですが、頂いたコメントにギクリとし、ほかの画像、テキストリンクの画像も改めてチェックし、「ヴァージナルの前に立つ女」の窓側が切れいていたので、さっそく交換した次第です。(恥)

よく、この「窓辺で手紙を読む女」では「線遠近法の明確な分析が可能な窓枠の部分から消失点を求めた」という解説を見かけていたのですが、窓の部分が少々削られていて、下の部分もほんぼ少し、2〜3mm程度ですが、解説と作品がとっても不自然に思えたのですね。そこまで分析するほどの空間の奥行きや人物の存在感が伝わってこなかったのです。

一番関心のある作品だったので、本当にこの作品画像なんだろうかと。フェルメールと騒がれている画家の作品は、満足させていただける画像がなく、困っていました。たまたま、この作品を知っている友人がこの画像を下さって。

はじめて窓枠が太いこと、そして全体に下の部分がまだ描かれていることを知り、じっくり見て、これならと思ったのです。そうすると、彼女が頭をすこし前に下げたとしても中心からそれほどそれないでしょう?

空間の広さが気にならないのは、この窓枠です。そして女性の立っている壁は、本文でもご紹介したように、もともと「ヴァージナルの前に立つ女」に描かれているクピド(キューピッド)が、この作品に描いたにもかかわらず消しています。それなのに、逆にすっきりした印象を受けている素人で初心者の私です。

私が記事の中で「この作品はトロンプ=ルイユ効果(Trompe-l'oeil)を狙ったもの。騙し絵だそうですね。右手前のカーテンが、この作品にかける埃よけのカーテンのように描かれています。」と書きました。

カーテンの部分にX線で見るとこのクピドの絵が描かれていたらしいのですが、なんとなく作品のヒロインの頭上、もしくは開かれた窓のところに描いているのが自然かなって思ったのですね。

もしも、そのクピドがX線で証明されているのなら、その下に何か描かれていると思いませんか?椅子とか。

フェルメールは地図や絵を描いていますが、かならずその下には椅子や人物が描かれてますでしょう?

そして正直、それほど明確にトロンプロイユ(騙し絵)として表現しているように見えないんです。

なぜかというと、絵画の誇りよけカーテンって、作品の下まですっぽり隠れ、また上部はたいてい額縁が見えるからなんですね。

これは素人ならではの違和感です。それでも、この画像を頂戴して、本当にこの作品が好きになりました。
| 楓 | 2011/01/24 8:51 PM |

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