楓のLifeStyleConcierge〜ようこそ〜
Previous Posts
Previous Posts
PROFILE
LINKS
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
  • トマス・ゲインズバラ(Thomas Gainsborough)
    みーたん (06/17)
  • 秘密の正室 マントノン侯爵夫人
    ラカン (05/21)
  • 100年前のVOGUE 1909年 アーツ・アンド・クラフツ運動の表紙 1892年 ヴォーグ創刊の表紙
    寺島 惇 (04/30)
  • コールハーンのコートとブーツの巻 Cole Haan
    岩村純子 (11/16)
  • 訪問者の皆様へ
    フェルセン (10/31)
  • サン=テグジュペリの薔薇と香水
    楓 (07/03)
  • サン=テグジュペリの薔薇と香水
    tabasa (07/03)
  • ジョン・メリッシュ・ストラドヴィック 安楽の夢、安楽の歌曲
    楓 (03/14)
  • シェイクスピア「ハムレット」から 愛しのオフィーリア
    楓 (03/14)
  • ジョン・メリッシュ・ストラドヴィック 安楽の夢、安楽の歌曲
    E=MC2 (03/09)
RECENT TRACKBACK
  • アガサ・クリスティー 「無実はさいなむ」 ヨブの苦悩
    RE+nessance (07/10)
  • Dear, dear Norland マリアンの嘆き 「分別と多感」第5章 皮肉な人生
    KOBAKO (04/27)
  • ハノーヴァー朝 英国の美少女姉妹たちとオースティンの姉妹たち
    RE+nessance (04/25)
  • ジョン・ダンカン 神話と伝承の人々の行進 「愛の仮面」
    RE+nessance (03/13)
  • ディーノ・バルス イヴの原罪
    RE+nessance (02/07)
  • シェイクスピアの言葉遊び オフィーリアのヘンルーダー
    remove (12/11)
  • シェイクスピアの言葉遊び オフィーリアのヘンルーダー
    RE+nessance (12/11)
  • カミーユ・ピサロの息子 リュシアンのオフィーリア
    XAI (11/19)
  • オフィーリア  Ophelia
    Life Style Concierge Private (11/17)
  • 秋のコンサートから ポップス&シャンソン フランセーズ(フランスの歌)
    remove (10/20)
CATEGORIES
ARCHIVES
RECOMMEND
Remaining Flowers
Remaining Flowers (JUGEMレビュー »)
Daniel Ost, Jean-Pierre Gabriel, Robert DeWilde
Remaining Flowers

出版後すぐに品切れとなり、初版本に6万円のプレミアがついた伝説的な第1作目作品集と、1993年に出版された第2作目作品集の中から抜粋された復刻版作品集。
RECOMMEND
Leafing Through Flowers
Leafing Through Flowers (JUGEMレビュー »)
Daniel Ost
世界一美しい本


英国のドンサイド展で「世界一美しい本」部門で銀賞を受賞したダニエル・オストの第3作目作品集です。
RECOMMEND
インスタレーション
インスタレーション (JUGEMレビュー »)
松尾 太一。
インスタレーション


「花は、あくまでも主役を引き立たせるだけの添え物で、目立ちすぎてはいけないが、添え物として最も素敵なもの」
RECOMMEND
RECOMMEND
Monet in the 20th Century
Monet in the 20th Century (JUGEMレビュー »)
Claude Monet, Mary Anne Stevens, George T. M. Shackelford, Royal Academy of Arts (Great Britain), Michael Leja, Boston Museum of Fine Arts
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
The Jewels of Lalique
The Jewels of Lalique (JUGEMレビュー »)
Rene Lalique, Sigrid Barten, Yvonne Brunhammer, Cooper-Hewitt Museum, Smithsonian Institution, Dallas Museum of Art
RECOMMEND
RECOMMEND
The Floral Art of Pierre-Joseph Redoute
The Floral Art of Pierre-Joseph Redoute (JUGEMレビュー »)
Marianne Roland Michel, Peter C. Sutton, Carolyn Rose Rebbert, Cynthia A. Drayton
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
The Devil's Dictionary
The Devil's Dictionary (JUGEMレビュー »)
Ambrose Bierce, Ralph Steadman
MOBILE
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM
SPONSORED LINKS

09
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--
日々の生活美

Life Style Concierge

<< 薔薇 カンパネラ パガニーニのラ・カンパネラ リストのラ・カンパネラ | main | 映画 アメリ Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain 音楽のヤン・ティルセン >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
ヴィヴァルディ 四季  ヴァイオリン協奏曲集「和声と創意への試み」とソネット

grand manner-1732

ピエトロ・ロンギ(Pietro Longhi) Grand manner-1732
The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster


この作品は、今日ご紹介するアントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Lucio Vivaldi, 1678-1741)の「四季」を演奏するイ・ムジチ合奏団(I Musici)のCDからアントン・ヴァン・ミュンスター(Anton van Munster)のフィルムに映っていた絵画作品です。

ヴィヴァルディと同じヴェネツィア(Venezia)に生まれた画家、ピエトロ・ロンギ(Pietro Longhi,1702-1785)の作品です。ピエトロ・ロンギ(Pietro Longhi)の「合奏」(concert,1741)は、ヴィヴァルディが亡くなった年の作品で、この作品がヴィヴァルディを描いている、あるいはヴィヴァルディの音楽を演奏していると言われています。

作品画像はこちら
記事 ピエトロ・ロンギ Pietro Longhi

この時代のヴェネツィアの中流階級を描いたピエトロ・ロンギの作品には、ヴェネチアのカーニバルでの見世物小屋の象、仮面舞踏会にいく男女、賭博場をはじめ、ヴェネチアの当時の風俗画も多くあります。

ということは、ヴィヴァルディが作曲していた時代のヴェネチアの姿が見えてくるのですね。

この時代の英国では、ゲインズバラレノルズ、そしてフランスはフランソワ・ブーシェナティエが活躍し、ヨーロッパの音楽は後期バロック(1700年頃〜1750年頃)で、イタリアのヴィヴァルディ、フランスのラモー(1683 - 1764)、イギリスで活躍したドイツ生まれのヘンデル、ドイツのバッハの時代です。



La Primavera
ボッティチェッリ Sandro Botticelli


ヴィヴァルディは楓にとってクラシックが一層身近になった音楽です。

記事最後にとっておきの動画、春から冬までを連続して聞かせてくれるイ・ムジチ合奏団を用意いたしました。

途中、さまざまな楽団の動画も用意しています。

私は小学校の頃(40年くらい前?)に、合奏部に所属していました。当時は合奏に相応しいヴァイオリンやチェロなどの楽器は揃わず、合奏部では弦楽器の代わりにアコーディオンを使用していました。

ピアノを習っていた私でしたが、ピアノはひとつ上のとても上手な方がいて、私はアコーディオンのアルトを担当することになりました。

そして合奏部に入って半年後にアンサンブルコンサート。私は小学3年生。アンサンブルの意味もわからず、学校で夏休みに合宿に参加。



The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster


たしか8人(5人?)が選抜されて、アンサンブルコンサートに参加したのです。指揮者がいない演奏は、ピアノを弾く先輩の顔が下がる瞬間です。そうして器楽アンサンブルコンサートで、私たちはブルーリボン賞を受賞することができました。

その曲がヴィヴァルディの四季より「春」(ラ・プリマベーラ)だったのです。
Antonio Vivaldi La Primavera Four Seasons

この弾き方も好きです。

合奏部の所属の経験は、楽器を弾く能力よりも、音楽を聴く能力は授けてもらったようです。

それでは主題に入ります。

この「四季」はボヘミア貴族のモルツィン伯爵ヴェンツェスラウ(Conte Morzin)に献呈したのが1725年のことです。



The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster


このモルツィン伯爵家にのちに仕えるのが、ハイドンですね。1761年のことです。

イタリアのヴェネツィアに生まれ、オーストリアのウィーンで亡くなったアントニオ・ヴィヴァルディ。

今回の画像はイ・ムジチ合奏団のCDからアントン・ヴァン・ミュンスターのフィルムに映るアントニオ・ヴィヴァルディの縁のヴェネチアの名所、文化遺産、コッレール博物館、美術館所蔵と思われる絵画作品、絵画を修復する絵画修復士、ヴェネチアに暮らす人々が映し出されています。

イタリアの古楽アンサンブル イル・ジャルディーノ・アルモニコ( Il Giardino Armonico)の演奏です。

Il Giardino Armonico - Vivaldi - Four Seasons - Spring

イル・ジャルディーノ・アルモニコ( Il Giardino Armonico)の演奏のバロック音楽は下記の記事からたくさん聴けます。とっても素晴らしい!

記事 バロック期の撥弦楽器 リュートの種類とその音楽

1 Primavera
1.1 Sonetto
1.1.1 Allegro(アレグロ)
1.1.2 Largo(ラルゴ)
1.1.3 Allegro(アレグロ)



The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster


夏です。

イタリアの古楽アンサンブル イル・ジャルディーノ・アルモニコ( Il Giardino Armonico)の演奏です。

Il Giardino Armonico - Vivaldi - Four Seasons - Summer

2 Estate
2.1 Sonetto
2.1.1 Allegro non molto - Allegro(アレグロ・ノン・モルト−アレグロ)
2.1.2 Adagio e piano - Presto e forte(アレグロ・プレスト・アダージョ)
2.1.3 Presto(プレスト 夏の嵐)

マリ・シリェ・サミュエルセン(Mari Silje Samuelsen)のソロ。
Antonio Vivaldi - "Summer" from four seasons



The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster
中庭のイ・ムジチの演奏を聴くアパルトメントの住人


秋です。

3 Autunno
3.1 Sonetto
3.1.1 Allegro (アレグロ 小作農の踊りと歌)
3.1.2 Adagio molto(アダージョ・モルト 酩酊者たちの眠り)
3.1.3 Allegroアレグロ(狩り)



The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster

イル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏です。

Il Giardino Armonico - Vivaldi - Four Seasons - Autumn

さて、次にご紹介するのがイ・ムジチ合奏団(I Musici)の演奏の舞台裏です。ところが!

I Musici backstage 1988


I Musici backstage 1988
Vivaldi - Four Seasons (Autumn excerpt)

ワンちゃんが、ワンワンと猫さんに吠えて、演奏は一時中止。ワンちゃんは元気よく広場をかけまわります。みんな大笑い。続いて、突然「ハッピ バースディー トゥー ユー」の曲を弾き出す音楽家たち。



なんと撮影しているAnton van Munster さんのお誕生日?


ビデオの最後にお祝いされたアントン・ヴァン・ミュンスターさんの映像が流れ、1934-2009となっていました・・・。



ヴェネチアは仮装舞踏会の発祥の地。ピエトロ・ロンギの作品を思い出しますね。ヴェネチアの冬は2月のカーニバル(謝肉祭)が有名で、仮装した人々が集まります。


冬です。

Il Giardino Armonico - Vivaldi - Four Seasons - Winter
イタリアの古楽アンサンブル イル・ジャルディーノ・アルモニコ( Il Giardino Armonico)の演奏です。ほんとに音色が美しいですぅ。感激。

4 Inverno
4.1 Sonetto
4.1.1 Allegro(アレグロ・ノン・モルト)
4.1.2 Largo(ラルゴ)
4.1.3 Allegro(アレグロ)



イ・ムジチ合奏団(I Musici)の演奏です。

Vivaldi - Four Seasons (Winter)

この「四季」(Le quattro stagioni)は第12番まであります。

5 Media
6 Altri progetti
7 Collegamenti esterni

協奏曲第5番 変ホ長調 RV.253「海の嵐」
協奏曲第6番 ハ長調 RV.180「喜び」
協奏曲第7番 ニ短調 RV.242
協奏曲第8番 ト短調 RV.332
協奏曲第9番 ニ短調 RV.454
協奏曲第10番 変ロ長調 RV.362「狩り」
協奏曲第11番 ニ長調 RV.210
協奏曲第12番 ハ長調 RV.449

今回は指揮者を置かないアンサンブル演奏から、楓の個人的な価値観で選びました。

I Musici backstage 1988

イ・ムジチ合奏団( I Musici) 1988
film by Anton van Munster


それでは、アントン・ヴァン・ミュンスターさん(Anton van Munster)の撮影したフィルム、1988年 イ・ムジチ合奏団( I Musici) のヴィヴァルディの四季(The Four Seasons by Vivaldi)をフルでお聴きください。

Vivaldi, Le Quattro Stagioni / The Four Seasons ( I Musici) a film by Anton van Munster

なんて美しい映像を残してくれたのでしょう。

最後に各章についているSonetto(ソネット)をご紹介いたしましょう。wikiや他のブログで紹介されているソネットの翻訳とはちょっと違います。

ヴィヴァルディの四季は1725年に、ボヘミア貴族のモルツィン伯爵ヴェンツェスラウ(Conte Morzin)に献呈されています。

ルイ15世もこのヴィヴァルディの四季「春」を、宮廷で演奏させています。

ヴィヴァルディ自身なのか、他の詩人なのかわかりませんが、春の第一楽章のソネットに、「La Salutan 」とあります。当時のボヘミア(Bohemia)の君主は、あのハプスブルク家(オーストリア)のマリア・テレジア(Maria Theresia)の父、カール6世(Karl VI)です。

1 Primavera
1.1 Sonetto
1.1.1 Allegro(アレグロ)

saiとaleiの訳
Giunt' è la Primavera e festosetti 
春の訪れに
La Salutan gl' Augei con lieto canto, 
皇帝を迎える祝福の歌を歌う
E i fonti allo Spirar de' Zeffiretti 
西風ゼピュロスは泉に息吹を与え
Con dolce mormorio Scorrono intanto: 
穏やかに波立つ
Vengon' coprendo l'aer di nero amanto 
空が黒い雲で隠れると
E Lampi, e tuoni ad annuntiarla eletti 
慶兆の春雷が光り鳴り響く
Indi tacendo questi, gl' Augelletti; 
鳴り過ぐれば 小鳥たちは
Tornan' di nuovo al lor canoro incanto 
再び新しい音色を歌いだす

La Salutan (スルタン 皇帝)は、オスマン帝国(トルコ)の伝統的権威を象徴する君主の称号で、聖典コーランで「神に由来する権威」を意味し、当時のヨーロッパは絶対王政でしたので、スルタンに例えた風潮が流行します。

たとえば、フランスはルイ14世、ルイ15世とポンパドゥール夫人、英国は、ジョージ1世(George I)、ジョージ2世(George 供法▲好撻ぅ鵑フェリペ4世(Felipe IV)以降にスペイン・ハプスブルグ家が断絶しルイ14世の孫フェリペ5世(Felipe V)が継承するなどの絶対王政が終焉を迎える前の時代。

このスルタンは、ヴィヴァルディが献呈したボヘミア貴族のモルツィン伯爵ヴェンツェスラウ(Conte Morzin)を例えているのでしょうか。それとも当時のボヘミアを統治していたオーストリアのハプスブルグ家のカール5世なのでしょうか。

このように考えると、この「四季」は、ヴィヴァルディの生誕したイタリアのヴェネツィアの四季ではなく、ボヘミアの四季を歌っていることが、このソネットから考えられるようになりますよね。

そう考えると、ドイツでも春告鳥といわれている「クロウタドリ(黒歌鳥)」が、このボヘミアの四季に登場する小鳥と思われます。

よく紹介されているこの春のソネットの最初の一行、二行では小鳥が歌うとされていますが、小鳥(Augelletti)は使われていませんね。小鳥(Augelletti)は、七行目で登場していますよね。

意訳とするなら、私は「春の訪れに、皇帝に祝福を歌うクロウタドリ」としたいところです。

ボヘミアは現在のチェコ。東は同じくチェコ領であるモラヴィアです。

1620年には白山の戦いでハプスブルク軍相手にたった半日で敗北した結果、チェコのスラヴ人貴族は完全に根絶され、ドイツ人貴族のみとなりました。この戦いをミュシャが絵画作品に残しています。

記事 ミュシャ スラヴ叙事詩

ヴィヴァルディの時代は、1648年にヴェストファーレン条約が締結され、ハプスブルク家(オーストリア)の統治が確立していた時代。(ヴェストファーレン条約のミュンスター条約締結の図を、フェルメールと同時代の画家、ヘラルト・テル・ボルフが描いています。)

のちにヴィヴァルディはハプスブルク家(オーストリア)の支配するウィーンへ行くことになります。



西風ゼピュロス  Zephyros


このソネットの形式はイタリア風ソネット(Italian sonnet)です。前半部は八行連(2つの四行連)で問いを提起、続く後半部は六行連(2つの三行連)で答えを与えています。

saiとaleiの訳

1 Primavera 春
1.1 Sonetto  ソネット
1.1.1 Allegro(アレグロ)

Giunt' è la Primavera e festosetti 
春の訪れに
La Salutan gl' Augei con lieto canto, 
皇帝を迎える祝福の歌を歌う
E i fonti allo Spirar de' Zeffiretti 
西風ゼピュロスは泉に息吹を与え
Con dolce mormorio Scorrono intanto: 
穏やかに波立つ
Vengon' coprendo l'aer di nero amanto 
空が黒い雲で隠れると
E Lampi, e tuoni ad annuntiarla eletti 
慶兆の春雷が光り鳴り響く
Indi tacendo questi, gl' Augelletti; 
鳴り過ぐれば 小鳥たちは
Tornan' di nuovo al lor canoro incanto 
再び新しい音色を歌いだす

1.1.2 Largo(ラルゴ)

E quindi sul fiorito ameno prato
花が途切れることなく続く心地よい牧草地
Al caro mormorio di fronde e piante
草花のそよぐ愛しい音が聞こえてくる
Dorme 'l Caprar col fido can' à lato
愛犬の傍らで眠るカプラーラ

1.1.3 Allegro(アレグロ)

Di pastoral Zampogna al suon festante
羊飼いの吹くザンポーニャは歓喜に溢れた音を奏でる
Danzan Ninfe e Pastor nel tetto amato
妖精と牧師が踊るのを屋根から親愛なる家族たちが眺める
Di primavera all' apparir brillante
輝くばかりの春の訪れの景色がそこにある

Eos  Evelyn de Morgan

暖気と雨を運んでくる東風エウロス 1895
イーヴリン・ド・モーガン  コロンビア美術館
 Euros(Eos)  Evelyn de Morgan


2 Estate 夏
2.1 Sonetto ソネット
2.1.1 Allegro non molto - Allegro(アレグロ・ノン・モルト−アレグロ)

Sotto dura Staggion dal Sole accesa(a)
灼熱の太陽が近づくと、季節は厳しくなる
Langue l'uom, langue 'l gregge, ed arde il Pino;(b)
人々も羊の群れも 松の実まで焼けるように熱い
Scioglie il Cucco la Voce, e tosto intesa(a)
いっそう焦がれるようにかっこうが啼きだすと
Canta la Tortorella e 'l gardelino.(b)
山鳩とごしきひわが歌いだす
Zèfiro dolce Spira, ma contesa(a)
西のそよ風は甘く渦巻けば、競うように
Muove Bòrea improviso al Suo vicino;(b)
北風は即興演奏で隣人を襲う
E piange il Pastorel, perché sospesa(a)
突然に断ち切られたのどかさに、牧童は叫ぶ
Teme fiera borasca, e 'l suo destino;(b)
その運命をなだめるまで、苛む不安

2.1.2 Adagio e piano - Presto e forte(アレグロ・プレスト・アダージョ)

Toglie alle membra  lasse il Suo riposo(b)
つかの間の休息はひと時も休まらず
Il timore de' Lampi, e tuoni fieri(C)
稲妻に恐れ、雷鳴に驚き
E de mosche e moscon lo Stuol furioso(b)
蠅や羽虫の群れの激しい羽音

2.1.3 Presto(プレスト 夏の嵐)

Ah, che purtroppo i suoi timor Son veri!(C)
ああ、残念だ。恐れたことが起こってしまった。
Tuona e fulmina il Ciel e grandinoso:(b)
稲光と激しい雷鳴に空から雹
Tronca il capo alle Spiche ed a' grani alteri(C)
切り捨てられた麦の穂、打ち倒された穀物

春と夏のソネットは、音楽用語、イタリアの地名と掛詞になるように仕組まれている気がしますね。そしてpastoral(羊飼い)からPastor(牧師)、Pastorel(牧童)と言葉遊びのように訳してくれました。

そもそも押韻構成も見事で、たとえば「夏」では、八行連はキレイに「a-b-a-b, a-b-a-b」です。そして2.1.2 Adagio e piano - Presto e forte(アレグロ・プレスト・アダージョ)ではo(b)−i(c)−o(b)で、2.1.3 Presto(プレスト 夏の嵐)ではi(c)−o(b)−i(c)としてるんですね。

春と夏のソネットは、イタリア風ソネット(Italian sonnet)の形式とわかるのですが、後半の秋と冬の形式は全く違います。もしかすると別々な人物がそれぞれ書いたものなのかもしれませんね。

しかも秋は二つの四行連とひとつの六行連。冬は四行連、二行連、八行連がひとつづつ。ところが音韻構成では、イタリア風ソネット(Italian sonnet)の形式とわかりました。

Allegory against the abuse of wine

Sandro Botticelli
「豊穣の擬人像」(果実酒の寓話)
Allegory against the abuse of wine


楓の訳

3 Autunno 秋
3.1 Sonetto ソネット
3.1.1 Allegro (アレグロ 小作農の踊りと歌)

Celebra il Vilanel con balli e Canti
踊りと歌で豊作を祝う宴
Del felice raccolto il bel piacere
幸運の賜物、それは収穫、その喜びはひとしお美しく
E del liquor  de Bacco accesi tanti
バッコスの神酒を注ぎあい
Finiscono col Sonno il lor godere
眠りのなかでようやく宴を終えた

3.1.2 Adagio molto(アダージョ・モルト 酩酊者たちの眠り)

Fa' ch' ogn' uno tralasci e balli e canti
歌と踊りが終わる頃
L'aria che temperata dà piacere,
穏やかな喜びに包まれて
E la Stagion ch' invita tanti e tanti
季節に誘われ、我も我もと
D' un dolcissimo Sonno al bel godere.
甘い眠りを楽しむ人々

3.1.3 Allegroアレグロ(狩り)

I cacciator alla nov'alba a caccia
夜明けに狩人たちが狩りに行く
Con corni, Schioppi, e cani escono fuore
角笛、スキオッピ銃、そして猟犬を連れて
Fugge la belva, e Seguono la traccia;
逃げる獣、追う狩人
Già Sbigottita, e lassa al gran rumore
圧倒する狩人の 偉大な轟音に 唖然とする獣たち
De' Schioppi e cani, ferita minaccia
狩人のスキオッピと猟犬に、脅威の傷を負わせられ
Languida di fuggir, ma oppressa muore.
力尽き果て、息絶えた



北風ボレアス イーヴリン・ド・モーガン
Evelyn de Morgan, Boreas and Orietyia


saiとaleiの訳

4 Inverno 冬
4.1 Sonetto ソネット
4.1.1 Allegro(アレグロ・ノン・モルト)

Agghiacciato tremar tra nevi algenti
きらめく雪の中を激しく震える
Al Severo Spirar d' orrido Vento,
忌まわしい死の風
Correr battendo i piedi ogni momento;
足踏みしながら行進する
E pel Soverchio gel batter i denti;
あまりの寒さに歯が音を立てる

4.1.2 Largo(ラルゴ)

Passar al foco i dì quieti e contenti
暖炉の前で、幸せの時を静かに過ごす
Mentre la pioggia fuor bagna ben cento
外は急流のように しきりに雨が降る

4.1.3 Allegro(アレグロ)

Caminar Sopra il ghiaccio, e a passo lento
氷の上をゆっくりと歩かなければならない
Per timor di cader girsene intenti;
転ばぬように注意を払う
Gir forte Sdruzziolar, cader a terra
勇敢に歩いてみると転んでしまう
Di nuovo ir Sopra 'l giaccio e correr forte
再び氷の上を勢いよく駆ける
Sin ch' il giaccio si rompe, e si disserra;
また転び氷が割れた
Sentir uscir dalle ferrate porte
鉄の鋲を打ち付けた扉を開けると
Scirocco, Borea, e tutti i Venti in guerra
シロッコと北風ボレアス、そしてすべての風が闘っている
Quest' é 'l verno, ma tal, che gioja apporte
これこそが冬。冬には冬の楽しみがある。

1740年10月のこと、皇帝カール6世が亡くなりました。マリー・アントワネットの母となるマリア・テレジアが継承するのですが、次のカーニヴァルまで喪に服さなければならず、ウィーンのすべての劇場が閉鎖されました。

ヴィヴァルディはたいへんな富を与えられ、名声も多くの国にまで及び、王侯貴族たちと交流がありました。

ところが、このウィーンではお金を持っていなかったという逸話があり、ここで亡くなるのですが、身元引受人がいなかったため、葬儀も墓地も埋葬も簡素に行われてしまいました。

「ヴァイオリンの名手で、赤毛の僧侶と呼ばれていたアントニオ・ヴィヴァルディは浪費で貧困のうちにウィーンで没した」

あるヴェネツィア人の書いた回顧録の中にあったヴィヴァルディの最後。バッハやモーツアルトのように貧困のうちに亡くなったとされているヴィヴァルディです。

でも、1741年にコッラット伯爵トンマーゾ・ヴィンシグエラ(Collalto, Vinciguerra Tommaso)というオーストリアの貴族がヴィヴァルディの協奏曲を買い取っているというのです。

そうすると、なんだかひっそりと亡くならなければならない別な理由があったのでしょうか。


バレエ ヴィヴァルディ 四季


ヴィヴァルディの四季をバレエはヒューストン・バレエ(Houston Ballet)があります。



ヒューストン・バレエ(Houston Ballet)
Stanton Welch's The Four Seasons


スタントン・ウェルチの振り付けの「四季」です。春の一場面。短い動画ですが、二場面があります。ご覧ください。

Stanton Welch's The Four Seasons
Stanton Welch's The Four Seasons

そしてカナダ・ナショナル・バレエ(National Ballet of Canada)の「四季」です。

こちらは「夏」の動画がありました。ジェームス・クデルカ(James Kudelka)の振り付けです。

James Kuldelka's "Summer" from Vivaldi's Four Seasons

もっと美しい画像で観賞したいものですね。

バッハはヴィヴァルディの協奏曲を10曲、編曲していますが、バレエでもバッハのヴァイオリン協奏曲を「四季の中 秋:落ち葉の歌」を東京シティ・バレエ団で上演しています。ソ・ユンソクの振り付けです。

ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 BWV1041 はwikiによるとヴィヴァルディが確立した協奏曲の原理「急・緩・急」に基づいているそうです。

また、フレッシュ名曲コンサート オーケストラ with バレエ2011では、東京シティ・バレエ団と東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の演奏で、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「四季」が上演されます。

バッハとヴィヴァルディ、そしてバレエ、面白い組み合わせですね。

バッハに関しては下記記事からどうぞ。
sai 記事 バッハ 「心と口と行いと生活で」
alei 記事 パッヘルベルのカノン (バッハのカノン、フーガ)

| Music&Composer | 21:14 | comments(8) | trackbacks(2) | pookmark |
スポンサーサイト
| - | 21:14 | - | - | pookmark |
コメント
楓さん、本当にバレエに詳しいですね。そしてヴィヴァルディの「春」を小学生の合奏部で弾いていたなんて!ソネットのスルタンにこだわったのですか?saiさんとaleiさんの訳になってますけど?誰のこだわりなんだろうと。(^○^)

イ・ムジチ合奏団( I Musici) の動画素晴らしいです。そしてその舞台裏の動画もです。イ・ムジチの大ファンです。(^_-)-☆
| mari | 2011/06/02 9:34 PM |

自分で書いた記事忘れていた。ピエトロ・ロンギのヴィヴァルディ。時間のあるときにでも再編集してみます。また、イ・ムジチ合奏団( I Musici) の動画は、古き時代のヴェネツィアと現代のヴェネツィアを交差させていますが、水没したサン・マルコ広場の絵画などもありましたね。対岸にあるサン・ジョルジュ・マッジョーレ聖堂の鐘楼(たぶんそうじゃないかと、違ったらごめん)が、四季の音楽が変わる合図。その聖堂を背にして演奏するイ・ムジチが、ヴィヴァルディの生涯を連想させてくれるようです。
| sai | 2011/06/02 9:51 PM |

Teatro Asioli di Correggio 2005の動画、かっこいい弾きかた。ちょっとモダンに聴こえるね。

イ・ムジチの動画のサン・マルコ広場といえば、僕も楓もギュスターヴ・モローの記事で使用した作品画像の「ヴェネツィア」を忘れているだろ?獅子に羽が生えているが、水の都ベニスを題材にした作品であるぞよ。

僕の記事 http://remove.jugem.jp/?eid=161

君の記事 http://lohasstyle.jugem.jp/?eid=218

サン・マルコ小広場の有翼の獅子像は、聖人マルコのシンボルだ。四季のソネットには、こうしたヴェネツィアの四季が書かれてないね。特に冬の時期(春先まで)はサン・マルコ水没が多くなる。だとすると、ボヘミア?羊飼いといえばヴェネツィアよりボヘミアだし。シロッコが南風で、南イタリアに多い。ヴェネツィアは北イタリアではなかったか。
| alei | 2011/06/02 10:29 PM |

楓さま、こんばんは。

お仕事いかがですか。がんばって、負けちゃだめですよ!でも無理もだめですよ!

今日は皆様のコメントがたくさんなので、私はさっくり、と。。皆様にお勉強させていただきながら。
それにしても、今回、楓さまが紹介してくださったジャンルは私にはやや苦手でした。
でも、これが、あのブーシェやゲインズバラが活躍した時代の音なんですね。

私が好きなベートーベンは一つはシンフォニー9番の出だしのあたりと、あとバイオリン4重奏の4番だと思うんですけど、ユーチューブで探しきれませんでした。
で、仕方なく、なぜかZガンダムの曲を聴いて感動してました(笑)
わたし、ファーストガンダム世代なんです。
| ふくちゃん | 2011/06/04 3:40 AM |

aleiへ

記事のフォローありがとう!嬉しい!コメント嫌いなaleiからだから、なおさらです。

海外の地利に疎いので、北も南もわかりませんが、シロッコは南風で、神話でいうと南風ノトスですね。

サン・マルコ小広場の有翼の獅子像は、たしかにギュスターヴ・モローの作品「ヴェネツィア」でしたね!作品画像を譲ってもらったのに、忘れてました。

たしかに、ヴィヴァルディがソネットを書いたとしたら、そうした特徴のある四季を書き込んだかもしれませんし、あるいは万国共通の四季のソネットだったのかもしれませんが。

そういえば、aleiが別ブログで、「クロウタドリ」の記事を書いていましたね。あとで探してリンクしておきます。
| 楓 | 2011/06/05 5:31 PM |

ふくちゃん、こんばんわ。

>紹介してくださったジャンルは私にはやや苦手でした

苦手があるということは、得意分野があるということですものね!

この機会にぜひ、ヴィヴァルディの時代の歴史や当時のヴェネツィアの芸術などを探求されてみてくださいな。

古楽器の音色と現代楽器の音色の違いも見逃せませんよ。

画家ピエトロ・ロンギが描いた仮面の婦人達は、現代のカーニバル(謝肉祭)のお手本のようですね。
| 楓 | 2011/06/05 5:32 PM |

saiへ

イ・ムジチの動画をゆっくり観てくれたようで、紹介した甲斐がありました!裏版も見てくれましたか?

>対岸にあるサン・ジョルジュ・マッジョーレ聖堂の鐘楼(たぶんそうじゃないかと、違ったらごめん)<

あの鐘がなるたびに、次の楽曲へと移るのが素敵でした。あの鐘を鳴らす番人は誰がモデルなんでしょう。

ピエトロ・ロンギのヴィヴァルディですが、合奏というタイトルでしたね。いまさらながらピエトロ・ロンギに、とっても興味がわきました。

音楽でヴィヴァルディが四季を、絵画ではピエトロ・ロンギが四季を描いているようです。仮面舞踏会や春の目覚めのような作品もありました。またゆっくり作品を探してみたいと思いました。
| 楓 | 2011/06/05 5:38 PM |

mariちゃんへ

>ソネットのスルタンにこだわったのですか?saiさんとaleiさんの訳になってますけど?誰のこだわりなんだろうと。

スルタンって、普通に皇帝とかですよね。でも全然、そのスルタンが訳されていないので、aleiとsaiにお願いしたんです。(笑)

なんとなく、献呈した人への賞賛も書かれていたりするものだとしたら、スルタンは訳から除外してはいけないかなって。

ヴィヴァルディのソネットを訳している他の記事をいくつも拝見したのですが、スルタンが省略されて小鳥になっているんです。なぜなんだろうって。

aleiとsaiは、私が満足するように、うまく訳してくれました。

外国語が苦手な私は、秋だけなんですぅ!
| 楓 | 2011/06/05 5:45 PM |

コメントする









この記事のトラックバックURL
http://lohasstyle.jugem.jp/trackback/281
トラックバック
パッヘルベルのカノン (Canon in D) とジーグ(Gigue in D)、シャコンヌ、コラール、フーガほか
ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel 1653-)の「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」(Kanon und Gigue in D-Dur f&uuml;r drei Violinen und Basso Continuo)は誰でも知っている曲だ。Pachelbel's Canon オリジナルの3つのヴァイオリ
| remove | 2011/06/02 9:19 PM |
バッハ 「心と口と行いと生活で」
alei が、パッヘルベルのカノンほかの記事をアップしたなかで、パッヘルベルのあとの世代のバッハのカノンやフーガも紹介していた。(ひとつリンクはずれてんだけど)ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach)では、ゴルトベルク変奏曲(BWV988)をもっと
| RE+nessance | 2011/06/02 9:25 PM |