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アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 ツルゲーネフの初恋

学生の頃、ツルゲーネフの初恋を読まなきゃと思って読んだら、なんだか気味の悪い物語だという印象を受けました。

FIRST LOVE I. Turgenev, The Folio Society illustrations by Anna and Elena Balbusso

アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 
ツルゲーネフの初恋 ジナイーダ


ジナイーダは自分を屈服させるほどの男性を求めます。つまり彼女に恋する男性たちは、彼女を征服するに及ばない「お馬鹿な男たち」と見下しているので、ジナイーダ崇拝の男性たちと集いながら翻弄することを楽しむ女性。

元祖女王さま。

FIRST LOVE by I. Turgenev, The Folio Society illustrations by Anna and Elena Balbusso

アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 
ツルゲーネフの初恋 ジナイーダ


ジナイーダの魅力は「毒」です。狡猾にして無心、冷淡にしてナイーブ、悪意と無邪気、大人にして少女。

16歳のウラジーミルは、隣家の21歳のジナイーダに恋をします。

FIRST LOVE by I. Turgenev, The Folio Society illustrations by Anna and Elena Balbusso

アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 
ツルゲーネフの初恋 ジナイーダとウラジーミル


そんなジナイーダ女王さまの様子がおかしい。恋をしているみたいだとウラジーミルはこっそり様子を伺います。もうストーカーっぽい・・・。

そこで見たジナイーダの恋の相手はウラジーミルの父親でした。優美で流暢なフランス語で会話もする経験豊かな男性です。

 FIRST LOVE by I. Turgenev, The Folio Society,illustrations by Anna and Elena Balbusso

アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 
ツルゲーネフの初恋 ジナイーダとウラジーミル


ウラジーミルはモスクワを離れることになります。父とジナイーダの噂が広まったため。別れを告げる父に彼女は腕を差し伸べますが、その手を鞭で打たれると無言で去るジナイーダ。

この少年ウラジーミルは、40歳でこの初恋を回想するのですが、彼にとってこの「初恋」が青春の象徴そのものだとしたら、なんとも貧しい人生を送ったものです。20歳の回想ならまだ理解できるんですけど。



 FIRST LOVE by I. Turgenev, The Folio Society,40歳までにも輝かしい時期を自分でつくることができなかった感傷的な人間の物語。

ツルゲーネフの半自伝的小説ですが、趣味が悪い。そんな趣味の悪い恋を、アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵本はちょっと読みたくなってしまいます。

猫を撫でるジナイーダ。なんとなくバルテュスを思い出しました。



アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵
記事 アンナ&エレナ・バルブッソの挿絵 オフィーリアの死
記事 トリスタンとイゾルデ 挿絵 アンナ&エレナ・バルブッソ
記事 ノーサンガー僧院 ヴェラ・ナザリアンのコラボ本とアンナ&エレナ・バルブッソの挿絵本

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