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Dear, dear Norland マリアンの嘆き 「分別と多感」第5章 皮肉な人生

Nicolas Jacques, A young woman wearing gloves in a park, 1813

マリアンのイメージ画
ニコラス・ジャック 公園で手袋をはめた若い女性 1813


"Dear, dear Norland!" said Marianne, as she wandered alone before the house, on the last evening of their being there; "when shall I cease to regret you!- when learn to feel a home elsewhere!- Oh! happy house, could you know what I suffer in now viewing you from this spot, from whence, perhaps, I may view you no more!- And you, ye well-known trees!- but you will continue the same. No leaf will decay because we are removed, nor any branch become motionless although we can observe you no longer!- No; you will continue the same; unconscious of the pleasure or the regret you occasion, and insensible of any change in those who walk under your shade!- But who will remain to enjoy you?"

「あぁ、愛しい愛しいノーランドよ。私がおまえとの別れを悲しまなくなるのはいつのことだろう!新しい家を我が家と思えるようになるのはいつのことだろう!ああ、幸せな日々を過ごした我が家よ、いまここからおまえを眺める私の悲しみをわかってもらえるだろうか!こうしてお前を眺めることはもう二度とないのだ!そしておまえたち、見慣れた木々たちよ!でも、おまえたちは変わることはないだろう。わたしたちが去るからといって、葉一枚朽ちることはないだろう。私たちはもうおまえたちを眺めることはないというのに。枝一つ動きを止めることはないだろう。そう、おまえたちは変わることはない。おまえたちが与える喜びも悲しみも知らず、お前たちの木陰を歩く者たちの運命の変化もわからないのだ!でも、これから一体誰がおまえたちを見て楽しむのだろう。」

マリアンが屋敷を家族と共に去る最後の別れの嘆き。

桂冠詩人のような詩を、ジェーン・オースティンはマリアンの嘆きに創作しています。はじめは誰か有名な詩からの引用かと思っていました。

最後まで「分別と多感」を読み終えて、このまだ最初のくだりでのマリアンの嘆きは、このあとの最大の別れ、愛するウィロピーとの別れを予感させている暗示の部分だと。

ウィロピーは葉一枚朽ちることもなく、枝一つ動きを止めることもなく、マリアンと別れたあとも変わることもなく人生を送っていくのです。

saiが、記事「分別と多感 ダッシュウッド姉妹とサドのJJ姉妹」で、サドのジュリエットと「分別と多感」のマリアンを比較するのもわかる気がします。

「楽しいことは正しいこと」だと。

Princess Charlotte Augusta of Wales by Charlotte Jones

シャーロット・オーガスタ・オブ・ウェールズ 1818 
シャーロット・ジョーンズ(1768-1847)


こうしたマリアンに共感したのがシャーロット・オーガスタ・オブ・ウェールズ。ジョージ4世と王妃キャロラインの唯一の子として誕生し、結婚後の翌年に死産し死去。奇しくもジェーン・オースティンが亡くなった1817年のことでした。

シャーロット王女はジェーン・オースティンの大ファンでした。

死の翌年に描かれたシャーロット・オーガスタ・オブ・ウェールズの肖像画は、まるでジェーン・オースティンの小説に登場する誰かのように、ボンネットにモスリンドレス。ボンネットは18世紀に大流行。フランスのポンパドゥール夫人の肖像画にも描かれています。

シャーロット王女は手紙に「マリアンは私と似ているのです。無分別なところがそっくりです。」という手紙が残っています。画家シャーロット・ジョーンズは、シャーロット王女をマリアンのように描いたのでしょうか。

シャーロット王女はザクセン=コーブルク公爵レオポルド、のちのレオポルド1世 (ベルギー王)を見初めたのです。

まるでマリアンがウィロピーに恋したように。

シャーロット王女が亡くなって15年、レオポルドはフランス国王ルイ=フィリップの娘ルイーズ=マリーと結婚します。ルイーズ=マリーとレオポルドは22歳も年が離れているのです。マリアンに恋をしたブランドン大佐よりも。

「感情には情熱がないし、声には表情がないわ。」というマリアンは、最後には尊敬を込めてブランドン大佐と結婚しますが、ルイーズ=マリーはマリアンと同じく「最初の印象」は、レオポルドの無口さと重々しさに敬遠。

ただひとつだけ、この二組のカップルの違いは、説き伏せられて結婚を決めたこの若い妻よりも、年上のレオポルドは15年も経てもなお、亡くなったシャーロット王女を愛していたことです。

このルイーズ=マリーに結婚するように「説得」したのが叔母のマダム・アデライード。あのマリー・アントワネットの女官長ランバル公妃の姪にあたります。

シャーロット王女が亡くなって、残された人々は、ジェーン・オースティンの小説の登場人物と同じように生きていたのです。

Dear, dear Norland. あぁ、愛しい愛しいノーランドよ!
レオポルドの嘆きはまだ続いていたのです。

追記 リンク、TBありがとうございます。
記事...ジェーン・オースティンのファッション

| Books & Writer | 21:24 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
ハノーヴァー朝 英国の美少女姉妹たちとオースティンの姉妹たち


Thomas Gainsborough (1727-1788), Elizabeth and Mary Linley-The Linley Sisters. 1771-72, probably partly repainted. 1785 The Trustees of Dulwich Picture Gallery




ハノーヴァー朝は、ジョージ1世からジョージ4世までが統治したイギリスの王朝です。ジョージ3世(1760年 - 1800年)の時代、フランスの王妃マリー・アントワネットが嫁いだのが1770年。

この時代、英国の美女たちが大活躍。アントワネットとも親交があったデヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュ(1757-1806)がいます。そしてジョージアナと親友で、夫の愛人でもあった美しいエリザベス。

記事 デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュ

さて、こちらに描かれている二人の女性はリンリー姉妹。作曲家トマス・リンリーの娘たち。長女のエリザベスはリチャード ・ ブリンズリー ・ シェリダンと結婚。トマス・ゲインズバラの描いた「リチャード ・ ブリンズリー ・ シェリダン夫人」というのが、この左側に立っている18歳のエリザベスです。

記事 トマス・ゲインズバラ(Thomas Gainsborough)



 

Jane and Cassandra by Jane Odiwe’s watercolour

ジェーン・オースティンと姉カサンドラ
ジェーン・オディウィの水彩




さて、このリンリー姉妹の肖像画は、ジェーン・オースティンの本の表紙にもよく使われています。彼女の小説は、ほとんどが姉妹を中心にした読書の好きな家族の団欒とゴシップと姉妹たちの結婚の物語。

ふとですね、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」で次女にエリザベスという名をつけたのは、このリンリー姉妹からとったのかと思ったのです。そして姉妹たちの名前はこのリンリー姉妹のほか、ハノーヴァー朝に多かった美女たちの名前ではないかと。

長女はジェーン・ベネット (Jane Bennet)、ヒロインの次女はリジー (Lizzy) と呼ばれるエリザベス(Elizabeth)、三女はメアリー (Mary)、四女はキティ(キャサリン) (Kitty〔Catherine〕)、リディア (Lydia)です。



Jane Austen:Lydia Bennets Story by Jane Odiwe

ジェーン・オースティンの高慢と偏見
ジェーン・オディウィのリディア・ベネットの物語




たとえば長女はオースティン自身、三女のメアリーはリジー姉妹の妹メアリー、キャサリンこと四女キティは、キャサリン・マリア・フィッシャーことキティ・フィッシャーから命名したのではないでしょうか?

次女リジー (Lizzy)は五女リディア (Lydia)の駆け落ちに心を悩ますのが後半の最後のゴシップですが、実はトマス・ゲインズバラの描いた「リチャード ・ ブリンズリー ・ シェリダン夫人」ことエリザベスは、劇作家リチャード ・ ブリンズリー ・ シェリダンと駆け落ちしているんですね。1772年の3月のこと。そしてリディアがそうだったように、父親の承諾を得て結婚したのです。

のちにリチャードはデヴォンシャー公爵夫人ジョージアナの後押しもあって議員にもなり、劇作家としては、エリザベスと死別したあとに成功します。。

オースティンは1796年から1797年の間に「最初の印象」というタイトルで「高慢と偏見」(自負と偏見)は書かれました。

作家のサマセット・モーム(1874-1965)が、「どの作品にも大した事件は起こらない。それでいて、あるページをめくると読み終えると、さて次に何が起こるだろうかと急いでページを繰らずにはいられない」とオースティンの小説を評言しています。

そのジェーン・オースティンの記念切手の1枚。「高慢と偏見」です。ダーシーの肖像画に見入るエリザベス。これまでの彼への偏見が親愛に変わっていることをこの肖像画の前で気づくのです。

私としてはオースティンの小説をそれほど面白いとは思わないのですが・・・、娯楽小説としては楽しめると思います。

どちらかといえば若い女性たちの教訓書でもあり、「高慢と偏見」の中で、ヒロインのエリザベスが、後半で誤解していたダーシーに対して見直す場面と申し訳ない気持ちが、「人」としてこれほど完璧に悔やむ心理表現が上手いわぁ〜と思いますが。

そういう意味では人々の共感を呼ぶ作品だったのではないでしょうか。誰でも知っている近所のゴシップと誰でも知っている人間性に親しみがもてるような小説。

きっと登場人物が、自分の周囲の人々、あるいは自分自身に重ねられ、なおかつみんながハッピーなで、幸せな気分で終わるのがいいのかも・・・。

「高慢と偏見」のエリザベスですが、最後には裕福なダーシーと結婚が決まります。

このジェーン・オースティンの小説は精神的なものよりも物質的なものへ偏りがあるとされているのが、ダーシーのような「ジェントリ階級」との結婚ですが、それをジョン・ロック(John Locke)の思想の縮図として、「社会契約論」と「経験論」をたとえています。

記事 ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」出版200周年

ノーサンガー僧院(ノーサンガー・アベイ)では、やはりキャサリンの成長はヘンリーという女性を成長させる男性が登場します。子沢山の家庭のやせっぽっちの女の子キャサリンが裕福で博識な聖職者ヘンリーと結婚。

特にこの物語では、ジェーン・オースティンがフランシス・バーニー(ファニー・バーニー)の「エヴェリーナ」、マライア・エッジワースの「ベリンダ」と同様に作家自身の公言の場面があります。「セシリアだったかカミラだったか、ベリンダだったかしら。」

これはジェーン・オースティンの読者への謎々かもしれませんよ。

記事 ノーサンガー僧院 ヴェラ・ナザリアンのコラボ本とアンナ&エレナ・バルブッソの挿絵本(2012.11.09

私の予想した答えは、私の別ブログの記事 のマライア・エッジワースのご紹介の最後にくわえています。



Elizabeth Gunning and Maria Gunning,National Portrait Gallery

エリザベス・ガニング、マリア・ガニング
ナショナル・ギャラリー




もう一組の美女姉妹をご紹介しましょう。ジョージ2世時代の姉妹。

ガニング姉妹です。妹のエリザベス・ガニング(1733-1790)は貧しい家に生まれましたが、のちにその美貌でエリザベス・ハミルトン ダービー伯爵夫人となります。姉のマリア(1733−1760)もアーガイル公爵夫人として有名になります。

この姉妹、実はエリザベス・リンリーの夫リチャード ・ ブリンズリー ・ シェリダンの父親が監督するダブリン王立劇場で女優として働いていたのですね。すごいつながりですぅ。

さてジェーン・オースティンの魅力、もう少し探ってみようかと思っています。本を読み直して。そうするとaleiがジョン・ロックの思想を例えているように、saiがキリスト教に言及がないといわれているけれど、裏をひっくり返せば聖書の例えが覗いているというのが見えてきそう。

追記 さっそくTBありがとう! 究極の比較と宗教発見ですね!
記事 分別と多感 ダッシュウッド姉妹とサドのJJ姉妹


「高慢と偏見」について。

私はやっぱり「高慢と偏見」は好きじゃありませんでした。たぶんヒロインに共感するものが見当たらないのです。たしかに人物描写はとても優れています。近所の経験豊かな叔母さまたちの噂のネタように。

「高慢と偏見」は高慢がダーシーで偏見はエリザベスというところでしょうが、私にとってはエリザベス自身が「高慢と偏見」の女性だと思うのです。読んでいて彼女の言葉に意地の悪さや意地の悪い見方をしていて、ちょっと不愉快です。

人を見る目が確かだと自惚れているエリザベス。あとでそれは違ったと猛反省はいたしますが。

ジェーン・オースティンのヒロインの中で、エマとエリザベスはあまり好きではありません。

マンスフィールド・パークのファニー、分別と多感のエリナーが好きです。エリナーの妹のマリアンは過剰すぎますが、彼女の言葉はとってもわかる気がします。

追記 記事 Dear, dear Norland マリアンの嘆き 「分別と多感」第5章 皮肉な人生

そして「説得」のアン・エリオットですね。


| Books & Writer | 22:44 | comments(0) | trackbacks(1) | pookmark |
アンジェラ・バレットのイラスト ジェーン・オースティンの記念切手

Illustrator Angela Barrett Northanger Abbey

アンジェラ・バレットのイラスト 
ジェーン・オースティンの記念切手
スタンプカードセットから 「ノーサンガー僧院」(1817年)

英国ロイヤルメールから、ジェーン・オースティン著作「高慢と偏見」出版から200年を記念した切手が5種類発売されたそうです。スタンプカードセット、豪華本とのセット、記念切手のプレゼンテーションパックなど。

1811年から1818年まで出版された長編6作品が、アンジェラ・バレットのイラストで発行されました。


記事 英国ロイヤルメール ジェーン・オースティンの記念切手
記事 ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」出版200周年



Illustrator Angela Barrett Northanger Abbey

アンジェラ・バレットのイラスト 
ジェーン・オースティンの記念切手プレゼンテーションパック
 「ノーサンガー僧院」(1817年)


「ノーサンガー僧院」は、ヴェラ・ナザリアン編とアンナ&エレナ・バルブッソのイラスト編をご紹介しています。

記事 ノーサンガー僧院 ヴェラ・ナザリアンのコラボ本とアンナ&エレナ・バルブッソの挿絵本

あらすじ ノーサンガー僧院 WIKI

Jane Austen, Northanger Abbey ,  Queensway Press

ノーサンガー僧院 1935年 クイーンズウェイ出版


この切手のデザイン、1935年にロンドンのクイーンズウェイから出版された「ノーサンガー僧院」の表紙に良く似ています。

ゴシック小説の愛読者であるキャサリンの妄想癖の場面。ジョージアン様式の古めかしさに、東洋趣味のキャビネットを描いていて、魅力的な謎が隠されていると思い込んでしまう僧院。あとでその不思議な文章は洗濯物のリストだと気がつくのですが。



Jane Austen Stamps

ジェーン・オースティンのプレゼンテーションパックのリーフレットから




「高慢と偏見」の2年前に初出版されたのは「分別と多感」(1811年)ですが、「高慢と偏見」を200年記念としたのは、こちらのほうが評価されているからなんでしょうね。。

この「ジェーン・オースティンのプレゼンテーションパック」には、著作活動、あらすじなどのリーフレットが入っていました。(折り曲げられているのでなんかもったいない〜・・・。)

このイラストはそのリーフレットにあったもので、ジェーン・オースティンの執筆中を後姿から描いたんですね。



biographical information

ジェーン・オースティンのプレゼンテーションパックのリーフレットから
執筆活動の紹介文




ジェーン・オースティンの記念切手のリーフレットには、オースティンが晩年8年間を過ごし、現在は博物館となっていますチュートンのコテージがイラストで紹介されています。

右下はオースティンの姉妹カサンドラによる肖像画を元にした版画のジェーン。

彼女の名前で本が出版されたのは死後のことらしく、匿名で小説を書いていたそうですね。

「私は胸を張って、本を書くという大それたことを試みた女性の中で、もっとも無知で無教養な人間だと自慢することができます。」というほど、彼女jは文学ではなく「小説」(娯楽小説)を「書き続けました。

「ノーサンガー僧院」は、20年後の出版なんですね。マリー・アントワネットの20年後に生まれ、ジェーンが18歳の時に処刑されました。フランス革命が起こって、出版がおくれたとも考えられます。



J.M. Dent 1898 editions of Austens novels illustrated by C.E. and H.M. Brock

ジェーン・オースティン全集 1898 英国デント社出版
ノーサンガー僧院 イラスト C.E. ブロック


Charles Edmund Brock  1907

ノーサンガー僧院 1907年版 
イラスト C.E. ブロック


この場面は、アンジェラ・バレットのイラストの場面より少し前。嵐がきそうな気配を窓からのぞくキャサリン。この夜、不思議な文書を発見します。それが記念切手の絵柄です。


 

The Complete Novels of Jane Austen by Jane Austen, Jacqui Oakley

ジェーン・オースティン全集 2012 から 「ノーサンガー僧院」
イラスト ジャッキー・オークリー




これは友人aleiからの英国土産。ありがとう!keiちゃんにはスタンプカードセット。記事最初のジェーン・オースティンのスタンプカードの切手はkeiちゃんからお借りしました。お借りした画像にはkafkaの署名入りで使用させていただいています。

Jane Austen Presentation Pack

ジェーン・オースティンの記念切手プレゼンテーションパック


英国ロイヤルメールのジェーン・オースティンの記念として「高慢と偏見」のハードカバーも記念に出版されました。

豪華本です。

記事 ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」出版200周年



ちなみに・・・
私の選んだ「高慢と偏見」

Pride and Prejudice  of Jane Austen

右は英国デント社出版の全集から
左は1907年のブロックのイラストの口絵


Pride and Prejudice of Jane Austen

画像に明記しています


The Annotated Pride and Prejudice

注釈 高慢と偏見
ジェーン・オースティン、注釈 デヴィッド・M・シェパード


デヴィッド・M・シェパードによる「注釈 高慢と偏見」の表紙は、ジェーン・オースティンの姉カサンドラの作品で、若いジェーンの肖像といわれていましたが、ジェーンの姪ファニーだということです。

記事 ノーサンガー僧院 ヴェラ・ナザリアンのコラボ本とアンナ&エレナ・バルブッソの挿絵本


| Books & Writer | 20:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ボタニカルアート スリナム産昆虫変態図譜 1705年版

Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン
「スリナム産昆虫変態図譜」1705年版


1705年版(初版)の「スリナム産昆虫変態図譜」からです。saiが「スリナム産昆虫変態図譜」の全イラストプレートを所持しているので、たくさんみせてもらいました。aleiからは「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」の1730年版をみせてもらい、マリア・ジビーラ・メーリアンの魅力を満喫したところです。
前記事  マリア・ジビーラ・メーリアン  ボタニカル・アート
KAFKA マリア・ジビーラ・メーリアン 博物誌
可愛らしいお花やハーブや果実はブログKAFKA版と楓版でアップしています。

Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン
「スリナム産昆虫変態図譜」1705年版



Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン
「スリナム産昆虫変態図譜」1705年版



Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン
「スリナム産昆虫変態図譜」1705年版



Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン
「スリナム産昆虫変態図譜」1705年版



| Books & Writer | 16:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
マリア・ジビーラ・メーリアン  ボタニカル・アート

XXIV - Goote Roos - Rosa maxima

1750年出版のフレデリック・ベルナルド編
マリア・ジビーラ・メーリアンの「大輪の薔薇」




マリア・ジビーラ・メーリアンのマイセン陶器の記事「マイセン メリーアンの花」はKAFKAでご紹介しています。

こちらでは、フレデリック・ベルナルドによる版の「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」を中心にマリア・ジビーラ・メーリアンのボタニカル・アートをご紹介。

毛虫や昆虫も描かれていますが、可愛い図譜を中心にしました。

Maria Sibylla Merian (1647?1717) Metamorphosis insectorum Surinamensiam 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン
原書 スリナム産昆虫変態図譜 1705年版


1719年版の「スリナム産昆虫変態図譜」は、1705年の図譜にくわえて12枚追加されています。KAFKAでは「スリナム産昆虫変態図譜」を中心に、記事「マリア・ジビーラ・メーリアン 博物誌」で、1719年以降に出版された図譜のリトグラフを紹介しています。



De europische Insecten. 1730  Maria Sibylla Merian

マリア・ジビーラ・メーリアン
1730年のフォリオ版の手彩色のリトグラフ


現代の印刷によるマリア・ジビーラ・メーリアンの花々と古い手彩色のリトグラフでは色が違ったり、向きが違ったり様々ですが、愛らしい花と昆虫を描いたマリア・ジビーラ・メーリアンの情熱は消えていませんよね。



 

LXVII - Gemeine Schafgarbe

マリア・ジビーラ・メーリアン 西洋ノコギリソウ
フレデリック・ベルナルド編 1750年版


Jerusalems-Bloem

マリア・ジビーラ・メーリアン エルサレムの花
フレデリック・ベルナルド編 1750年版


Gemeene Distel

マリア・ジビーラ・メーリアン 薊
フレデリック・ベルナルド編 1750年版


Mohn

マリア・ジビーラ・メーリアン ポピー
フレデリック・ベルナルド編 1750年版




こちらは「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」(1679)に収められていたボタニカル・アートの1枚で、フレデリック・ベルナルドやヨハネス・オーステルウィックによって、1715年から1730年に公開されています。

Rose Platte CXLVI

マリア・ジビーラ・メーリアン
「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」(1679)




| Books & Writer | 17:39 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
ウォルター・クレイン 花の婚礼

A flower wedding : described by two wallflowers (1905) by Walter Crane

ウォルター・クレイン 花の婚礼 1905


ウォルター・クレインの絵本の挿絵をはじめ、シェイクスピア、そして花のシリーズなど、最近では邦訳で復刻版などもあり、多くの人が楽しめるようになりましたね。

値段の安いものから、アンティークの古書は〇万円〜という具合に、さまざまな価値がついているウォルター・クレインのイラスト本。

本日は「花の婚礼」をご紹介しますね。


























































































プロポーズから婚礼、招待客、そしてハネムーンにアクシデントがあっても、結局ハッピーエンドで終わる物語。

今年もハッピーエンドで、来年を良い年で迎えたいものです。

ウォルター・クレイン関連記事
□「古代英国庭園の幻想的な花々」(1899)
□「眠れる森の美女 いばら姫(眠り姫)
□「ウォルター・クレイン  生と死の架け橋
□「ウォルター・クレイン シェイクスピアの花園」(1906)
□「ウォルター・クレイン 夏の女王、あるいは百合と薔薇の騎馬試合 1891
□「ウォルター・クレイン 壁画 ロングフェローの詩 ヴァイキングの花嫁」(1882)








| Books & Writer | 21:43 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
王妃ガートルード 脆きもの、汝の名は女なり

Hamlet Before King Claudius, Queen Gertrude and Ophelia, Scene from

ハムレットの劇中劇
王クローディアス、王妃ガートルード
オフィーリアの前のハムレット
1900年頃 クリスチャン・アウグスト・プリンツ 個人所蔵


この場面、ハムレットの第三幕第ニ場の劇中劇を観ている場面ではないでしょうか。ハムレットが劇中王妃が退場し、劇中王が眠るときに、「母上、芝居はいかがでしょう」と聞き、王クローディアスが芝居の題を尋ねるところ。ハムレットは「ねずみとり」と答えます。

「ねずみかな」といってハムレットがオフィーリアの父ポローニアスを誤って殺してしまうのが、この劇中劇「ねずみとり」のあとです。ドラクロワも、そしてダニエル・マクリースらをはじめ、19世紀の画家たちも描いているシーン。

ところでなぜ、王妃ガートルードは毒杯を飲み死んだのでしょうか。劇中劇で劇中王妃は「誓い」を口にします。死が二人を別つとも、愛の裏切りはしないと。

第一幕でハムレットの父の亡霊が「母のことは天に委ねる」とあります。天に委ねなければならない罪があるとしましたら、「罪として認識」していないことなのではないでしょうか。

ガードルードはハムレットの父とノルゥエーの王(フォーティンブラスの父)が一揆打ちでの勝利者と結婚をしたのです。フォーティンブラスの父は死に、ハムレットの父が勝利しました。

このハムレットの劇中劇は、「王殺し」、「叔父殺し」、そしてハムレット、レアティーズ、ノルゥエーの王子フォーティンブラスを象徴させる「王権交代」が演じられていて、「盲目の三匹のねずみ」を例に、デンマークの先王(ハムレットの父)、現王(クローディアス)、ノルゥエーの王(フォーティンブラスの父)と歌に登場する農夫の妻にガートルードをなぞらえています。

記事 ハムレット劇中劇 「人間はなんという傑作だ!」 The Play Scene in Hamlet

王妃ガートルードは、亡くなった王の弟と喪があかないうちに結婚をします。オフィーリアの台詞に「いえ、二月が二回過ぎました。」(Nay, 'tis twice two months, my lord.)とあり、ハムレットは「喪服は悪魔にくれてやろう」(Nay then, let the devil wear black,)と答えています。



Edwin Austin Abbey - The Queen in Hamlet (1895)

ハムレットに登場する王妃 (王妃ガートルード)
1895 エドウィン・オースティン・アビー




もちろん原作からは、王が亡くなってから弟王に求愛されて結婚。「罪として認識」していないこととは喪に服してるときに誘惑によろめいたこと。

Frailty, thy name is woman.
脆きもの、汝の名は女なり

脆い。もろさは儚さ、果敢無さ。私は王妃ガートルードを、愛に脆い女性として描かれていると思うのです。つまりよろめく女。三島由紀夫も「美徳のよろめき」を小説にしていますが。ハムレットの第一独白の「脆きもの、汝の名は女なり」は、そういう母を咎めているのでしょうか。それとも「女とはそういうものか!」と求愛にときめき、なびく女性を咎めているのでしょうか。

昭和40年代のドラマ、メロドラマは流行りましたね!蹌踉めき満載でした。「子供はあちらへ」と言われた経験ありませんか?

「メロドラマ(melodrama)とは、扇情的かつ情緒的風合いの濃厚な、 悲劇に似たドラマの形式」(WIKIより引用)とありますが、感情を揺さぶるメロディと衝撃的なドラマが情緒に訴える流行の演劇スタイルです。

王妃ガートルードはまさにその象徴的な存在。そのガートルードの母性をakiさんが記事にしています。

記事 王妃ガートルード 母性の証

先にも書きましたが、「原作からは、王が亡くなってから弟王に求愛された」わけなんですが、本当でしょうか?メロドラマ風に解釈しますと、弟王とは王がなくなる前から愛人関係にあり、もしかすると不義の子かもしれませんね。(笑)

王妃王妃ガートルードの台詞はオフィーリアの追悼が有名かもしれませんが、saiから借りたマリー・ヒーブナーの「ハムレットの悲劇的な歴史」のイラスト集には、こんな台詞がピックアップされていました。



The Tragic History of Hamlet by Mary Heebner

第二幕第四場 王妃ガートルード 「・・・乱れた心の熱い炎に・・・」
マリー・ヒーブナー 「ハムレットの悲劇的な歴史」




第二幕第四場王妃の私室で、ハムレットが「何だ、ねずみか?死ね」(How now! a rat? Dead, for a ducat, dead! )と、王と誤って、オフィーリアの父を殺した直後のイラスト。

王妃は「なんと惨い」とハムレットを責めます。ハムレットは「お前がやった!」といいます。

「つつしみと恥じらいに泥を塗り、美徳を偽善者に仕立て、清らかな愛の額から愛の証の薔薇を剥ぎ、かわりに娼婦の烙印を押しました。結婚の誓いをいかさま博打に貶めて。」
(Calls virtue hypocrite, takes off the rose From the fair forehead of an innocent love And ets a blister there, makes marriage-vows As false as dicers' oaths)

そこに父の亡霊があらわれます。王妃ガートルードには見えない亡霊。

この場面のマリー・ヒーブナーのイラストはこちら。
記事 マリー・ヒーブナー 「ハムレットの悲劇的な歴史」から ”Do you see nothing there?”

王妃ガートルード
「あぁ、大事はない?虚空を見つめ、空のものに話しをし、その目には狂った心が覗いている。不意に起こされた兵士のように眠っていた髪に命が通い、逆立っている。あぁ、優しい息子、乱れた心の熱い炎には、耐え忍ぶに冷たい水をそそぐのです。どこを、何をみているというの?」

Alas, how is't with you,
That you do bend your eye on vacancy
And with the incorporal air do hold discourse?
Forth at your eyes your spirits wildly peep;
And, as the sleeping soldiers in the alarm, 
Your bedded hair, like life in excrements,
Starts up, and stands on end. O gentle son,
Upon the heat and flame of thy distemper
Sprinkle cool patience. Whereon do you look?



The Tragic History of Hamlet by Mary Heebner

第二幕第四場 王妃ガートルード 「私の心を真っ二つ」
マリー・ヒーブナー 「ハムレットの悲劇的な歴史」


「おぉ、ハムレットが、私の心を真っ二つに引き裂いた」
O Hamlet, thou hast cleft my heart in twain.



The Tragic History of Hamlet by Mary Heebner

第五幕第五場 王妃ガートルード 「美しいものは美しい人へ」
マリー・ヒーブナー 「ハムレットの悲劇的な歴史


王妃ガートルート(花を巻きながら)
美しいものは美しい人へ、さようなら。ハムレットの妻になってくれると思っていたのに。その新床を飾ろうと思っていたお花を、お墓に撒くことになろうとは。

Sweets to the sweet. Farewell! (scatters flowers)
I hoped thou shouldst have been my Hamlet’s wife.
I thought thy bride-bed to have decked, sweet maid,
And not have strewed thy grave.

記事 シェイクスピアの言葉遊び オフィーリアのヘンルーダー


邦訳はこちら
記事 オフィーリア  Ophelia

There is a willow grows askant the brook,
That shows his hoar leaves in the glassy stream.
Therewith fantastic garlands did she make
Of crowflowers, nettles, daisies, and long purples,
That liberal shepherds give a grosser name,
But our cold maids do dead-men's -fingers call them.
There on the pendent boughs her crownet weeds
Clambering to hang, an envious sliver broke
When down her weedy trophies and herself
Fell in the weeping brook. Her clothes spread wide,
And mermaid-like while they bore her up;
Which time she chanted snatches of old tunes,
As one incapable of her own distress,
Or like a creature native and indued
Unto that element. But long it could not be
Till that her garments, heavy with their drink,
Pulled the poor wretch from her melodious lay
To muddy death.



| Books & Writer | 15:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
シェイクスピアの言葉遊び オフィーリアのヘンルーダー

O you must wear your rue with a difference by Mary Heebner

マリー・ヒーブナー 「ハムレット」から
第四幕第五場 「あなたは少し違って身につけて」(部分)




シェイクスピアのずっとあとの時代。ルイス・キャロルの言葉遊びは、「不思議の国のアリス」で小さい頃からお馴染みでした。

シェイクスピアは原文と意味をさらに探求しないとなかなか翻訳の意図を理解できません。翻訳者の洒落た翻訳。そして4つの原文と改訂版。

マリー・ヒーブナーの「ハムレット」は18のイラストがセリフをタイトルに構成されています。

記事 マリー・ヒーブナーのイラスト集「ハムレット」
記事 マリー・ヒーブナー 「ハムレット」から

sai の以前の記事を読み直していて、ハムレットのセリフのSUNとSON、KINとKINDの韻を踏ませた「言葉遊び」がありました。(saiとaleiは学生時代にシェイクスピアの名作が英語の副読本ですっごく勉強をさせられたらしいです。もう読みたくないらしいです。)

記事 詩は有声の絵、絵画は無声の詩 ハムレットから (ハムレット機

さてオフィーリアの場合は、少し違って花言葉の意味が重ねられます。

あなたにはルー(ヘンルーダー,芸香)。そして私にも少し。
日曜の”恵みのハーブ”ともいうの。
あぁ、あなたは少し違って身につけて。

ヘンルーダーはルーと呼ばれています。rue(ルー)という単語は、罪を悔いる、物事を後悔するという表現に使われていますね。そしてもう一つ悲嘆に暮れる。そのまま花言葉に用いられています。王妃には後悔、オフィーリアには悲嘆。



Mary Heebner illustrates Shakepeare’s classic, Hamlet




辞書にはShe'll rue the day she married him (彼女は彼との結婚の日を後悔することだろう)とありますが、スコットランドの諺、Better rue sit than rue flit (今までどおりに耐えることは、他で耐えるよりも最善である)にも使われています。フランス語では、rue(ルー)は道、通りを意味しますが、スコットランドの諺では、自分の居場所として使われています。

その rue(ルー)はギリシア語のレウオ(reuo)に由来し、自由の身にするという意味です。このハーブには毒性があります。

ハムレットの父親は、母の王妃が再婚した弟王によって毒殺。王妃も毒の杯で死ぬことになります。

オフィーリアが花を手渡した人すべてが、毒剣と毒杯によって「自由の身」となり死すことになるんですね。

時々原文にもフランス語が登場しますが、ここでも、あの世とこの世の「道」を示唆しているのなら、この言葉遊びは完璧です。

OPHELIA (原文)
There’s fennel for you, and columbines.—There’s rue for you, and here’s some for me. We may call it “herb of grace” o' Sundays.—Oh, you must wear your rue with a difference.—There’s a daisy. I would give you some violets, but they withered all when my father died. They say he made a good end (sings) For bonny sweet Robin is all my joy—



O you must wear your rue with a difference by Mary Heebner

マリー・ヒーブナー 「ハムレット」から
第四幕第五場 「あなたは少し違って身につけて」




原文だけでは誰に何の花を贈ったのかわからないと思いません?(笑)、ちなみに「冬物語」でもヒロインのパーディタはオフィーリアと同じフレーズを台詞にしています。

「あなたにはローズマリーとヘンルーダを。長い冬の間も・・・」

記事 運命の花ざかり 「冬物語」 パーディタの花くらべ  ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」から

オフィーリア
あなたにはフェンネル(茴香)とコロンバイン(苧環)
あなたにはルー(ヘンルーダー,芸香)。そして私にも少し。
日曜の”恵みのハーブ”ともいうの。
あぁ、あなたは少し違って身につけて。
デイジー(雛菊)もあるの。
パンジー(菫)をあげたかったのにお父様が亡くなって枯れてしまったの。
立派な最後だったんですって。
~♪ フォア ボニー スィート ロビン イズ オール マイ ジョイ ♪~

OPHELIA (現代文)
(to GERTRUDE ) Here are fennel and columbines for you—they symbolize adultery. (to CLAUDIUS) And here’s rue for you—it symbolizes repentance. We can call it the merciful Sunday flower. You should wear it for a different reason. And here’s a daisy, for unhappy love. I’d give you some violets, flowers of faithfulness, but they all dried up when my father died. They say he looked good when he died. (sings) For good sweet Robin is all my joy.

(王妃ガートルードへ)
あなたには不実の茴香と姦通の苧環。
(王へ)
あなたには悲哀と悔やみの芸香。私の分も少しね。これは安息日の恵みのハーブとも言うのよ。少し違った意味を込めて身につけましょう。これは不幸な恋の雛菊。忠実な菫もをあげたかったのにお父様が亡くなって枯れてしまったの。立派な最後だったんですって。

さて、現代文からもわかりますようにフェンネル(茴香)とコロンバイン(苧環)は王妃ガートルードへ。

Walter Crane, Fennel and Columbine Flowers from Shakespeares Garden, 1906

ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」  1906
There’s fennel for you, and columbines.—


ウォルター・クレインは、シェイクスピアの劇中花を擬人化させセリフを添えて出版しています。

Flowers From Shakespeares Garden” (1906)

ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」  1906
There’s rue for you


Walter Crane, Daisy , Flowers from Shakespeares Garden, 1906

ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」  1906
There’s a daisy


Walter Crane, Pansy , Flowers from Shakespeares Garden, 1906.

ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」  1906
There’s a Pansies


There's fennel for you, and columbines: there's rue
for you; and here's some for me: we may call it
herb-grace o' Sundays: O you must wear your rue with
a difference. There's a daisy: I would give you
some violets, but they withered all when my father
died: they say he made a good end,--
Hamlet (4.5)

ハムレットの母 王妃ガートルードの言葉です。全文と翻訳はこちら。
記事 オフィーリア  Ophelia

There is a willow grows aslant a brook,
That shows his hoar leaves in the glassy stream;
There with fantastic garlands did she come
Of crow-flowers, nettles, daisies, and long purples
That liberal shepherds give a grosser name,
But our cold maids do dead men's fingers call them:
There, on the pendent boughs her coronet weeds
Clambering to hang, an envious sliver broke;
When down her weedy trophies and herself
Fell in the weeping brook.
Hamlet (4.7)

レアティーズ
墓に埋めよ。その美しき汚れなきからだより、菫の花よ咲きいでよ。いいか!慈愛の天使となるとき、おまえは地獄に堕ちて喚くがいい!

ハムレット
何、美しいオフィーリアが?

王妃ガートルート(花を巻きながら)
美しいものは美しい人へ、さようなら。ハムレットの妻になってくれると思っていたのに。その新床を飾ろうと思っていたお花を、お墓に撒くことになろうとは。

原文でハムレットがもともとホレイシオに向って” What, the fair Ophelia?”と言った台詞は、現代文では”What, the Ophelia”となっていて、現在の英語には、 美しいという意味でのfair は使われていません。fair (フェア)は「公平」という言葉で皆さんご存知の言葉ですが、このfair は大きく分けると4つの意味があります。精神を表す「公平」、人を形容する「肌が白く金髪の〜」、内面の「清らかな」、天候の「晴れ」ですよね。

この「fair Ophelia」は、外面の「綺麗なオフィーリア」で使われていたのか、内面の「清らかなオフィーリア」を意味していたのかとなると、「尼寺へ行け!」(娼婦館)とハムレットがオフィーリアに暴言を吐いたことを思い出します。清らかな肉体のままあの世に行ったオフィーリアと尼寺でのハムレットの言葉をここで対比させていたのだとしましたら、「何、清らかなオフィーリアが?」でもいいですね!

Shakespeares Garden by Walter Crane

ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」  1906
Enter Ophelia


さて王妃はこのハムレットのfair (フェア)に続くようにfarewell (ファラウェル、フェアウェル)と告別の意味を含んだ別れの「さよなら」をかけています。現代文では王妃のさよならは”Goodbye”です。

第四幕第五場で、狂気のオフィーリアが口ずさんだ歌の中で”God ha' mercy on his soul! And of all Christian souls, I pray God. God buy ye.”に、 ”God. God buy ye” (May God be with you.)と「神があなたと共にあられますように」と、”Goodbye”の原型が記されていますね。

フランスのアデューと同じ決別、告別の「さよなら」は、狂気のオフィーリアの歌にはでてきませんが「私も死の床へ」と歌っています。

Lay her i' the earth:
And from her fair and unpolluted flesh
May violets spring! I tell thee, churlish priest,
A ministering angel shall my sister be,
When thou liest howling.
HAMLET:
What, the fair Ophelia!
QUEEN GERTRUDE.
Sweets to the sweet. Farewell! (scatters flowers)
I hoped thou shouldst have been my Hamlet’s wife.
I thought thy bride-bed to have decked, sweet maid,
And not have strewed thy grave.
Hamlet (5.1)

余談です。
ヘンリー8世に処刑をされた王妃アン・ブーリン。彼女がロンドン塔に残したのではないかという詩にも”Farewell!”が登場します。

Farewell! my pleasures past;
さようなら、過ぎし喜びの時よ

記事 アン・ブーリン ”おお死よ、われを眠りに” シェイクスピア ”おお死よ、われを眠りに”

”Sweets to the sweet”ですが、現代文では”Sweet flowers for a sweet girl”となっています。可愛らしい、綺麗な、甘美ななどとも訳せますが、王妃が花を撒きながらの台詞なので、「可愛いものには可愛いものを」、「美しいものには美しいものを」で、「尺には尺を」のフレーズを思い浮かばせてくれますね。



そのほかのウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」の「ハムレット」はこちら。

ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」  ハムレット


40枚ほどの挿絵を公開します。近日中に。ぜひご覧ください。

記事 ウォルター・クレイン 「シェイクスピアの花園」 1906



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カミーユ・ピサロの息子 リュシアンのオフィーリア

Lucien Pissarro in England: The Eragny Press 1895 - 1914,Ophelia from 'Jules Laforgue: Moralites Legendaires (tome second)' by Lucien Pissarro(Ashmolean Museum)

ジュール・ラフォルグ著「伝説寓話」の挿絵 1898
リュシアン・ピサロ オフィーリア


カミーユ・ピサロの息子リュシアン・ピサロは木版画家として有名ですね。ヨーロッパに出張や旅行によく行く友人たちからアシュモリアン美術館やテート・ギャラリーにある作品をお土産話に聞いていました。




Pissarro Lucien, (Follow this Artist ) Ophelia

リュシアン・ピサロ オフィーリアの模倣作品 作者不詳


シャルル ペローの童話やミルトンの「アレオパジティカ」の版も制作していたリュシアン・ピサロ。

昨年(2011)に「英国のリュシアン・ピサロ」展がアシュモリアン美術館で開催されていたそうです。




Lucien Pissarro (1863 - 1944), from Les Moralites Legendaires, volume 2, 1898

ジュール・ラフォルグ著「伝説寓話」第2巻 口絵
リュシアン・ピサロ オフィーリア 着色版 1898 個人所蔵




ジュール・ラフォルグの「伝説寓話」には、「サロメ」も登場します。

英国では、ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に影響を受け、ケルムスコットプレスに所属して美しい装丁の書物を制作していましたが、今回の挿絵はいずれもリュシアン・ピサロのプライベート・プレス「エラニー・プレス」の刊行です。

Salomé from Jules Laforgue: Moralites Legendaires

ジュール・ラフォルグ著「伝説寓話」
リュシアン・ピサロ サロメ


Perrault, Charles; Lucien Pissarro

シャルル・ペロー童話集 1899
リュシアン・ピサロ 眠れる森の美女


サロメは、記事「ギュスターブ・モロー 6枚のサロメ」から、眠れる森の美女は、記事「エドワード・バーン=ジョーンズ 眠れる森の美女 いばら姫(眠り姫)」からご覧ください。

ハムレットのオフィーリア記事



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チャールズ&メアリー・ラム 「シェイクスピア物語」 1909年版 アーサー・ラッカムの挿絵

Tales from Shakespeare, by Charles and Mary Lamb illustrated by Arthur Rackham

ラム姉弟 「シェイクスピア物語」  1909
オフィーリア 挿絵 アーサー・ラッカム


1807年に刊行された「シェイクスピア物語」は、1909年版はアーサー・ラッカムの挿絵です。ハムレットは「デンマークの王子ハムレット」というタイトルで、読みやすい物語になっています。

作品画像は二つの出版社の比較を含めて15枚、物語として13枚(テキストリンクを含めて)ご用意しました。

Hamlet,Prince of Denmark  Lamb, Charles & Mary Tales from Shakespeare London, 1909


序文、テンペスト夏の夜の夢(J.M. Dent & Co)、冬物語 、空騒ぎ、お気に召すまま、ヴェローナの二紳士、ベニスの商人、シンベリン、リア王、マクベス、終わりよければ全てよし、じゃじゃ馬ならし、間違いの喜劇、尺には尺を、十二夜、アテネのタイモン、ロミオとジュリエット、デンマークの王子ハムレット(J.M. Dent & Co)、オセロ、タイヤの王子ペリクリーズです。



リア王  挿絵 アーサー・ラッカム


Romeo and Juliet

ロミオとジュリエット 挿絵 アーサー・ラッカム


Tales from Shakespeare, by Charles and Mary Lamb,Illustrated by Arthur Rackham, 1909. London: The Temple Press

チャールズ、メアリー・ラム 「シェイクスピア物語」  1909
テンプル・プレス版

 

夏の夜の夢 挿絵 アーサー・ラッカム


The Winters Tale  Arthur Rackham 

冬物語 挿絵 アーサー・ラッカム
J.M. Dent & Co 1909


アーサー・ラッカムの1890年、1909年版のチャールズ&メアリー・ラムの「シェイクスピア物語」は、各出版社で多少の違いがあります。夏の夜の夢「ティターニアとロバの頭」はモノクロのものもありますし、枠のないイラストもあります。

LAMB, Charles and Mary. Tales from Shakespeare. Illustrated by Arthur Rackham. London: J.M. Dent & Co., 1909.

チャールズ、メアリー・ラム 「シェイクスピア物語」  1909
J.M. Dent & Co


冬物語パーディタ(リオンディーズとハーマイオニの娘)も1909年版のテンプル・プレス版とJ.M. Dent & Co版では若干トーンが違います。(スキャナ取り込みでちょっと極端かもしれません!)

チャールズ&メアリー・ラムの「シェイクスピア物語」は、ガートルード・ドマン・ハモンドのイラスト(1878)、ロバート・ベルのイラスト(1899)などもあります。

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