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ガラテア
ガラテア Galatea (Moreau, 1878 - 80)ガラテアというと、皆さんは、妖精ガラテアを思い出すでしょうか。それとも、戯曲や映画、小説にもえがかれているピグマリオンのガラテアですか?

オルセー美術館展にちなんで、最初は海の妖精 ガラテアから。

ガラテアには乳白の女神という意があります。

巨人ポリュフェモスは、アフロディテの美しさに比類する、乳白の女神 ガラテアに恋をします。

ガラテアは、自分の白い肌と、その美しさを十分知っていました。彼女に恋焦がれない男性がいないことも承知しています。

ガラテアは、つぎつぎと蔑み、あしらっていくのです。ただ一人、ガラテアの心を射止めた羊飼いのアキス(アーキス)には、優しく振る舞います。

Galatea (Moreau, 1878 - 80)、Galatea (Moreau, c. 1893)、Galatea (Moreau, c. 1896)

ギュスターブ・モロー 「ガラテア」 クリックすると、3枚の全体像に変わります。
左:1878-80年(最初の画像の部分)中央:1896年(部分) 左:1893年(部分)

醜悪な三つ目の巨人ポリュフェモスは、ガラテアに蔑まされても、彼女を慕う気持ちを葦笛で奏でます。来る日も来る日も、海に向かって。それを、その岩場の陰から、ガラテアとアーキスは、ガラテアに恋するポリュフェモスが、滑稽で、愉快で、葦笛を聞きながら、愛を語ります。

ある日、ポリュフェモスは、抱擁している二人をみて、襲い掛かります。海の妖精ガラテアは、アキスを一人残して海に逃げますが、アキスは人間。ポリュフェモスの投じた巨岩の下から流れ出る血。ガラテアは、その血でアキスを川に変身させたのです。

Galatea (Raphael- 1512-14Rome)これは、古代ローマの天成の詩人オウィディウス・ナーソの「変身物語(転身物語)」第13巻「アキスとガラテアの恋物語」。ギュスターブ・モローは、これを題材にして描きました。巨人ポリュフェモスは、ホメロスのオデュッセイアにも登場していますね。また、ヘレニズム時代のテオクリトスのギリシア牧歌集(エイデュリオン)にも、あるそうです。

この作品は、ラファエロのフラスコ画「ガラテアの勝利」です。ポリュフェモスは、三連画のようで、左側に描かれています。ラファエロと同じ構図のジャン・バティスト ヴァン・ローの「ガルテア凱旋」では、ポリュフェモスが、樹木の上で、葦笛を吹いています。
  作品:フラスコ画「ガラテアの勝利」
  ラファエロ・サンティ ローマ、ファルネジーナ荘 Farnesina 

「The Triumph of Galatea」Jean Baptiste van Loo

ジャン・バティスト ヴァン・ロー(1684-1745)
ガルテア凱旋

どうですか。3人3様のガラテア。ジャン・バティスト ヴァン・ローは、フランスの画家ですが、ヴァトーやブーシェのように、優雅なタッチで描いていますね。晩年がロココ時代ですが、肖像画を多く描いているようです。ポリュフェモスは右の樹木の上。

左:Eustache Le Sueur ( 1616 - 1655 )中央:Acis and Galatea 右:Polyphemus ローマ、ファルネジーナ荘 Farnesina

左:ウスタッシュ・ル・シュウール ガラテアの凱旋/中央:1788年に編曲されていますが、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの仮面劇「アキスとガラテア」があります。 1732年にオペラ上演されています。ポリュフェモスから、逃げるアキスとガラテア。/右:ラファエロの「ガラテアの勝利」の左にあるフラスコ画「ポリュフェモス」(ローマ、ファルネジーナ荘)/その他:ニコラ・プッサン「ガラテア」クロード・ロラン「ガラテア」 /アドリエン ファン・ニウラント「ガラテアの凱旋」

さて、一番最初のご紹介したギュスターブ・モロー 。1月の後半から東京都美術館で開催されますが、現在は神戸で開催中のオルセー美術館展にも披露されていますね。本物をご覧になられた方には、ものたりない画像ですが、繊細で細やかで、宝石の花々が連なるように描かれています。同じ、オルセー美術館展では、19世紀を代表する印象派や写実派の作品がありますが、オルセー美術館所蔵で、「画家のアトリエ」をえがいた、リアリスムのギュスターヴ・クールベは、「みえるもの」を描くという画家。

ギュスターブ・モロー は、「目に見えるものや触れられるものは信じない。心に感じるものだけを信じます。」と言っています。世紀末芸術に、ファム・ファタル(宿命の女)を出現させたのですね。「夢を集める職人」だったのです。

それでは「変身物語」の第10巻目にあたる、ガラテアの物語は、「象牙の人形に恋したピュグマリオン」のガラテアです。

この物語を題材にしている作品には、ジャン=レオン・ジェローム、ジロデ・トリオゾン、エドワード・バーン=ジョーンズ、ブロンジーノ、フランソワ・ブーシェ、彫刻「ガラテア」があります。
若きキプロスの王でもある彫刻家ピグマリオンは、彼の理想の女性でもある、愛の女神アフロディテに似せた、自作の女神像ガラテアに恋をしてしまうのです。毎日、彼は、ガラテアが人であればと願い、祈り続けます。それが女神アフロディテによって、願いが叶うのです。生命を授けられたガラテア。二人は、もちろん結婚しました。

François Boucher

フランソワ・ブーシェ 「ガラテアとピグマリオン」

さすが、ロココを代表する優雅な画家。ブーシェは、ポンパドール夫人だけではなく、神話やシノワズリなども有名です。シノワズリには、中国人のスタイルそのものを描いた作品があります。(KAFKA変身抄

ちょうど、女神アフロディテが、ガラテアに、命を授けたところです。

Galatea and Pygmalion 右:Edward Burne-Jones 左:Anne-Louis Girodet de Roussy-Trioson

右:バーン=ジョーンズ 「ガラテアとピグマリオン」
左:ジロデ・トリオゾン 「ガラテアとピグマリオン」

RE+nessance


ジャン=レオン・ジェローム「ガラテアとピグマリオン」
オードレー・フラック 彫刻「ガラテア」
この「ガラテアとピグマリオン」は、一心に願い続けることは、必ず報われるということです。(報う、報われるでは意味が違いますね。「メジャー フォー メジャー 尺には尺を」のシェークスピアの言葉は、「報う」に使われますが)

パンドラの壷」からでてきた悪を、最後の希望が出てきたところに意味がある物語がありましたね。悪い状態でも、希望をもち、信じ続けること。必ず報われるということですね。これが、「ガラテアとピグマリオン」の説話になります。来年、皆様が「報われる良い年」になりますように。
| - | 07:35 | comments(0) | trackbacks(5) | pookmark |
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ガラテア
オードレー・フラック 「ガラテア」 © artnet オードレー・フラック(Audrey Flack/1931〜)は、スーパーリアリズムのアーティストとなんだけど、フラックの「ガラテア」は、ちょっといい。ガラテアは、アキスか、ピグマリオンかがわからない。 古代ローマの変
| Re+naissance | 2006/12/30 7:38 AM |
[テレビ][ART]モロー
今日の日曜美術館は上野で開催中のオルセー美術館展であった http://www.orsay3.com/ オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園 最後に紹介されたモローの作品に釘付けになった http://www.google.co.jp/search?hl=ja&client=firefox&rls=org.mozilla%3Aja%3A
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